「愛国心」について思うこと





「自分が生まれ育った国を愛することは良いことだし、大切なことよね。愛国心の何が悪いっていうの?」と、正面切って言われますと、「あ、ううん、そうね。」と口にしてしまいそうです。

ただ、私は「愛国心」という言葉には、感覚的にも論理的にも、どうしても抵抗感といいますか、割り切れないものを感じてしまいます。

それは、「愛国心」を声高に叫ぶ政治家や論者たちの心の裏には、他民族や少数民族に対する憎悪や蔑視、排外性という澱のようなものが底に沈殿しているのを見るからかもしれません。

さらに、ことさら敵だとか戦争の脅威を煽り、好戦的な気分を盛り立てようとする意図を感じてしまうからかもしれません。

安倍首相の「美しい国へ」の中には、郷土愛から愛国心を涵養する意義を説いている箇所があります。安倍首相に限らず、こういう主張をする論者がいます。しかも、政府では子供の義務教育過程の教科に「愛国心」を入れる方向で論議もされているらしい。

私は東京育ちだからでしょうか?郷土愛、と言われてもピンと来ないんですよね。まあ、便利と言えば便利な都会ですが、空気は汚いし、朝のラッシュにはウンザリしますし、やかましい騒音や音楽が絶えない街に疲れたりもします。美しい山河のある街や空気が綺麗で静かな村が羨ましいと思うし、奈良や京都のような歴史のある街に住めたらいいなあ、とも思います。すると、私は郷土愛に欠ける「欠陥人間」とみなされるのでしょうか。

片や、自分の生まれ育った県や街を愛し、自慢する人もいます。羨ましく思います。が、どことなく抵抗感も覚えます。

「愛国心」ですか…あるような、無いような。そもそも、私は外国に行ったことも住んだこともないので、「やはり日本は良い国だ」と比較するような体験がありません。メディアによる情報や本で得た知識だけでは限界があります。素朴に、日本は良い国だと思ったり、嫌な国だなと思ったり。特別日本が他国よりも優れているわけでもなければ、劣っているわけでもないんでしょう。分からないけどね。そのくらいの意識でしょうか。

大逆事件(冤罪ですけど)で処刑された幸徳秋水は、著書の「帝国主義」で、「愛国心は郷土愛に似たり。故郷を愛するの心は貴ぶべし。しかれどもまた甚だ卑しむべき者あり」として、郷土愛が他郷への憎悪とセットになっていること、それが愛国心=他国への憎悪、と同質の卑しむべき性質があることを鋭く指摘し、「愛国心」と「軍国・帝国主義」の親和性への警鐘を鳴らしていました。1901年に発行されたこの著書は、110年後の「美しい国へ」の危険性を見事に予言しています。秋水の恐るべき慧眼と言えましょう。安倍首相はたぶん、「帝国主義」など読んでいないでしょうね。

幸徳秋水の「帝国主義」について、一度記事にしたことがあります。→ここです

ちなみに、秋水は親友の堺利彦と共に平民社を立ち上げ、平民新聞を発行しました。日露戦争反対の論陣を張り、世が好戦の毒酒に酔い、浮誇浅薄な忠君愛国の狂熱が国民の理性と道義を麻痺させている時に、大胆にも非戦論を唱えました。すると、「露探(ロシアの工作員という意味らしい)!」と罵られ、「ニコライの門番となれ!」と嘲られました。これは今でも同じ現象が見られますね。私たち日本人は明治時代の意識から進歩が全く無いのかとすら思えます。

ところで、時代は違えども、社会主義者・無政府主義者であった秋水とは真逆の立場にあり、昭和の右翼の象徴とも言われた三島由紀夫は、愛国心について、以下の言葉を残しています。

(引用開始)…実は私は「愛国心」といふ言葉があまり好きではない。
何となく「愛妻家」といふ言葉に似た、背中のゾッとするやうな感じをおぼえる。この、好かない、といふ意味は、一部の神経質な人たちが愛国心といふ言葉から感じる政治的アレルギーの症状とは、また少しちがつてゐる。
ただ何となく虫が好かず、さういふ言葉には、できることならソッポを向いてゐたいのである。

この言葉には官製のにほひがする。また、言葉としての由緒ややさしさがない。どことなく押しつけがましい。
反感を買ふのももつともだと思はれるものが、その底に揺曳してゐる。

では、どういふ言葉が好きなのかときかれると、去就に迷ふのである。愛国心の「愛」の字が私はきらひである。
自分がのがれやうもなく国の内部にゐて、国の一員であるにもかかはらず、その国といふものを向う側に対象に置いて、わざわざそれを愛するといふのが、わざとらしくてきらひである。
もしわれわれが国家を超越してゐて、国といふものをあたかも愛玩物のやうに、狆か、それともセーブル焼の花瓶のやうに、愛するといふのなら、筋が通る。それなら本筋の「愛国心」といふものである。

また、愛といふ言葉は、日本語ではなくて、多分キリスト教から来たものであらう。
日本語としては「恋」で十分であり、日本人の情緒的表現の最高のものは「恋」であつて、「愛」ではない。
もしキリスト教的な愛であるなら、その愛は無限低無条件でなければならない。従つて、「人類愛」といふのなら多少筋が通るが、「愛国心」といふのは筋が通らない。なぜなら愛国心とは、国境を以て閉ざされた愛だからである。

だから恋のはうが愛よりせまい、といふのはキリスト教徒の言ひ草で、恋のはうは限定性個別性具体性の裡にしか、理想と普遍を発見しない特殊な感情であるが、「愛」とはそれが逆様になつた形をしてゐるだけである。

ふたたび愛国心の問題にかへると、愛国心は国境を以て閉ざされた愛が、「愛」といふ言葉で普遍的な擬装をしてゐて、それがただちに人類愛につながつたり、アメリカ人もフランス人も日本人も愛国心においては変りがない、といふ風に大ざつぱに普遍化されたりする。

これはどうもをかしい。もし愛国心が国境のところで終るものならば、それぞれの国の愛国心は、人類普遍の感情に基づくものではなくて、辛うじて類推で結びつくものだと言はなくてはならぬ。アメリカ人の愛国心と日本人の愛国心が全く同種のものならば、何だつて日米戦争が起つたのであらう。「愛国心」といふ言葉は、この種の陥穽を含んでゐる。
(中略)
日本のやうな国には、愛国心などといふ言葉はそぐはないのではないか。すつかり藤猛にお株をとられてしまつたが、「大和魂」で十分ではないか…(引用終わり)。

三島由紀夫「愛国心」より


「官製のにほいがする」「やさしさがない」「どことなく押し付けがましい」…私も三島由紀夫の感性に共感出来ます。サヨクの幸徳秋水とウヨクの三島由紀夫が揃って「愛国心」に批判的なのが面白い。

会社のミーティングか何かで、社長や上司から、「君たちには愛社精神が欠けとる」と言われると、ケッ!アホくさ、と思うよね。そっぽを向きたくなりますね。三島由紀夫の見解は、それと近い心理でしょうか。

私が「愛国心」に抵抗を覚えるのは、日本を愛する=日本の歴史や文化、民族性の偉大さ、優秀性を愛することであると、国士無双な顔して、一気通貫的に語る政治家や論者が少なくないからでしょう。従って、日本の歴史や伝統を否定するような「輩」は「自虐史観」の持ち主であり、「反日」であり、昔の言い方であれば「非国民」との烙印を押されるのかと不安になってきます。「愛国心」は「憎悪」だけではなく、「排他性」や「独善性」とも親和性が強いように思えてしまいます。

例えば、私は「天皇制」や「元号制」は廃止した方が良いと思っています。詳しい理由は省略します。一つだけ理由を言いますと、天皇家が気の毒と思うからです。しかし、もう、これだけで私は「愛国心」が無いとみなされるのでしょうね。

昭和史を専門に研究している保阪正康氏は「論座・2006年5月号 あやうい保守言論の内実」の中で、こんな体験談を語っています。(保坂氏はサヨクでもウヨクでもなく、どちらか言えば穏当な識者です)

「(引用開始)…大学生相手の講演や市民を対象にした文化講座で昭和史を論じることがあるのだが、質問の折などに『先生の考えは自虐史観ですね』と乱暴に決め付ける者が出てきたのである。私は『自虐史観』という語が一般に用いられているとは知らなかった。なんとも不快なニュアンスの伴う語であり、こういう語を平然と口にするその感性にも驚かされた…中略…戦後六十余年の言論や歴史観をすべて自虐史観とか東京裁判史観であると片づけて、新たなナショナリズム主導の歴史を説いている論者が少なく無いということだろう…(引用終わり)。

8年前に保坂氏が指摘した傾向は、今はもっと強く、激しく、そして、憎悪に満ちているのではないでしょうか。

「憎悪」や「排他性」を伴わない健全?な「愛国心」を涵養したいのであれば、教科書ではダメよ。私だったら次の歌を音楽の時間の必須項目に入れるでしょう。サヨクからもウヨクからも愛好されたという珍しい歌です。

「君の祖国を」の動画→ここです

「君の祖国を」の歌詞

作詞:藤田敏雄
作曲:いずみたく


もう一度 よく見てほしい
この国を よく見てほしい
さあ君の小さな その目で
君が生まれた この国を


いつまでも 見つめてほしい
この国を 見つめてほしい
きょうもまた 空の見えない
いつも曇った この国を


わすれずに うたってほしい
このうたを うたってほしい
たのむから どんなときでも
わたしのいのちが 終るとも


君だけは 愛してほしい
この国を 愛してほしい
なぜか今 祖国とさえも
だれも呼ばない この国を


歌詞の1番と2番はサヨク好みでしょうか。「いつも曇った この国を」は単なる詩的な比喩だけではなく、1960年代に深刻化した公害問題をも指しているとも言われます。工場の煙突から猛烈な勢いで吐き出される有毒の煙で空は汚れ、四日市とか川崎では人的被害も甚大でした。

歌詞の4番はズバリ、ウヨク好みでしょう。3番の「わたしのいのちが 終わるとも」のメンタリティーもウヨク好みか。「この国を愛してほしい」の歌詞に押し付けがましさを感じない。歌の力は凄いです。

つまり、実に良くバランス?のとれた歌と思います。左右の偏りが無い。

1974年の横須賀の中学校では、この歌が歌われていたんですね。さぞ、この中学校の生徒たちは健全な愛国心が涵養されたことでしょう。

私は学生時代、学習塾でアルバイトしている時に塾長からこの歌を教わりました。「どうだ、いい歌だろう?」と、ダークダックスが歌っているテープを何度も聞かされました。単純直截なタッチですが良い曲と思います。
子供の健全なる「愛国心」の養成は、これで十分よ(-^〇^-)。

☆2000年前に、イエス・キリストは「あなたがたも聞いているとおり、『隣人を愛し、敵を憎め』と命じられている。しかし、私は言っておく。敵を愛し、自分を迫害する者のために祈りなさい」と教えた。

やはり、キリストは凄いですよね。本当にキリストの言った言葉かどうかは不明ですが、それでも記録として残ったのは、当時の人々にとっても、キリストの教えがいかに衝撃的だったかの証なのでしょう。

しかし、残念なのは、キリストの教えを良く知っているはずの西洋人はおよそ2000年の間、敵を憎み、復習をし、殺し合いを続けて来ました。敵どころか隣人をも憎みました。せっかくのキリストの教えも役に立たなかったのでしょうか。そもそも、ローマ教皇からして「殺せ!」と命じていましたからね。

さすがに、もう、懲りましたでしょうか。いや、まだ。。。



FC2 Management

2014.08.21 | | コメント(14) | トラックバック(0) | 歴史・文化



2014アジアントロフィー・青木祐奈選手は注目のスケーターの一人





2014アジアントロフィーのリザルト→サイトはここです

(ノービス)青木祐奈(あおきゆな)選手のフリースケーティング「シェラザード」→動画はここです

青木選手についての記事→サイトはここです

技術点:52.70点
演技構成点:42.41点
計:95.11点

Elements 基礎点GOE 計
①3Lz+3Lo   11.10 0.70 11.80
②3S+2A+SEQ 6.00 1.40 7.40
③2A       3.30 1.00 4.30
④3Lz      6.00 0.93 6.93
⑤CCoSp3   3.00 0.67 3.67
⑥3F !      5.30 0.23 5.53
⑦3Lo      5.10 0.93 6.03
⑧StSq2    2.60 1.17 3.77
⑨FSSp3    2.60 0.67 3.27
   計    45.00 7.70 52.70

素晴らしい演技でした。まだ12才ですからこの先はどうなるか分かりませんが、将来が楽しみなスケーターですね。

選曲がSPはショパン「幻想即興曲」ですので、ショート、フリー共にオーソドックスなプログラムなのも好感が持てます。衣装もね。それに、手足が長くスタイルも良い。手~腕の使い方が美しくてノービス離れしています。ジャンプのランディングでの膝の使い方が柔らかそうです。3Tが1本も無い!3Lzと3Loが2本づつというジャンプ構成は強力。加点も高い。

フリーでノーミス。しかも、全ての要素に加点が付く例は、日本女子では非常に稀ではないでしょうか。しかも、ほぼ全てで加点も高いです。3Fに「!」が付いていますが、驚くことに加点が貰えています。

また、演技構成点も参加選手中の最高得点であり、本田真凛選手を上回っているのが凄いです。青木選手が全てにバランス良く成長している証拠でしょうね。ノービスでは「振り付け」の項目が無く、4項目なんですね。

動画では姿が一部切れていますが、3Lzー3Loを決めています!!オオッ、安藤美姫を受け継ぐスケーターが!(*^。^*)。

2Aでは羽生選手の3Aのように、左バックアウトからのカウンターターンから跳んでいます。流行するかな?

スピンは取り立てて特徴的な箇所が私の目には見当たりませんが、軸はしっかりしていそうです。ビールマンスピンが無いのはルール上の理由なのか、腰に負担がかかるので避けているのか分かりませんが、後者であれば賛成です。

ステップは上半身もよく動き、ターンはしっかり踏み、スケーティングもなかなかよく滑っているのではないでしょうか?

素人目には非常に総合バランスの良いスケーターに見えます。このまま上手く育ってくれると良いですね。

「祐奈」と書いて「ゆな」と読ませるのは強引だなあ(^_^;)。10人中10人が「ゆうな」と読むでしょう。

「祐」という漢字を「ゆ」と読む例は、私は寡聞にして知りません。ま、人の名前だから大きなお世話ですが。

「ゆな」を漢字変換すると、「由奈」「由那」等が出ます。

「湯女」もあるよ(-^〇^-)。


☆宇野昌磨選手が4Tを綺麗に決めたようですね!しかし、3Aは転倒や回転不足だったようです。4T成功は嬉しいのですが、3Aをしっかり克服して欲しいです。クリーンに決めた事が一度も無いのかな?どうか、3Aを!



2014.08.17 | | コメント(3) | トラックバック(0) | フィギュアスケート・大会



8月15日の敗戦記念日で思うこと





8月15日の「終戦記念日」とは欺瞞的な表現であり、正しくは「敗戦記念日」です。

先の「日中戦争・太平洋戦争」で300万以上の日本人が死んだという。このうち、軍人・軍属の死者はおよそ200万。昭和史を専門とする秦郁彦氏によるとこのうち約半数は「餓死」と推定されるようです。

確かに戦争による痛ましい犠牲者と思います。特に、軍部の愚かな戦略によって餓死した兵士はまさしく「野垂れ死に」であり、ニューギニア戦線における元兵士達の証言を読むと、涙と共に怒りを覚えます。鴻毛より軽い命としか、消耗品としかみなされなかった兵士達の悲しい最期。その一方で若い部下に「死ね!」と命じておきながら、自分はぬくぬくと戦後を生きた高級将校や軍指導者の醜い姿がありました。

しかし、北はアリューシャンから南の太平洋の島々では「バンザイ突撃」で全滅した兵士達の話とは別に、各島々にそれぞれ数百人前後、労働者として徴用された朝鮮人や中国人がいました。物資の補給などあてにならぬ南太平洋の絶海の孤島に好き好んで働きに行く人はいない。皆、強制、又は半強制的に配置されたのです。そして、彼等が建てた兵舎や地下陣地のお陰で日本軍はまだ何とか戦えたのでしょう。彼等も激戦の最中で多くが亡くなり、少数が捕虜となりました。

同じ戦争の犠牲者と言っても、日本人市民・日本兵士と、朝鮮人・中国人労働者とでは、問題の深刻さが違います。


先の大戦において、日本は被害者でもあり、加害者でもあることを私はしかと心に留めておきたい。

全国戦没者追悼式典の式辞で、昨年に続いて安倍首相は日本の加害責任に関しては一切述べなかったという。不戦の誓いもなかった。さもありなんと思います。この人は自著の「美しい国へ」を読んでみても分かりますが、人として根本的に非常な欠陥がある怖い政治家と私は思います。安倍首相は神風特攻で戦死(いや、死ねと命じられたようなものだ)した若者達を称えることはあっても、それ以外の事には全く無関心・無感動な歴史認識らしい。

だいぶ前の記事ですが、私は下記の石田氏の見解に共感します。
東大名誉教授・石田雄氏 「戦争に向かった戦前と似ている」
サイトはここです

(一部抜粋引用開始)――聞き手:しかし、命令する側は平気で「殺せ」というわけですね。憲法解釈を変えれば同じような境遇に自衛隊員も置かれる。殺される方もたまらないが殺す方も大変だ。そういう国に戻そうとしている安倍首相という政治家をどう見ていますか?

石田:自分よりも不利な人の立場で物事を考えられないのだと思います。他者感覚の欠落、共感能力の欠如というか、ずっとチヤホヤ育てられると、そうなっていくのかもしれません。

石田:デンマークの陸軍大将、フリッツ・ホルンは戦争絶滅法案なるものを提唱していて、開戦後10時間以内に元首、首相、閣僚、議員を最前線に行かせる。そういうことを決めれば戦争はなくなると言っています。そういう立場に立たされれば、積極的平和主義なんて、簡単に言えるわけがないのです――(引用終わり)。

――――――――――――――――――――――――

「華人(中国人)労務者内地移入ニ関スル件」…「労工狩り」「ウサギ狩り」による中国人強制連行に直結する政策を閣議決定した担当大臣、商工大臣は安倍首相の祖父である岸信介。A級戦犯容疑者に指名されましたが、連合国側の都合で運良く釈放された。

多くの中国人労働者を死なせる原因となった政策に直接関与した人間が釈放される一方で、捕虜を一人不当に殺しただけ(上官の命令で仕方なく行ったのだ・上官の命令は朕が命と叩き込まれた)で、死刑にされた日本軍兵士が何人もいました。いかなる組織や集団においても、上に甘く、下に厳しい、という不条理な現実は今でも形を変えて存在します。

「他者感覚が欠落する」安倍首相にとっては、祖父の名誉挽回?は是非とも実現したいであろう。

下記の記事での不破氏の意見にも私は共感します。

「安倍政治どうですか・異質さ、際立っている」:共産党前中央委員会議長・不破哲三氏(毎日新聞:8月17日)

(引用開始) −−戦後政治の中で安倍政権をどう位置づけますか。
 ◆「軍事、外交で米国の言いなり、経済で財界の言いなり」という自民党政治の流れにありながらも、極めて異質な政権だ。一つは、根底に大東亜戦争肯定論が牢固(ろうこ)としてある。それが憲法改定の怨念(おんねん)に結びつき、その怨念の底には明治憲法へのあこがれがある。もう一つは、いままでは財界本位の政治といっても、政治なりに色づけをしていた。池田(勇人元首相)さんの所得倍増計画や、田中(角栄元首相)さんの日本列島改造論など、国民の生活がこう変わるという主張があった。安倍(晋三首相)さんの場合、「大企業がもうかれば国民に流れる」というあまりに直球の話だ。財界の口移しのような言い方だ。昔の政治家はこんなことは言わなかった。

 −−その異質さはどこから来るのでしょうか。
 ◆昔の自民党には保守の良識派がいた。三角大福も方向は同じでも、みんな違いを持っていた。ところが安倍さんは自民党を一色にしてしまった。良識ある部分の居場所がない自民党にしてしまった。これが今の政界をおかしくしている。

 −−集団的自衛権の行使を容認する閣議決定も強引さが批判されました。
 ◆安倍さんは衆院選でも参院選でも集団的自衛権を訴えていない。そのうえで国会をとばして閣議決定した。選挙と国会をとばして憲法を変えようとする。ありえないことだ。今度の閣議決定のやり方は決定的だったと思う。保守層も含めた日本の世論を変えた。

 −−保守層とも協力できる部分はありますか。
 ◆安倍さんは特攻隊的な話ばかりする。でも自民党の古賀(誠元幹事長)さんは、参謀が補給の準備無しに机上の作戦で兵隊をばらまき、そのために兵隊が餓死したことを知っている。だから、戦争についての見方は我々と共通するところが出てくる。戦後の日本の政治についても、根本は侵略戦争への反省から成り立っているのだから、その部分で共通面が出てくる。日本の政治でいかに民主的なルールを踏みにじってはいけないかということも分かる。世論に背を向けてはいけないことも分かる。そういうことが保守の良識だ。

 −−国会で保守政治家と論戦を重ねました。
 ◆田中内閣での国会質問で「価格調査官(物価Gメン)」の問題点を指摘した時、田中さんは即断で改善を約束して実行した。当時の自民党の政治家は、のりしろというか、間違ったと分かれば手直しするゆとりもあったし、真剣さを持っていた。人間的に共通するところもあって仲良くもなれた。

 −−安倍さんはどうですか。
 ◆ゆとりがない。一歩でも譲ったら壊れるという感覚がある。集団的自衛権の論議も、貧弱な材料で本当に傷だらけの組み立てをしている。譲ったら全部壊れるからゆとりがないのでしょう…(引用終わり)。

再び主張しますが、安倍首相というのは非常に危険な政治家と思います。私のカンは結構当たるのよ<(`^´)>


日本海軍400時間の証言: 軍令部・参謀たちが語った敗戦 (新潮文庫)日本海軍400時間の証言: 軍令部・参謀たちが語った敗戦 (新潮文庫)
(2014/07/28)
NHKスペシャル取材班

商品詳細を見る


籾井氏や百田氏、長谷川氏のような「おトモダチ」が、NHKに安倍政権によって送り込まれています。安倍政権による日本の右傾化の現れであり、メディアコントロールを好む安倍首相の危険性を示すものだと思います。

しかし、NHKスペシャル「証言シリーズ:兵士達の戦争」や「日本海軍400時間の証言:軍令部・参謀たちが語った敗戦」など、非常に優れた番組もありました。こうした番組が消えてしまうか、骨抜きにされないことを願うばかりです。

「日本海軍400時間」が新潮文庫から出ています。最近の書店でいわゆる「ヘイト本」がやたら目立つようになりましたが、そうした中にあって、この本は優れた内容で光っていると思いました。

例えば、
①日本軍が、捕虜となったオーストラリア兵やスパイ容疑の現地住民を不当に処刑したとされる、インドネシアの「スラバヤ事件」では、BC級裁判において「責任を現場の実施部隊に押し付け、軍上層部の責任が問われないようにする」軍部の醜い姿が浮き彫りにされます。
②被害者のオーストラリア兵の遺族を訪ね、加害者としての日本をも取材。
③中国のサンソウ島において、日本軍が地元住民586名を虐殺した「サンソウ島事件」の調査と証言。これも加害者としての日本。

被害者としての日本だけではなく、加害者としての日本をも追求した高質な記録本です。

それと、先の大戦で日本はアメリカに負けたのだと思い、中国にも負けた事実を知らない人が結構いることに驚きます。知らないというより、認めたくないのかもしれませんが。

日中・太平洋戦争を美化し、合理化し、正当化する「歴史観」には私は反対です。

しかしながら、戦後生まれの私達が歴史の後事性の優位に立って、戦前の日本を一方的に裁き、当時の政治家や軍人はアホばかりであったかのように断罪することにも私は少々抵抗感を覚えます。詳細は省略しますが、優れた見識を持つ政治家や軍人もいたことは事実です。しかし、彼等は少数派でした。

天才と言われた参謀石原莞爾については評価は様々ですが、彼の「最終戦争論」を読みますと、当時の日本軍人としてはスケールの大きい見識の持ち主だったようです。しかし、関東軍を中心とする満州全土及び中国戦線へと「拡大・侵略路線」の道を開くきっかけとなった「張作霖爆破事件」の当事者としての責任は重大で、とても擁護出来ません。

作家や歌人等の文人達にも色々な葛藤もあれば、抵抗もあれば、世情に流されてゆく姿もありました。

与謝野晶子は日露戦争時には出兵する弟に「君死にたまうことなかれ」と詠いましたが、第二次世界大戦時には出兵する息子に、武人として思う存分戦って下さいと、まるで軍国の母のような和歌を残しています。 与謝野晶子の内面の変化がどのようにして起きたのでしょうか。

小説「破壊」で部落民問題を描いた島崎藤村は、東条英機の名前で出された「戦陣訓」の編集に参画しました。 幸か不幸か、藤村は日本の敗戦を見ることなく、1943年に亡くなりました。
「生きて虜囚の恥ずかしめを受けず」の為に、どれだけ多くの日本の兵士達が無駄死にし、どれだけ多くの捕虜が虐待・虐殺されたか、もしも藤村が知ったらどう思うでしょう?

数々の美しい詩や和歌、そして「砂山」などの童謡の作詞者としても活躍した北原白秋は、

「大東亜地図」という題名で(一部抜粋)、

  僕は塗る、塗りかへるんだ、点と線ばかりぢやないんだ。

  すばらしいの、何のつて、君、
  大東亜共栄圏なんだもの。

  僕の脳髄はそのまま地図なんだぜ、
  カナダだつて、スエズだつて、パナマだつて
  もうとうに塗りかへてるんだぜ。

と、侵略戦争のお先棒を担ぐような詩を残しています。 一流の詩人の作とは思えない酷い詩です。「…なんだもの」と、相田みつを風な語句には、じん麻疹が出そうになります。白秋はどんな理由や心境でこんな詩を書いたのでしょうか。

大日本帝国によって占領した国々の地図を赤く塗りつぶして喜ぶことは、当時の日本でよく行われていたようです。

もちろん、彼等は決してアホでも愚かでもありません。むしろ、当時の国民の平均値より知性も判断力も優っていたかもしれません。大真面目だった。それが日本の為に正しいと信じていたのでしょう。 あるいは、諸般の事情でどうしても断れなかったのかもしれませんが。

どうしてこういうことになるのか?何故?

1868年の明治維新に始まる日本の目覚しい近代化の結末が1945年の敗戦、というのでは、あまりに切ないです。

「終戦記念日」という名の「敗戦記念日」に考えてしまうことです。



2014.08.17 | | コメント(108) | トラックバック(0) | 政治・社会



大会の協賛企業がフィギュアスケート界を「私物化」?





赤旗新聞:2014年8月10日(日)

アイフルがフィギュアスケート界「私物化」
選手・関係者パーティーにファン招待
協賛社の資質に疑問

(引用開始)…フィギュアスケートの観戦券贈呈キャンペーンで、5万円以上の借金を条件にして批判を浴びたサラ金大手のアイフルが、またもやファンの怒りを買っています。選手・関係者しか入れないパーティーに、ファンを招待するというものです。一協賛企業による私物化ともいえる実態が、明らかになっています。(勝又秀人)

--------------------------------------------------------------------------------

アイフルは、グランプリシリーズ中国大会(11月)の協賛企業として、観戦券贈呈キャンペーンをしています。

このほど、アイフルは5万円以上の借り入れと新規契約という応募条件を撤回したばかり。新たに問題になっているのは、チケット応募者のうち2人を「バンケット」と呼ばれる選手・関係者のパーティーに招待するという特典です。

トリノ五輪アイスダンスに出場した木戸章之さんは、バンケットについて「大会を終えた後に開く、主催者と選手、コーチ、審判の慰労会ととらえている。選手同士が交流し、他国の審判からアドバイスももらえる貴重な場」と説明します。

そこにファンを招くのはきわめて異例です。同社にはファンから「非常識」という意見が寄せられています。

本紙の取材に対し、アイフルは「そのような意見があるということについても、真摯(しんし)に受け止めている」と説明。しかし、いまだに改めていません。

木戸さんは「フィギュアスケートの人気を利用しようとしているだけなのではないか」と、協賛企業としての資質に疑問を投げかけます…(引用終わり)。


まさか赤旗新聞がフィギュアスケート関連の問題を記事にしていたとは意外です。いや、内容からすれば意外でもないか。

私もビジネスの世界の人間ですし、仕事柄、消費者金融企業の新入社員や女子社員の研修を担当したこともありますので、多少は同情したい気持ちもあります。少なくとも、消費者金融だからと言って、色眼鏡で見るようなことはしません。世間からの冷たい視線を受けながらも、生き残りをかけて懸命に努力しているのを私は知っています。

しかし、5万円の借金を条件にというのは、感覚的に非常に抵抗感を覚えるものです。しかも、金利が付きますから実際は5万円では済まないのです。チケットの当選発表までの期間は借金を返せませんからね。

中国大会には超人気のスケーター、ソチ金メダリストの羽生選手が参加します。そこで、アイフルは、「これだ!新規客を増やす絶好のチャンスだ!」と考えたのではないでしょうか。その気持ちは分からなくもありません。

しかし、世間は今も消費者金融に対しては良いイメージを持っていないこと、ストレートにお金が関わるやり方、お金を条件とするようなキャンペーンには抵抗が強いこと。アイフルはこうした認識に欠け、甘く見ていたのではないでしょうか。また、フィギュアファンをも甘く見ていたのではないでしょうか。

次に、「バンケットに招待」も、フィギュアスケート界の慣習について、フィギュアファンのレベルについて、認識が欠けているとしか言いようがありません。私達ファンが二人だけ、場違いなバンケットに加わりたいと思いますか?選手達が困惑するようなことをファンはしませんよ。もちろん、好きな選手とは直接会って話をしてみたいという希望はありますが、それは難しい相談であることをファンは良く知っています。

アイフルは日本スケート連盟に相談するとかしなかったのかな。日本スケート連盟はこの件についてはノータッチなようです。まあ、中国大会ですから関係無いと言えばその通りでしょうけども。

分からないことが一つあります。いくら大会の協賛企業とは言え、「バンケットにファンを招待」の企画をするからには、あらかじめ主催側であるISUの了解が取れていたということなのでしょうか?あるいは、中国スケート連盟が了解したのでしょうか?アイフルが独断でやるというのも少し考えにくいことだからです。

もしもそうであれば、まず批判されるべきは、アイフルではなく、ISUか中国スケート連盟ではないでしょうか?「あまり好ましくは無いが、(この不景気に)お金を出してくれる協賛企業からの要望は断り難い。それに、ファン2名だけなら、まあ目をつぶろうか」、とか。あるいは、「中国大会はあまり観客の入りが良く無いので、少しでも増えるのなら歓迎」とか。もちろん、これは私の想像に過ぎませんが…全く有り得ない話でもないと思います。

「最後は、金目でしょ」ってか(-^〇^-)。

競馬界やパチンコ業界はイメージアップに勤しんで来ました。消費者金融業界も同様でしょう。フィギュアスケートのような優雅なスポーツの協賛をするのもイメージアップの一つかと。テレビにも映ります。それというのも、消費者金融にとって…変な言い方ですが…比較的生活レベルが高い層が多いフィギュアファンは良い客筋とは思えないからです。

アイフルは今回のようなことで、イメージダウンにならぬよう、頑張って下さい。



2014.08.12 | | コメント(1) | トラックバック(0) | フィギュアスケート・ネタ関連



アデリナの紅匂ふ染浴衣





soto.jpg


soto1.jpg

アデリンカの浴衣姿、可愛い(*´`)。
迷うことなく赤の浴衣を選びました。そうか、やはり、ソトニコワは赤が好きなんだ。情熱派だな。スケートもどちらかと言えば硬派でエネルギッシュだ。それでいて、どこか純朴で素直な雰囲気が漂い、私は彼女が好きです。リプニツカヤのツンデレ&兄貴振りも好きですが。

これは私の偏見かもしれませんが、北米の女の子よりロシアの女の子の方が良い意味で純朴さを感じることがあります。ま、こういうことは国や民族を問わず、人によりけりでしょうけども。

京の東山。アンティークな木造の小店が立ち並ぶ二寧坂を歩きながらソトニコワが行った言葉。「ミニチュアみたい」。上手い!以前に、レオノワ選手の日本滞在記を読んだ時にも書きましたが、ロシア人って文学的才能の平均値が高いのかしらね?

日本のミニチュア的(又は箱庭的)嗜好は、フランス人やスイス人にはかなり理解されるかもしれませんが、大きな国に育った人間の感覚では少し違った受け止め方をするかもしれませんね。

驚いたのは、ソトニコワの茶道正座の美しさ!うーむ。お見事。日本人も顔負けの、手本になりそうな正座。女の子だけど、凛々しい、という形容がぴったりしそう。

背筋はまっすぐで、足のつま先も縦に綺麗に伸びているから簡単にはシビレないでしょうね。彼女の話では、フィギュアスケーターは必要があって正座をすることがあると知り、これも驚き。グリーン茶が好きなんですね。

梅干は…酸っぱい方の…はたぶん、耐え難いものがあったのでは?(^O^;)
日本食好きの外国人にとって、梅干は納豆よりも「手強い」らしい。
以前、テレビ番組でフランスのパリの街行く人に梅干を試食してもらう企画がありました。ほとんどの人が梅干を口に入れた瞬間、顔をクシャクシャにして、ぺッ!と吐き出していました。

五輪で金メダル…あっという間に女子シングルの頂点に登り詰めたソトニコワ。今は目標を失い、心が空白状態だそうですが、再びあの豪快で力強い滑りを見せてくれますよ。今回も随所にアデリンカらしいキリッとした姿や張りのある表情を見せていました。覇気は再び漲る。

日本で余暇を利用して観光をするのは今回が初めてだったとか。京都のミニ旅行はさぞ楽しかったでしょうね。日本贔屓で浅田真央を尊敬しているソトニコワだから、これからも日本のファンは増えるばかりでしょう(*^。^*)

ヘボ句を3つ捻る。

                アデリナが覇気漲らせ紅浴衣

                浴衣着て思う存分二寧坂

                梅漬けに踊るソト子の目玉かな



ソトニコワの浴衣姿を見ていたら、私も久し振りに浴衣を着たくなったけど、今は持ってない(><)

tsukiko.jpg
注:上は「イメージ」です(^O^)



2014.08.10 | | コメント(5) | トラックバック(0) | ロシア人選手達・ロシアネタ



«  | ホーム |  »

プロフィール

片割月

Author:片割月
和歌を愛し、音楽を愛し、花を愛し、フィギュアスケートが大好きで、歴史・社会・文学が大好きで、ジョン・レノン、八代亜紀、ちあきなおみが大好きで、クリント・イーストウッドと映画も好きで、皮肉とユーモアも好きな変わり者アラフォー熟女ですが、よろしくお願いします。
最近は体力をつける為に、休みの日はえっちらおっちらとミニハイキングに勤しんでいます。

フリーエリア

検索フォーム

Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR