スケオタ必見!Jスポの「フィギュアスケート・ラボ:技術編」は面白い!
Jスポの「フィギュアスケート・ラボ」で、ISUテクニカルコントローラーの岡部由起子さん解説による「技術編」のシリーズが始まっています。スケオタには堪らなく嬉しい企画だ。
1回目ではジャンプ、スピン、ステップシークエンスにおいて、3人のテクニカルパネル(主にテクニカルスペシャリスト)の役割を細かくちょっとだけ専門的に教えくています。題材として2013世界選手権のジュベール選手のフリー演技を使用。
私が見て、いくつか新しい発見がありました。
①アシスタントテクニカルスペシャリスト(ATS)は、選手の演技が始まると、「次、ジャンプ」「次、スピン」というように、テクニカルスペシャリスト(TS)に知らせる。TSはメモは一切取らず、ひたすら選手の演技を目を皿にして見る。(テクニカルコントローラー・TCはどうなのかな?)。
つまり、TSはその場では「回転不足」や「エッジエラー」の判定はせず、演技終了後にモニターを見て判断すると分かります。(スピンとステップのレベルはその場でコールする)
逆に、「レビュー」コールの無かったジャンプについては一応「認定」ということになるんでしょうね。ただし、演技終了後にATSから異論が出ることもあるのか?
☆9人のジャッジは演技終了時までに一つひとつのジャンプのGOEを付け終えていますよね。すると、ジャッジパネルはテクニカルパネルの最終判定にはほとんど左右されていない、ということになるのかな?それとも、最終判定の知らせを受けてから、大急ぎでGOEを付けるのかな?たぶん、前者でしょう。
それで、もしもTSとATSとで意見が割れたら、TCも入っての多数決による判定となるようです。
②TSはジュベール選手が跳んだ3Aに回転不足の疑いがあると、「3A・レビュー」、4Tー1Tだと「4T・レビュー、ファーストジャンプ」、3Fのエッジに疑問があると、「3F、レビュー、エッジ」というようにコールして行くそうです。だからTSをコーラーとも呼ぶわけです。(そうすると、ATSはその度にメモ※チェック欄があるのだろう、を取るのでしょうね。TCはどうなのかな?)
④これが実に面白いのですが、岡部さんは回転不足かどうかを具体的にどのようにして判定するか、スーパースローと書き込みにより、丁寧に教えています。
例えば、トリプルフリップであれば…選手が緩やかな曲線で助走し、踏み切りで右足のトゥを突く時の左足のブレードの方向と、着氷で右足のトゥを突いた時(瞬間だ)の向きとで作る角度が90度以上あるかどうかを見るそうです。
はは~ん。トゥを突いた時の向きか。。ブレード着氷時では無いのか。。着氷がトゥを突いてからブレードに移行するまでは、ほんの一瞬ですが、その一瞬でも足首をグリッと回して降りるのが分かります。で、トゥを突いた時の方向で判定する方が厳しいというか、より正しいと言うべきか?なかなか難しいわ。
回転不足判定の具体的な「計測方法」「基準」については、ファンの間でも論議が盛んでしたが、岡部さんの説明で、かなり理解が進むように思いました。
スピン、ステップシークエンスの判定についても色々と語ってくれましたが、省略。
一つだけ。例えばステップシークエンスではレベル取りに必要な、難しいターンの組み合わせ…ジュベール選手の場合、ロッカー→ブランケット→カウンター…と分析しながら教えてくれましたが、素人に最も難しいのは、「そのターンの正確さ・質」という点です。これは私には全くお手上げです。
それにしても、岡部さん、よくここまで教えてくれましたね(^◇^;)
続きが楽しみだわ。
※一部の特定選手のファンが一人のTSを名指しで「八百長」と非難し、叩いているけど、こういう番組を見ただけでもそれが間違い・妄想と分かるだろうに。。。
あ、ダメか。彼等に言わせれば岡部さんも陰謀の回し者にされてしまうか。
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2013.11.18 | | コメント(39) | トラックバック(0) | ルール・採点・技術関連