今年から最近までに読んだミステリーあれこれ・愚見を少々




【私は図書館や図書室が苦手】
私の欠点です。あるいは贅沢病の一種です。節約意識に欠けるのでしょう。少なくとも、高校時代から図書館で勉強するのが苦手でした。あのシーンとした雰囲気が圧迫感や閉塞感となり、読書や勉強に集中出来なくなるのです。むしろ、公園や駅のベンチ、ホテルのロビー、喫茶店、多摩川土手のような「雑音」のある場所の方が不思議と集中出来るのです。自宅で読書や勉強をする場合はラジオやステレオで音楽を流していた方が集中出来ます。「無音状態」が苦手なんですね。

本を図書館から借りて読む習慣もありません。贅沢ですよね。返本納期があるのが嫌とか、図書館にいちいち行くのが面倒等の理由もありますが、最大の理由は、私は本に書き込みをするクセがあるからなんです。気になる個所、未知の事柄、良い言葉等に出会うと、几帳面な人であれば手帳やノートに書き込むのでしょうけど、私は横着者なので直接本に書き込みをしたり、印をつけたり、折り目をつけてしまいます。その代わり、本の7割くらいは中古本を買います。文庫本や新書版のような比較的価格の安いものは新品を買うこともありますが、今は本のサイクルが速いので、2週間もすれば大抵の新刊本は2割引き以下で中古本屋さんに出回っているので、そちらで買います。

わたしは変わり者なのかと思っていたら、案外と同じ人がいると分かり、少しホッとしていますが(^_^;)。

以下は私の好みであり、独断と偏見ですから、参考にもならないかもしれません。


【期待はずれだったミステリー本】
「仮面病棟」(実業之日本社文庫)…評価→下の中。
最近は特に目立つ印象があるのですが、本の帯に「怒涛のドンデン返し!!」「ラスト3ページで涙腺崩壊!!」「著者渾身の最大傑作!!」等の大げさなコピーがやたらと躍っています。実際に読むと、ちっとも涙腺など崩壊しませんし、ドンデン返しは期待外れでひっくり返る場合が多いし、最大傑作どころか凡作でしかないものが多いです。

で、「仮面病棟」も著者が医師とて、海堂尊の「ジェネラル・ルージュ」並みの期待をしましたがガッカリ。設定もトリックもリアリティが無いのでドッチラケ。むしろ、これはマンガかよ、って感じ。いや、おちゃらけたマンガ系のミステリーやSFなら、それはそれで私は好きです。しかし、この本はどうにも中途半端だ。

奥田英朗「ナオミとカナコ」…評価→下の上。
単行本のカバーデザインがおしゃれだったことと、私が愛読している随筆家の中野翠さんが推していたので久しぶりに奥田英朗のミステリーを読みました。最初は面白そうな気配がありましたが、中国人の女社長が登場して来た頃から私の熱は冷めて行きました。ダメですよ。日本人の目に映る旧態依然としたステレオタイプの中国人を描いては。これもマンガか?

「ナオミとカナコ」はテレビドラマ化されましたが、こういうのはドラマにしたら面白いかもしれませんね。奥田英朗の「最悪」「邪魔」を読んだ時の評価は「中の下」くらいでした。それなりに面白さはありますが、やたら長い上に内容が陰惨で暗いので読んでいて憂鬱になってしまった覚えがあります。それ以来、読まなくなりましたが、これで奥田英朗の本とはオサラバです。

大沢有昌「雨の狩人 - 狩人シリーズ・4」…評価→下の上。
私は「新宿鮫シリーズ」の大ファンだったのですが、5シリーズ目くらいから質の低下を感じてやめました。
いいですか?鮫島刑事だったか誰かは忘れましたが、どこかの道路から公園を通り過ぎ、目的のアパートに辿りつくまでにやたらと細かい描写で十数ページを費やしている箇所がありました。それが後々の何かの伏線にでもなっているのであればまだしも、そうではないのです。あのねえ、純文学じゃなくてハードボイルド系なんだから、もっと展開の速さが必要でしょうに。ただのページ稼ぎだよ。ウンザリ。そして、「雨の狩人」にもウンザリ。これで大沢有昌の本とはオサラバです。

【私がオサラバしたミステリー作家】
海堂尊…なまじ、「チームバチスタ」で華々しいデビューを飾った分だけ、後が苦しくなったか。田口・白鳥シリーズは3作目「ジェネラル・ルージュ」を最後に、それ以降はグッと密度が下がった。退屈。

森村誠一…「人間の証明」「野性の証明」以下、何冊か読みましたが、この人はストーリーよりも文章そのものがネチネチとイヤラシク暗いのでやりきれない。(例外はある)

宮部みゆき…社会派ミステリー「火車」やSF系の「龍は眠る」「レベル7」「蒲生邸事件」までは楽しめたけど、「理由」で期待外れとなり、「模倣犯」はただ水ぶくれしただけの内容の大長編に辟易。やめた。

純文学や風俗文学の世界だけではなく、ミステリーの世界も大長編を書かないと大物作家として評価されない傾向があるのでしょうか?しかし、私の知る限り、大長編ものはその半分以下の量で済む内容を水ぶくれさせているだけに思えます。松本清張といえども、大長編は凡作だ。「砂の器」などは、原作よりも映画の方が出来映えが遥かに上だ。

東野圭吾…私が高校生の頃からずっと愛読していました。講談社文庫の「卒業」「放課後」「学生街の殺人」などの「学園もの」に魅了されて。以後、「片想い」「白夜」「秘密」「トキオ」と次第に長編傾向になっても面白くて読み続けましたが、「容疑者Xの献身」でついに疲れてやめた。東野圭吾の作品が劣化したからではなく、単に私の方が飽きたのです。それに、東野圭吾は多作なので追い付けない。私の関心や好みが他に増えた、という理由もあります。



【期待を裏切らなかったミステリー本】
ジェフリー・ディーヴァー「スキン・コレクター」…評価→上の下。
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最初に「静寂の叫び」を読んで、ギャッボン!と驚かされ、次に「ボーン・コレクター」を読んで、アギャーン!とノックアウトされて以来、ディーヴァーのファンになっています。リンカーン・ライムシリーズはほとんど全て読みましたが、どれも満足。「スキン・コレクター」も内容の密度や展開の面白さ、知的好奇心を刺激してくれる点で期待を裏切りませんでした。かなりの長編ですし、筆致が細かいので読む人によってはウザイと思うかもしれませんが、私には面白いです。リンカーン・ライムと公私とも良きパートナーであるアメリア・ドナヒュー巡査とのコンビも相変わらず良い。

以前に、ミステリー短編集の「クリスマス・プレゼント」を読みましたが、こちらも高質な短編が目白押しで満足度は高かったです。ジェフリー・ディーヴァーはミステリーの天才じゃないかしら?誉め過ぎかな。

桜木紫乃「硝子の葦」「無垢の領域」(新潮文庫)…評価→中の上。
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桜木紫乃の顔写真を見て、「あ、桐野夏生に似ている」と思いました。良く見るとまったく違うのですが、お二人とも非常に理知的な女性という印象です。で、理知的な女性の小説はえてして暗いんですよ。桐野夏生がまさにそうでして、「柔らかな頬」「グロテスク」「OUT」と読んで、タッチがどうにも暗くてこれ以上は読む気が失せました。

で、上記の2作もタッチが暗いのですが、何でもないような箇所にハッとさせられる感性の鋭さと文章の上手さがあり読ませます。おそらく何度も推敲を重ね完成度を高めた小説と思います。さほど長編でないのも疲れなくて良い。
たとえば、「無垢の領域」では、
「…突き放しているわけでも、諦めているわけでもない。怜子自身は、自分がそうした生活に対する女性的な細やかさを持っていないせいだと思っている。秋津母子の生活を支えていることも、彼の妻という立場も、どこか他人事のように感じている。一緒に暮らす人間に抱く距離を、最近は縮めようと思わなくなった…」
のように。

桜木紫乃は不思議な魅力がありそうです。また機会を見て他の作品も読んでみたい。

shige様ご推奨?の小泉喜美子「弁護側の証人」(集英社文庫)…評価→中の上。
なんせ、今から五十年以上も前に書かれたミステリーなので、内容的にやや古めかしさを感じます。使われたトリックも。しかし、これはミステリーの古典として楽しめば良いのです。

その上で、小泉喜美子独特のエモーショナルな文章のタッチを味わい、楽しもう。トリックは…秘密ネ。
これ以上はネタバレになるのでよすわ。


【今もオサラバ出来ないミステリー作家】
松本清張…初期の頃の短編や、「黒い画集」の中編は今も手元にあり、再読すると改めて面白い発見があります。短編の「声」ななどは、もしかすると、横山秀夫の短編、「顔」に影響を与えているんじゃないかしら?

梓林太郎…マイナーな方の作家かもしれませんし、トリックなど取り立ててどうってこともないのですが、川を題材にした「茶屋次郎シリーズ」を楽しんでいます。「多摩川殺人事件」「信濃川殺人事件」「隅田川殺人事件」など。海や山を題材にしたミステリーは珍しくないですが、川は珍しい。

川を河口から源流まで辿る旅は好奇心を刺激しますし、ロマンティックです。若いころに私ですら、不完全ですが、多摩川と信濃川(千曲川)については、河口から源流近くまで、断続的な遡行ではあっても、試みたことがあります。電車やバスやレンタカーを使って、ズルをしていますが(^_^;)。

「茶屋次郎シリーズ」は時々テレビドラマ化され、ベテラン俳優の橋爪功さんが良い味を出していますね。

山村美沙…京都に住んでいた作家で、京都を舞台にしたミステリーが多いですね。私はどうも京都ものには目が無いです。「舞妓シリーズ」とか。今でも中古本屋で山村美沙の「京都もの」を見つけると、つい買ってしまいます。で、山村美沙のトリックは、そんなにバカにしたものでもありません。


【読む度に、評価が上昇するミステリー作家】
新田次郎…エッ?新田次郎はミステリーも書いていたの?ですか。そうなんです。「山岳ミステリー」です。松本清張の「黒い画集」に「遭難」という北アルプスを舞台にしたミステリーがあります。これはたぶん、山岳ミステリーに先鞭をつけたものだと思います。さすがは松本清張です。

新田次郎は読む度にますます好きになって来ます。

山岳小説と山岳ミステリーについては、別途あらためて記事にする予定です。




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慈善・偽善と意地悪の関係についての愚見




「寄付する芸能人へのバッシング 日米文化の違いから解読」 NEWSポストセブン4月29日(金)

(引用開始)…熊本地震の被災地を支援する芸能人に対し、ネット上でしばしば「売名」だという批判が出る。しかし、寄付が一般的になっているアメリカではそのような批判は少ないという。日米の文化に造詣が深い映画評論家の町山智浩氏が指摘する。

「『寄付大国』と呼ばれるアメリカと比べると興味深い。アメリカ人は“寄付は税金対策の選択肢”と考えています。自分が稼いだお金を税金でとられて、何に使われるのかわからないぐらいなら、自分が支援したいところに直接お金を出したほうがいいと考えているわけです。だから、売名が目的ではないし、寄付をした人が偉いというわけではない。それは税金対策で、自分の好きなことにお金を使っているわけですから。一方で、日本では寄付を“施し”であると受け取る感覚が強い」

寄付を“施し”と捉えると、「上下関係」ができる。寄付する側が偉くて、寄付される側が一段低いというイメージ。だから、若い世代、とくに「若い女性」が寄付をすると、“何を偉そうに”と思われ、炎上を招きやすいのかもしれない。たとえば、500万2000円を寄付し、インスタグラムに振込明細の写真を公開した紗栄子(29才)の例などはそうだし、2013年9月に益若つばさ(30才)が「東日本大震災を風化させたくない」とフリーマーケットの売り上げを日本赤十字に寄付したときも、大きなバッシングが起きた。

「たしかに、アメリカでは有名人自ら“いくら寄付した”と公表することは少ない。多いのは、チャリティー団体の発表で判明するケースです。団体にとってはさらなる寄付を受けるいい宣伝になるし、有名人自身も発表自体を嫌がることはありません」(町山氏)

日本の場合、寄付を受けた団体が大口の寄付者を公表するケースは稀だ。だから、有名人がいくら高額寄付をしていても、その多くは表に出ることはない。だから、一部で寄付を公表した芸能人がいると、逆に目立ってしまう。コラムニストの小田嶋隆氏が言う。

「有名人の社会的役割というのは、寄付したことを公表することにあると思います。ハリウッドセレブは目立つように寄付するじゃないですか。個人としての売名もあるかもしれませんが、社会における役割として、ボランティア活動や寄付をしているのだと思います」

そもそも海外に比べ、日本人には寄付文化が根付いていないといえる。日本人が1年間で「寄付」に使う金額全体は2009年の約1.1兆円から、2011年の東日本大震災を経て、2012年の約1.4兆円まで増えている。それでもアメリカは27.2兆円(2012年)で、1人当たりの平均寄付額は日本の11倍を超える…(引用終わり)。



この件については、私は以前に「NHK総合テレビ『浅田真央 被災地への旅』をどう思うか?」の記事で触れたことがありますので、興味のある方は参照下さい。

確かに、バッシングはダメです。

が、「インスタグラムに振込明細の写真を公開」の例は、いくらなんでもやり過ぎでしょう。売名行為と批判されても仕方が無いと思います。「気の毒な人達を自分の宣伝に使いやがって!」と。

しかし、“何を偉そうに”については、私はちょっと違うと思います。

人が何かに陶酔していたり、自分を自慢したり、偽善的な言動をしているのを見ると、

私は、“鼻持ちならない”と感じることがあります。

自分は絶対に正しいとして、独善的な正義感を振り回す人に対しても同じ心理になります。

それらが目に余ると、チョイとばかり意地悪してやろうか、と思ったりもします。

これも前に書いたことがありますが、とあるスナックで、自分がイケメンで女性にモテることを鼻にかけ、一流大学を卒業していることを自慢している男性がいました。他にこれといった女性が近くにいなかった為か、隣の友人に続いて私なんかにも言い寄って来ましたが、「あなたとはお話する気は全くありません」と冷たくバッサリと断った。ザマーミロ!

これも書いた覚えがありますが、職場に自分が美人で優秀な社員であることを鼻にかけている女性がいました。エルメスだかシャネルだかの一流ブランドに勤めていたことも自慢で、そのエレガントなる経歴に自己陶酔しているのが分かりました。実際、仕事は優秀なので私も一目置いていましたが、自己陶酔ぶりが目に余ることがあり、けッ!と思っていました(^_^;)

ある日、その女性が「あら?にわか雨だわ。カミナリウになりそうですね」とエレガントな口調で言った。
私はケラケラと笑いがこみ上げるのを我慢出来ず、しかも、「それは、ひょっとして、ライウ(雷雨)のことではありませんか?」と、揚げ足取りの嫌味を言った。ザマーミロ。

エッ?片割月は性格が悪い。僻んでいるんだろう。もっと素直になれ。ですか?

そうかもしれない。しかし、意地悪とか嫌がらせというのは、一種の批評精神に通じることもありますよ。

ほら、長谷川町子の4コマ漫画作品『いじわるばあさん』があるじゃないですか。それと似ていますよ。この漫画が人気を博した理由の一つは、「いじわる」に批評精神があったからですよ。

一つ覚えている例は、赤線廃止を訴える集会(古いね)があり、いじわるばあさんも参加していた。で、主賓の挨拶の前に、いじわるばあさんがマイクテストをすることになった。そこで彼女はマイクで「あ~、あ~、これでは男はやりきれまい」と言ったのです。周りの女性運動家達の困惑した表情!笑ったわ。

まあ、「赤線廃止を訴える私たちは正義です!」を絵に描いたような女性運動家の自己陶酔ぶりに、水をかけてやりたくなった心理があったのだと思います。


ところで、コラムニストの小田嶋氏のコメントは少しズレているように思います。

「有名人」もケースバイケースかと。

有名アスリートが寄付を公表しても、ほとんど批判されることはありません。何故なら、そのことと自分の競技上のメリットとは関係が無いからですね。

有名芸能人の場合は名前を出すこと自体が商売上のメリットに直接繋がりますので、批判を受けやすいのね。

有名政治家の場合は…バカバカしくて最初から批判する気にもならない。



宇野昌磨選手の4FがISU公式大会で史上初と認定される!




       「宇野の得点は非公認 4回転フリップは初と認定」

(引用開始)…国際スケート連盟(ISU)の広報担当者は25日、フィギュアの北米・欧州・アジアによる3大陸対抗戦「コーセー・チームチャレンジカップ」でマークした得点は自己記録やシーズン記録として扱わないとの見解を示した。

男子の宇野昌磨(中京大)が成功させた4回転フリップジャンプはISU公認大会で史上初と認定したが、ショートプログラム(SP)とフリーで出した自己ベストを上回る得点は非公認となる…(引用終わり)。(共同) 2016年4月25日


宇野選手、おめでとうございます!p(*^-^*)q

ムロズ選手の単独4Lz、ジン選手の4Lz-3Tと並ぶ歴史的快挙ですね(●^o^●) 

動画の方はセルフサービスでお願いします。

残るは4Loと4Aか。4Loは来季、羽生選手が成功させる可能性が高いでしょう。

それにしても、今季シニアデビューして華々しい活躍をした二人のスケーター、宇野選手とメドベデワ選手には共通した特長があるように思います。

とにかく、フィギュア的な意味において、極めて器用で芸達者ということかな。いわゆる、スジが良い。

何でもござれだ。

18才や16才で、世界を驚嘆させる技量を持っている。

宇野選手の4Fは一部報道によると、わずか二ヶ月かそこらの練習期間だったとか。驚き。

さらに練習を積めば、加点の貰える質の良い4Fを跳べるようになるのでしょうね。

怪我にはご用心を!!

それにしても、男子シングル界は、刺激が多過ぎます♪───O(≧∇≦)O────♪

選手達にとっても、ファンにとっても。


BABYMETALとは何?







屁糞臭立大学の穴丸運子講師は、ここ最近、日本のみならずアメリカやイギリスでも人気急上昇中のロックグループ、ベイビーメタルをつぎのように語った。

…このグループがロックの本場、アメリカやイギリスでウケまくっているようですが、それは商売戦略の勝利と言えましょう。まず、グループ名のベイビーメタルはヘビメタのシャレです。ヘビ(蛇)とベイビー(赤子)の対照がシュールです。

次に、「ギブミー・チョコレート」という歌ですが、これは終戦直後に日本の子供達が「ギブミー・チョコレート!」と言って、アメリカ進駐軍の兵隊に群がっていた史実を逆手に取ったのが上手い。ノスタルジアを感じさせる劇場演出の勝利です。

第三に、グロテスクなメイクとコスチュームの腕利きロックバンドを後ろに、AKB48的アイドル系コスチュームの女の子3人を前に配した非対称的対照がファンタスティックです。キッチュな手法の勝利です。未成年の女子3人が可愛げに踊る姿は日本が誇るアニメ文化の世界にも通じます。これもまた米英のロックファンにウケるのです。ズッキュンだ!。

第四に、このロック音楽は極めて単純なヘビメタのダダダのリズムの繰り返しと、口当たりの良いJ-POP的歌い回しの融合と言えます。まさしく、この簡素系単純わびさび型のロックはベイビーなのですね。ゴテゴテとバロックに凝り過ぎたロックに飽きていた米英のロックファンには日本文化の香りすら感じるベイビーメタルに惹きこまれました。歌詞が日本語なのも幸いし、米英人には不思議なアトモスフィアを醸しだしております。ドッキュンだ!…。


この話を聞いていた高校の同級生の鼻糞真黒助さんが穴丸運子講師に、「ベイビーメタルのロックは好きですか?」と尋ねたところ、穴丸講師は以下のように答えたそうです。

…ヤダ、ヤダ、ヤダ、ヤダ、ネバー、ネバー、ネバーー!!


ベイビーメタルのロックに対し、穴丸講師のように、

目まいがする、と答えたアナタ…目は老化しています。
耳鳴りがする、と答えたアナタ…耳は退化しています。
頭が痛くなる、と答えたアナタ…感性は劣化しています。

穴丸運子とはむろん、片割月のことであった。



2016世界フィギュアスケート選手権・愚見を少々




世界選手権のフリーは、どれも見応え十分で、私はすっかり堪能いたしました。

【アイスダンスはパパダキス・シゼロン組の時代か?】
素人の目には各アイスダンサーの技量を判断すのはシングルのスケーターのそれよりも遥かに難しいと思います。その理由はアイスダンスがシングル競技よりも専門性が高いからです。以前に、アイスダンスを五輪競技から外すことも検討されたとかの話もその辺に由来するのでしょう。

それでも熱心なフィギュアスケートファンであればフランスのパパダキス・シゼロン組のスケートスキルが尋常なものでは無いと分かります。ひと蹴りの伸びの大きさや深いエッジワークからのスピードコントロール。そこから繰り出す演技の展開は他の組とはスケールが違う。シングル競技で言えば、パトリック・チャン選手やカロリーナ・コストナー選手のスケートスキルに相当するのでしょう。

やはり、フィギュアスケートはスケーティングが基本なのですね。

もちろん、他のアイスダンサーたちもそれぞれ素晴らしい演技でファンの目を楽しませてくれました。アメリカのシブタニ組、チョク・ベイ組、カナダのウィーバー・ポジェ組、イタリアのカペ・ラノ組の演技も堪能いたしました。特に、私の好きなカナダのギルス・ポワリエ組のSD「ビートルズメドレー」は、「サージェント・ペパーズ」を模した衣装とユニークで独創的な振り付けで大いに楽しめました。また、カペ・ラノ組のFDのエンディングで見せた「コレオツイズル」は、如何にもツイズルを得意とするカップルならではの妙技に興奮させられました。※

前にも書きましたが、シングル競技のフリーでは「コレオスピン」を設けるべきです!!そうすれば、ユニークでクリエイティブなスピンが見られると思うのです!

現行ルールでのスピンは…細部においては選手毎の涙ぐましい程の工夫はありますが…どの選手のスピンも、特にレイバックやキャメルスピンではパターン化が著しく、スポーツとしての面白みに少し欠けるように思います。

結成1年の村元・リード組は15位と健闘しましたね。
正直、村元選手がこれほどアイスダンスに才能を発揮するとは想像もしていませんでした。なかなか強そうな気性の持ち主とお見受けしますが、リード選手より年下の村元選手の方が「姉御」って感じすら受けます(^_^;)。Jスポで解説していた国際ジャッジの滝野薫さんによれば、国際ジャッジ達の間でも評判が高いそうです。嬉しいですね。目標としていたSD60点越え・FD90点越えにはわずかに届きませんでしたが、将来が楽しみなカップルの誕生ですね。

滝野薫さんのアイスダンス解説は東野章子さんのとは別の味があります。

東野さんの方がルールの詳細やターンの技等について要領よく一つ一つ指摘してくれるようですが、少々玄人肌です。滝野さんは東野さんのような話の要領はイマイチですが、その分だけファン目線的な解説が多くて、これもまた楽しいですし、勉強にもなります。割と感激屋さんのようです。個々の技術よりも演技・プログラム全体のコンセプトからの解説が多く聞けて勉強になります。また、「ジャッジの本音」みたいな感想も漏らすので愉快。

その中でも、滝野さんが「ジャッジは選手を比較して採点はしていません。絶対評価ですから」と明言していたのは良いですね。つまり、旧採点法ではジャッジは順位をつけることを意識して採点・評価をしなればならなかったが、新採点法では順位は関係無く自由に採点が出来る、との説明がありました。フィギュアファンの中には「ジャッジの採点・評価は相対評価」との「誤った情報」を垂れ流している例が少なくないので、専門のジャッジのこうした解説は貴重です。

また、滝野さんは「素晴らしい技にはレベル4の四段階をレベル5の五段階に増やしたいくらい。実際、今、十段階に変える案もある」くらいのことを言っていました!私は賛成です。レベルだけではなく、GOEも段階を増やした方が良いのでは?PCSも検討の余地がありそうですが、これはなかなか難しいでしょうね。レベル判定もGOEもPCSも限度いっぱいになっています。

ロシアは女子シングルで旋風を巻き起こしています。この破竹の勢いは止まりそうにありません。ところが、何と!ペアとアイスダンスでは2大会続けてロシアはメダルはゼロ!フィギュア王国ロシアとしては屈辱以外の何物でもないでしょう。なかなか上手く行かないものですね。

ところで、アイスダンスで是非とも廃止して欲しいリフト技があります。
男子が女子のお尻の方から股ぐらに手を入れそのまま支えて回すリフト技ですが、見た目にも如何なものか。まあ、一瞬のことですが、スロー再生で見るとちょっとネ(^_^;)。

欧米人はああいうの変とは思わないのかしら?日本のカップルはこのリフト技はやらないでしょう。


【現在、男子シングルで最も強いスケーターは?それは、ハビエル・フェルナンデス選手だ】
羽生ファンから叱られるかもしれませんが。。。だって、フェルナンデス選手は世界選手権で2連覇したのですから。いかなる状況があるにせよ、最も大きな大会に照準を合わせて勝てる選手こそが最強と思います。

女子スキージャンプの最強選手は誰か?高梨沙羅さんにあらず、ドイツのカリーナ・フォークトさんです。何故なら、現五輪女王・現世界女王はフォークトさんだからです。それと同じことです。いくらワールドカップ戦で勝利を積み上げようとも、世界選手権や五輪で優勝しない限りは最強のジャンパーとは思いません。

言葉の遊びになるかもしれませんが、「一番実力がある者」と「一番強い者」とは必ずしもイコールではないのです。

さりながら、羽生選手と宇野選手が頑張ったお陰で日本男子は3枠を取り戻しました!ありがとう!

ロシア男子は期待されたコフトゥン選手が何故か大不調。どうも伸び悩んでいる様子です。ガチンスキー選手と同じ運命を辿るのかとの不安が出て来ました。しかし、若手にはコリヤダ選手やジュニアのアリエフ選手のようなウェルバランス型の良いスケーターが出てきていますね。将来的にはアメリカ男子よりも上に行くような予感がします。


【日本女子シングル界の総合力はロシア・アメリカに次ぐ3位の位置に下がったか?】
いや、宮原さんも本郷さんも浅田さんもそれぞれ素晴らしい演技をしました!それは間違いありません!3枠も死守しました。日本の3選手は押しも押されぬ世界のトップスケーターです!文句をつけたらバチがあたります!

しかし、現実は現実です。日本の実力が下がったというよりも、ロシアが強くなり過ぎたのです。これは非常に大ざっぱで粗雑な意見かもしれませんが、日本女子は伊藤みどりさんの活躍からほぼずーっと、ジャンプ力の優位性が強みでした。荒川静香さんだって全盛期はジャンプが強みだったのです。仮にスピンやステップや表現力では欧米に劣るとしても、得点力の高いジャンプにおいて日本女子は世界をリードして来ました!全盛期の安藤美姫さんも浅田真央さんも!

が、今や日本女子のジャンプの優位性は失われました。ロシアもアメリカもジャンプで日本女子に劣るどころか、ジャンプの難度・質・安定性のいずれにおいても同等もしくはそれ以上になりました。こうなりますと、体型・体格・体力・パワーという点で欧米にやや劣る日本女子は苦しくなります。特に、スピン技は明らかに劣る。表現性は欧米に劣ることは無くても優ることも無い。

私は少し「自虐的」になっているのでしょうか?今までの日本女子が凄かったのかもしれませんね。荒川さんや安藤さんや浅田さんクラスの才能がそう上手い具合にいつも出現するハズも無いのでしょう。

もちろん、将来の予測など神様でも無い限り誰も分からないし、日本女子の若手にも優れた才能が育っています。トリプルアクセルを跳べる日本女子選手が新しく現れることを期待しますが…実際には大変なことですよね。伊藤みどりさんだって3Aの肉体的負担は大変だったそうですし、浅田選手も苦労しています。トゥクタミシェワ選手も同様。怪我の危険もある。


それにしても…総合得点で200点越えした浅田さんが7位とは、恐ろしい時代になったものです。昨年の世界選手権なら悠々2位の得点が今年は7位なんですから。もちろん、ルールが絶えず変わり、GOEやPCSの採点傾向も変わり、ジャッジが異なる大会の得点を比較しても仕方ないとは知っています。が、それにしてもです。当面は突破不可能と思っていたキム・ヨナさんのフリーの最高得点を若干16才のメドベージェワ選手がまさか成し遂げるとは!もちろん、それにふさわしい素晴らしい演技でした。高橋大輔さんが言っていたように「文句の付けようが無い」演技と思います。

特に、メドベージェワ選手のフリープログラムは「ハマりプロ」ですね。冒頭の振り付けから彼女の世界に入って行きます。ちょうと、リプニツカヤ選手のソチ五輪時期のプログラムがそうであったように!

私のお気に入りのポゴリラヤ選手が3位表彰台を射止めたのは嬉しいです。振り付けとしてはフリーよりもショートの方が彼女の「ドヤ顔系」演技にピッタリな感じがして好きです。競争厳しく入れ替わりの激しいロシア女子にあって、ポゴリラヤ選手だけが3大会連続して世界選手権に出場しているのですから、このこと自体が凄い。強いですよね。

ラジオノワ選手も強いですね。ある意味、羽生選手みたいな感じも。絶対に決めてやる!絶対にミスはしない!と言わんばかりの根性が目に見えるような演技スタイルが。少しパンツが「食い込み過ぎ」では?(^_^;)

ゴールド選手は(T_T)。残念無念。メンタル?優勝を意識して緊張したか。
フリー冒頭の3Lz-3Tでセカンドの3Tのコケ方を見て改めて思ったのは…前にも書いたことがありますが…彼女は脚力は強いけど、膝や足首の柔軟性・粘りに欠けるのではないかと。硬いのかな?これがワグナー選手やラジオノワ選手だったら、何とか3Tを根性降りしたと思うのです。ゴールド選手はゾーンに入れば破壊力のある凄いジャンプを決めますが、そのゾーンが狭いのではないでしょうか?必ずしもメンタルに原因があるとは言いきれないように思います。

ワグナー選手、銀メダルおめでとうございます!
ワグナー選手は毎年見る度に素敵なスケーターだ、と新たに発見することが多いのですが、今回の演技を見てすっかり魅了されました!演技そのものだけではなく、24才にして進化を続けるその努力と根性が見えて来るようで頭が下がります。表現力も素敵ですが、特にジャンプに切れがありましたよね。これって、凄いことだと思います。


【もう、いい加減、地元アゲと言うな!】
「敵側?」のロシア女子選手たちの高い得点の出方を見れば、地元アメリカ有利な判定・採点なんぞ有りはしません。おそらく、ゴールド選手のショートでの単独3Fの怪しい?エッジがオッケーだったことでアメリカ有利と言う人もいたのでしょう。

「ある」との証明が不可能で、なおかつ、「無い」との反証も不可能な出来事でガタガタ言うのは不毛な議論だ。審判の目と判断を信頼してフィギュアを観戦するしかないのです。疑問に思うまでは良いが、そこから先は全て中味の無い憶測に過ぎません。メドベージェワ選手の凄い高得点に疑問を抱くのは良いが、その先は意味が無い。素人の付け焼刃の知識と生兵法でジャッジや選手を断罪するような言説は全てゴミ箱に捨てるべきガラクタに過ぎません。


【浅田真央が平昌五輪を目指して現役続行を宣言】
ファンとしては嬉しいです。が、厳しい戦いになるでしょうね。平昌五輪に出場出来るかどうかは五分五分か。若手の本田真凜選手や樋口新葉選手等の成長によってはネ。

浅田選手は…私の独断ですが…コストナー選手、ヨナさんに次ぐ素晴らしいスケーティングの持ち主です。しかし、ジャンプの不安定性、ルッツのエッジエラー、そして何よりも回転不足の課題はバンクーバー五輪時期から現在までずっと克服出来ていません。浅田選手がショートとフリーの両方でノーミスの演技をしたのを見たことがありません。今や、ロシア女子を中心にノーミス演技が珍しくない状況にあっては、浅田選手は非常に苦しいでしょうね。

それかあらぬか、ファンの中にはコーチを変えて欲しい、ジャンプ専門のコーチを付けて欲しい、ローリー・ニコルのプロばかりでは変わり映えがしない。振付師を変えて欲しい、と望む声が少なくない。私もそう思います。コーチを変えなくても良いが、短期間だけでもロシアか北米に行って、他のコーチや振付師の指導を受けることがあってもいいのにと思う。

浅田選手の演技が見られるだけでも幸せかもしれませんが、競技に出る以上は強い浅田選手の姿を見たいというのが私の本音です。いや、多くのファンの本音でしょう。

私の想像ですが、熱烈なファンはファンレターの中でそのような希望も書いている例もあるでしょうね。で、浅田選手もファンの希望がどこにあるか、知ってはいるのでしょうね。

しかし、おそらく、浅田選手はファンの希望とは逆を行くのでしょう。良くも悪くもそれが浅田選手の持ち味、個性だ。先日、浅田選手が「フリーの『蝶々夫人』を来季も続けようかとも考えている」と言っていたのを見て、私はズッコケました。「それだけはやめて~!新しいフリープログラムにしてよ~!」と、声に出しそうになったくらいです。「蝶々夫人」は良いプログラムとは思いますが、名プログラムとまで思うファンは少ないのでは?

しかし、浅田選手は「蝶々夫人」をとても気に入っているらしい。また、このプログラムで自分が満足出来るまでの演技がまだ出来ていない、やり残しているものがある、との思いもあるらしい。

過去に「愛の夢」を2シーズン続けた例があるしネ。結果はイマイチと思ったが。

前にも書きましたが、浅田選手の内なる心の本能的な判断・決断や物事の優先順位は、ファンの想像の及ばないものがあるようです。当たり前のことですが、浅田選手の好きなようにやって貰うしかありません。




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片割月

Author:片割月
和歌を愛し、音楽を愛し、花を愛し、フィギュアスケートが大好きで、歴史・社会・文学が大好きで、ジョン・レノン、八代亜紀、ちあきなおみが大好きで、クリント・イーストウッドと映画も好きで、皮肉とユーモアも好きな変わり者アラフォー熟女ですが、よろしくお願いします。
最近は体力をつける為に、休みの日はえっちらおっちらとミニハイキングに勤しんでいます。

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