樋口新葉選手と本田真凜選手の出だし好調!(訂正あり)




●樋口新葉選手の新フリー「007 スカイフォール」
動画はここです
フリー得点:147.17点←訂正・これは優勝したザギトワ選手の得点。樋口選手は143.37点。
総合得点:217.63点


最高です!このプログラム!

優雅さや柔軟性よりも、力強さとスピードが持ち味の樋口選手に相応しいプログラムと思います。ボンドガールを演じるのではなく、007を演じているようですね。

おチビさんでお世辞にもスタイルが良いとは言えないですが、身体を大きく使ってダイナミックに演じていますね。スケートがよく伸び、よく滑っているように思います。

昨シーズンまでジャンプに安定を欠く傾向があった(足腰の故障による影響)樋口選手ですが、今シーズンは順調のようですね。これは頼もしいです。

演技前半と後半に跳んだ二度の3lz-3Tはセカンドジャンプの3Tが少し詰り気味に見えましたが、粘り腰で根性降りしました。これは昨シーズンまでは見られなかったことです。

3Sや3Loのようなエッジ系ジャンプでは難しいターンの連続から鮮やかにジャンプを決めています。演技後半の2Aからの3連続ジャンプでも難しいターンから跳び、着氷後も直ちにスリーターン→イーグルでバッチリ!

上の動画の1分30秒からの繋ぎの演技では、バレエジャンプから直ちにイーグルでスネークし、そして大きな弧を描くターンと、音楽とのマッチングが素晴らしい。私はここはコレオシークエンスかと思ったくらいです。

圧巻は終盤のステップシークエンス~コレオシークエンスですね。迫力満点!

樋口選手の表現技術の進化には目を見張ります。

しかし、現在ではどの選手もステップとコレオを切り離して演じるのが主流。樋口選手のケースではステップシークエンスの印象が強烈なので、次のコレオがやや割を食っている感があります。

むしろ、前半の例の繋ぎの箇所をコレオに指定した方がベターでは?もちろん、この場合、ルールによりスパイラル動作を加えないといけませんが。※1

※1
ファントム様のご指摘によると、
ルールの改正により、コレオにおけるスパイラル動作は必須ではなくなったそうです。


彼女の弱点はスピン※2(優勝したザギトワ選手との差だ!)だと思うのですが、それでもジュニア時代から比べると徐々に回転速度と姿勢変更、そして見せ方が上手くなっているように思います。最後のレイバックスピンでも腕の使い方がどんどん上手くなっていますね。

ロンバルディア杯は採点が甘めなのでは?との声があるようですが、過去の同大会の採点を見た限りでは甘めの傾向があるとは思いません。私には分かりませんけどもね。

この調子で滑りこんで行けば、12月末の全日本選手権ではバンクーバー五輪で金メダルを獲ったキムヨナさんの名プロ「ボンドガール」に劣らぬ演技が見られるものと期待します。


※2Jスポの「賢二の部屋」に登場した樋口選手が自ら「スピンが苦手」と言っていました。


●本田真凜選手の新フリー「トゥーランドット」
動画はここです
フリー得点:131.52点
総合得点:198.42点

酸素の薄い高地の会場でしたが、頑張りましたね!

本田選手も樋口選手と同様にジャンプに少し安定を欠く傾向があるのですが、今シーズンは調子が良さそうでこちらも頼もしいですね。

酸素が足りず、見るからに演技後半は苦しそうでしたが良くまとめたと思います。

ステップシークエンスを見た限りでは、滑り込みが少し足りなさそうですが、逆に言えばこれからまだまだ伸びしろのある証拠ですから、今後に期待しましょう。

「トゥーランドット」といえば、どうしても荒川静香さんの名演技と比較してしまうので本田選手には厳しめの見方をしてしまうのかもしれません。しかし、荒川さんがトリノ五輪で優勝した時は24才。本田選手は16才です。このことからも本田選手の優れた才能を感じますね。時代も変わったのだ。

本田選手の魅力は何と言っても可憐さと優雅さ。華やいだ雰囲気に明るい笑顔!

メディアが彼女を「アイドル視」したがるのも無理からぬことではあります。

しかし、本田選手の方もカメラや取材攻勢は全く気にしない…というよりもカメラに撮られ、取材されることを楽しんでいるようです。まるで彼女の方がメディアを仕切っているかのように!

この辺りの「度胸の良さ」は、アスリートとしての、フィギュアスケーターとしての強味と言えると思います。本田選手が世界ジュニア選手権のような大舞台に強い秘密もこの辺りに有るのではありますまいか?



●三原舞依選手が9月20日からの「オータムクラシック」に登場。
樋口選手と本田選手に続く活躍が楽しみです。
持ち前の安定したジャンプに加え、表現技術の進化にも期待出来そうです。

2枠を巡る日本女子シングルの五輪代表争いは、三原、樋口、本田、宮原の4選手による「死闘」になりそう。


●宇野選手も絶好調。
4回転のフリップ、ループ、トゥループに加え、4回転サルコウまでも決めた。海外メディアが彼を「鬼才」「奇才」と讃えたそうですが、私も同感です。

小説家を例にとれば、芥川龍之介や太宰治や泉鏡花は鬼才だ。

西洋音楽家を例にとれば、ムソルグスキーやラヴェルやシューベルトは鬼才だ。

鬼才が天才に劣るわけではありません。

わたしのイメージでは、天才は欠点の少ないオールラウンド型。鬼才は弱点はあれど幾つかの点で抜きん出ていて他の追随を許さない特質も持つ、という感じですね。

体操競技で言えば、個人総合で勝つのが天才。種目別で勝つのが鬼才。

で、オータムクラシックには「天才」の羽生選手が登場します。
こちらも楽しみです。




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2017.09.19 | | コメント(13) | トラックバック(0) | 日本人選手達



羽生結弦選手はこれからも飛躍する





羽生結弦、明かした胸中 集大成へ高難度プログラム挑戦:朝日新聞デジタル 8月12日(水)

(引用開始)…3年後の平昌五輪で2連覇を果たし、フィギュアスケート人生の集大成にすると誓った羽生結弦(ANA)。ライバルのパトリック・チャン(カナダ)が休養から復帰する新シーズンに向け、拠点のカナダ・トロントで、より高難度のプログラムの習得に励む。

トロントの中心部から、車で北へ約20分の郊外にある「クリケット・クラブ」。羽生はこの地を拠点にして、4季目を迎える。6日、練習を公開した。

「スケートのためだけに、異国に来ている感覚。よりスケートに打ち込まなくてはならない。教室にいたら、勉強しないといけないみたいな」。オフの日も散策や外食はほとんどせず「スケートのためにとにかく休む」。早大の通信課程に在学し、リポートの提出にも追われているという。

☆片割月の一口コメント
偉いですね。学業の方も頑張っているんですね。何を専攻しているのかな?通信課程といっても、夏休み等では「スクーリング」といって、何日かは当該大学の講義に通うシステムと聞いています。勉学も吸収力のある若い時にこそね(^^)。


昨季は中国杯での衝突事故や下腹部の手術、世界選手権で連覇を逃すなど試練が続いた。オフはアイスショーで日本各地を巡り、トロントに戻ったのは7月末だった。

「滑り込めていない。一番調子が悪い時は、トリプルアクセルが跳べなくなるくらいになる」。体重もベストより数キロ軽い。だが、昨季の経験を通じ「あまり怖いものはなくなった」と言い切る。「どんな状況、環境でも、あれを乗り越えたからどうにでもなるのではという気持ちが少しある。よりうまくなれる、より自信をもって滑れると思うし、より効率よく練習できると思う」

■大人への脱皮図る

新シーズンに向け「さらにハードルを上げた感じ」と話すのは、ショートプログラム(SP)だ。昨季と同じショパンの「バラード第1番」を使用するが、昨季は断念した演技後半の4回転ジャンプに再び挑む。

それだけではない。ジャンプを跳ぶ前や、技のつなぎで複雑なステップを増やし、出来栄え(GOE)や演技構成点で上積みを狙う。美しいスケーティングで、世界選手権3連覇の経験があるチャンに対抗するためでもある。ブライアン・オーサー・コーチは「105、6点を狙える構成だ」と語り、羽生がソチ五輪で出したSPの世界最高得点(101・45点)を超えることを期待する。

☆片割月の一口コメント
やはり、私が推測した通り、「バラード第1番」を持ち越した理由の一つに、最高得点の記録更新も狙っていたんですね。実に頼もしいです。野望は大きく持って下さい!


「クラシック曲は難しい。昨季はジャンプでいっぱいいっぱいだった」と羽生。フリーで使う映画「陰陽師(おんみょうじ)」の曲は、物語の場面を想像しながら演じられるが、SPはピアノの旋律だけ。「無の状況から、自分の気持ちを生み出して表現することがまだできない」と課題を挙げる。表現面で幅を広げることは、3年後の五輪に向けて成長が求められる要素だ。「(ピアノの旋律を)耳で聴きながら、曲を自然に解釈して、皆さんに視覚でも楽しんでもらいたい」。20歳になり、スケートでも大人への脱皮を図る。

☆片割月の一口コメント
年齢の割には己の長所も弱点を客観視することが出来、なおかつ、それを人前で語れる…大した若者と思います。私の意見では羽生選手は決して表現力が劣るわけではない、むしろ、華があり、独特の雰囲気・空気を持つスケーターと思っています。本人の目標設定が高いからこそ、自分に不足を感じているのでしょう。素晴らしいアスリート!!


練習後、新聞各社の取材に「ソチで(金メダルを)取って、その次の五輪で取って終わって、そこからプロをやろうと小さいころから決めていた」と語り、平昌五輪を区切りにプロへ転向する意向を示した。ただ、関係者によると、発言が大きく報じられて戸惑ったという。五輪後の去就は考えず、レベルアップに集中する。

今季の初戦は、10月中旬にカナダで開かれるオータム・クラシック国際の予定だ。同月末のグランプリシリーズ初戦・スケートカナダで、いきなりチャンと対決する。「ワクワクしているが、今はそういうことに気を取られている場合ではない。自分が成長できることを心がけている」…(引用終わり)。


素人目ですが、羽生選手は間違い無くジャンプの天才と思います。ジャンプは超一流。しかし、ステップシークエンスや演技全体における表現性という点では…もちろん、一流ではありますが…超一流にはまだ到達していないと思います。

複数のスケーターを並べてアレコレと比較するのは微妙なものがありますが、それでも、やはり、超一流の表現力を持つスケーターと言えば、ステファン・ランビエールさん、高橋大輔さん、ジェレミー・アボットさんの名前をどうしても思い浮かべます。そして、特別な存在であるパトリック・チャン選手を。ロシアのヤグディン様や皇帝プル様もネ。

羽生選手には「表現力」を含め、まだまだ開発され尽くしていない潜在能力があると思います。

それに加えて、卓越したアスリートらしい強い精神と賢さの持ち主ですね。

今後も更に飛躍するでしょう。

これからの成長と活躍が非常に楽しみなスケーターの一人です!!ヽ(^。^)ノ


2015.08.15 | | コメント(5) | トラックバック(0) | 日本人選手達



樋口新葉・青木祐奈・本田真凛…期待のジュニア女子3人娘

樋口新葉選手:新FS「マスク・オブ・ゾロ」
動画はここです


本田真凛選手:新SP「スプリングソナタ」
動画はここです


青木祐奈選手:新SP「タイスの瞑想曲」
動画はここです


樋口選手の滑りを「剛」とすれば、本田選手と青木選手の滑りは「柔」と言えようか。

樋口選手のスケーティングの特長は、2015世界ジュニアで爆発したパワーとスピードでしょうね。まさしく「剛」です。伊藤みどりさんや、全盛期の安藤美姫さんの滑りと少し似ていると言えようか。リンクの狭いアイスショーでは樋口選手の特色が発揮し難いと思いますが、それでも、新フリー「マスク・オブ・ゾロ」は彼女の個性に合ったプログラムと思います。

この時期に既にジャンプが素晴らしく安定し、質も高いのには驚かされます。やはり、これは才能なのでしょうね。樋口選手のジャンプは回転不足判定を取られる可能性がほとんど無い。これも女子選手として並はずれた資質でしょうね。

その代り、表現性という点では青木選手や本田選手と比べると、現時点ではやや劣ると言えようか。身体はやや硬い方か。腕や手の使い方もまだ幼い感じがします。腕の短さも影響しているのかな?


本田選手のスケーティングの特長は、「柔」プラス「エアリーな軽やかさ」でしょうか。彼女の滑りは、浅田選手のそれと少し似ていると言えようか。体型も似ているようですしね。

新ショートの「スプリングソナタ」は良い感じですね。バイオリンを弾くような動作も可愛い。リズミカルなフットワークと手や腕の巧みで優雅な使い方は既にシニアレベルと言えようか。スピンも上手いですね。フライングシットスピンではポジションを変えながらのチェンジエッジも自然です。採点競技であることを忘れて、もっと長く見ていたくなるような素敵な演技ですね。

ただ、彼女のようなタイプはジャンプの安定感とパワーやスピードにやや難がある場合があり、そこを如何に克服して行くかです。


青木選手のスケーティングの特長は、「柔」プラス「弾力性と伸びやかさ」でしょうか。彼女の滑りは、コストナー選手やおヨナさんのそれと少し似ていると言えようか。膝も柔らかそうです。

新ショート「タイス」は、ジュニアスケーターには難しそうなゆったりとしたテンポの音楽。それにもかかわらず、彼女の伸びやかなスケーティングは音楽とマッチしていると思います。カウンターターンからのダブルアクセルも上手いですね。

ただ、現時点では樋口選手や本田選手と比べ、やや地味系というか、「華」にやや乏しいと言えようか。でも、青木選手のようなタイプは将来、何かのきっかけで予想以上に強くなるかもしれません。


まさに、彼女たちの滑りは三者三様ですし、これからの成長が楽しみです。女子の場合は体型変化との戦いがあり、将来の予想となりますと難しいですね。今までも大いに期待されながら、伸び悩んでいる女子選手やいつのまにか引退してしまった若手選手は何人もいましたしね。女子スケーターの未来を予測するのは本当に難しいです。それでも、3選手の中で誰が一番トップに行くか占ってみたくなる誘惑に私は勝てません。

私は樋口選手が一番有望株と予想しています。その理由は、

①最大の得点源であるジャンプの才能は世界のトップクラス
②体型変化の悪影響が最も少ないであろうタイプ(女性のカンですけど)
③気性の強さ。闘争心の激しさ。また、それを言動に表す率直さ。日本女子には少ないタイプ。
④「パワーとスピード」」も日本女子には少ないタイプ。
⑤3選手共、3Aに取り組んでいるが、身に付ける可能性があるのは樋口選手と予想。
⑥表現力は年齢と共に、段々と向上して行けるので大きなハンデとはならないであろう。


3人の選手をそれぞれ花に例えると、

樋口選手は生き生きとしたアキノキリンソウ。
本田選手は小奇麗で優雅なサクラソウ。
青木選手は地味だけど味わい深いブルーベリー。

くらいかしら?


追記。

ジャパンオープンのチケット、直接チケットぴあ店に18日(土曜)10時に行ってゲットしました。15000円のS席です。後で知ったのですが、あの巨大な埼玉スーパーアリーナのチケットがほぼ瞬殺で売り切れたとか(^_^;)。浅田真央効果か。



2015.07.22 | | コメント(4) | トラックバック(0) | 日本人選手達



羽生選手の演技強行をどう思うか?





私は衝突の場面と羽生選手の状態を見て、遅い!早く救護班を呼べよ!と叫んでいました。競技は棄権するだろうと100%思っていたので、演技を強行することに驚き、呆れ、そして、心配になりました。

今回の事故がこれだけ大きな話題になり、世間の耳目を集めるのは、羽生選手が五輪金メダリストであり、日本だけではなく世界から最も注目されているフィギュアスケーターの一人だからでしょう。

あれだけの怪我にもかかわらず演技を強行した羽生選手を賞賛し、感動を受けたとする声があります。元フィギュアスケート選手中庭さんのコラムはその典型でしょう。

「…羽生選手は昨年、全ての試合で勝利し、ある意味、フィギュアスケート界を背負っているという意識があっただろう。一方のエン・カン選手は地元開催での期待を背負っていた。2人の熱い気持ちがアクシデントを超えて、出場させたのだろう。まさに「男の中の男」だ。それは見ている人たちに十分伝わったと思う。演技の出来云々ではなく、彼ら2人が最後まで演技をやり通したことに非常に感動した…。」
- 中庭健介コラムより抜粋

テレビ解説でも、連盟理事の佐野稔氏が「(羽生選手とハンヤン選手は)男だったね」と言っていました。

もう一つは、出場には少し批判的もしくは疑問としつつも、羽生選手の心意気や良しと、競技に「穴」をあけなかったことを「プロ意識のなせるもの」と賞賛する声であり、プルシェンコ選手に代表される意見です。この辺が「常識的」かつ「無難な」意見かもしれません。

これに加えて、ISUや日本スケート連盟の救護体制の問題や6分間練習を6人同時で行うシステムを見直すべきではないかとの声もあり、これらも「常識的な」意見でしょう。

その一方で、出場を厳しく批判する声もあります。下記のツイッターのつぶやきはその典型でしょう。

羽生選手の件。日本のスポーツ界に脳震盪の危険性がいかに伝わっていないかがよくわかります。頭をぶつけて詳細な検査もせずにプレイを続けるなど危険極まりない!
— 全国柔道事故被害者の会(JJAVA) (@judojiko)

負傷をおして、死の危険をかえりみず、限界まで頑張った人の姿に感動するのは良いとして、私が懸念するのは、その感動がスタンダードになることです。つまり、負傷を理由に休んだり、死の危険を恐れて挑戦を断念したり、限界まで自分を追いこまないでいる人間が非難されるのではなかろうか、と。
— 小田嶋隆 (@tako_ashi)

「明日、学校が始まったら、羽生問題はいい教材になると思うよ。この一件を、教員が<危険を顧みず、最後まで試合をした、とても立派なこと>と教えるのか、それとも、今回の件を例に引いて、脳震盪の危険性と、その対処法の話にするのか……大袈裟に言えば、そのどちらになるかでこの国の未来が決まる。」
— 松井計 (@matsuikei)


私の結論は以下の通り。
「怪我をした選手について、演技しても良いのか棄権すべきかを判断出来るのは、医師だけである」

羽生選手本人はもちろんのこと、オーサーコーチとて医療についての十全な知識と経験があるハズはありません。ISUや日本スケート連盟の關係者もしかり、です。

そもそも、誰かが責任を持てますか?羽生選手が演技中の転倒等により怪我を悪化させたり、骨折でもしたら、最悪は再起不能にでもなったら、誰が責任を取るのでしょう?全ては未成年の羽生選手の「自己責任」とするのでしょうか?

病状や怪我の具合について素人が判断することは非常に危険なことです。その為に専門家の医師がいるのですから。従いまして、第一に、大会の現場にISUか連盟から委託された医師がいること、第二に、その医師には当該選手の演技続行の可否を決める権限が与えられていることが必要だと思います。たとえどんなに選手本人やコーチが強く参加を希望しても委託医師が「ノー!」と言ったら問答無用で従うシステムにISUや連盟は改善すべきと思います。

【羽生選手は「男の中の男」か?】
この点では小田嶋氏の意見に共感出来ます。羽生選手を讃えれば讃える程、それと反比例して「ここで大事をとって棄権するような選手は男ではない」と蔑むことに通じるからです。とんでもないことだ。たぶん、中庭氏や佐野氏はそこまで考えて発言したのではなく、その場の雰囲気に飲み込まれたり、同じフィギュアスケーターとして理屈抜きに覚えた「実感」だったのでしょう。しかしながら、冷静であるべき解説者としては非常に軽率なコメントと思います。

次に気になったのは…また片割月のヘンテコ男女論が始まったか!と言われそうだけど…「男だね」という表現とその心性です。仮に、羽生選手が女性であったら彼等は何と表現するのでしょうか?まさか「女の中の女」とは言いますまい。むしろ、「無謀な演技強行」と女子選手を批判したり、「女の子にあそこまでさせるとはコーチはケシカラン!」と非難するのではないでしょうか。

やたら「男」を強調するタイプの男性はえてして、「女はか弱いもの。男が守るもの」という古びた固定観念が根強く残っているからです。つまり、男の冒険や無茶、そして不屈の精神は賞賛すれども、女の冒険や無茶、不屈の精神を快く思わない封建的心性の持ち主の男性だ。まあ、日本のアスリートの世界は封建的な匂いが未だにプンプンするから、そうなりやすいのではないかと「邪推」いたします。

私は羽生選手の姿勢を賞賛もしないし、否定もしません。そんなことより身体の方が心配でした。
ただし、大会に参加する以上はそこで最良の演技をすることが求められるのであり、「ボロボロになると容易に予想される演技」を強行するのはどうかな?と思う方です。「プロ」を強調する關係者は「人前で最良の演技をすることこそが『プロ』の条件」と知っているハズですが。。。

【大会に穴を開けないプロ意識…浅田選手が2011GPFを棄権した事例を思い出した】
母上の危篤を知り大会を中途で棄権した浅田選手を「トップアスリートとしての意識、プロ意識に欠けるのではないか?」との批判もしくは疑問視する声がありました。では、果たして浅田選手が母上の危篤を知りながら試合を続け、最後のフリー演技を終えたならば、それは賞賛され、美談になるのでしょうか?こういう事例は羽生選手の事例とは異なり、選手個人の価値観に全てを負うものですから、どちらの選択が正しいとかより尊いとかは一概に言えないと思います。

【羽生選手の演技に感動する心性と、カミカゼ特攻映画に感動する心性との共通点を警戒する声も】
まあ、そんなに問題にすることでもないでしょう。政治家がやたら持ち上げたりしない限りは。

概してマスコミは「困難を乗り越えて」「動かざる足捨てて、いざりても進む」「犠牲を顧みず」といったストーリーを美談に仕立て上げるのが好きであり、私も含め一般大衆もまたそうしたストーリーからの「感動を求める」心性があります。

マスコミが「羽生の不屈の闘士」とか「精神力の強さ」とか言うと、なにやら「日本の悪しき精神主義の匂いがプンプンしますが、上記は日本だけのことではなく、他国でもあることです。ちなみに、アメリカの映画やテレビドラマを見よ!「命知らずの消防士・警察官・兵士」のストーリーが人気を集めています。自分の命と引換えに家族の命や市民の命を救うヒーロー、ヒロインのストーリーがゴマンと作られ、それが人気となるのです。
(オーサーコーチが出場の意志が固い羽生選手に「君はヒーローになる必要はないよ」と言っていたのを思い出す

ただ、アメリカの場合はハッピーエンドのサクセスストーリーが目立ち、概してドライで明るい。日本の場合は概して暗くてジメジメっとした陰気なストーリーが目立つという違いがあります。気候による湿気の違いも影響しているようだ。

※オーサーコーチは羽生選手の気質を良く知っているからこんな言葉が出たのだろうか?私だったら「君はヒロインになる必要はないよ」なんて言われ方したら、かなり不愉快だなあと思うから。



2014.11.11 | | コメント(42) | トラックバック(0) | 日本人選手達



高橋大輔選手・賛 





予感めいたものはありましたが、それでも、やはり、高橋選手の引退発表はショックでした。
私は必ずしも高橋選手の熱烈ファンではないけど、彼の演技に一喜一憂し、エキサイトしていました。
毎シーズン、どんな競技用プログラムが用意されるのか待ち遠しく思ったスケーターの一人でした。
直近の2年間は、会場のファンの「騒音」がうるさくて、じっくりと彼の演技を楽しめなくなることがありましたが、超熱狂するファンの気持ちも分からなくもなかったです。
今、フィギュアを見る楽しみに、ポッカリと大きな穴が生じた思いです。喪失感の大きさがひしひしと。

大怪我から復帰したバンクーバー五輪シーズン以降で言えば、どのプログラムの、どの演技が特に心に残ったでしょう?
バンクーバー五輪での感動的な「道」、
以前に記事にアップしたNHK杯での完璧な「In The Garden of Souls」、
国別対抗戦で代々木体育館が崩壊せんばかりにファンが大熱狂した「ブルース」、
全日本での神演技「道化師」、
昨年のNHK杯で私が生演技を見た「ソナチネ」、

等、いくらでもあります。そうした中で、私がアレコレと迷いながら、無理やり、一つだけ選ぶとすれば、怪我から復帰した2009年でのフィンランディア杯のSP「eye」です。粗い小さな動画でも、この演技を見る度に興奮したものです。
動画はここです

ta.jpgta2.jpg

とにかく、カッコイイ。一つひとつの動きやポーズが絵になっている。エンディングでコケていますが、「テへへへ。。。」と苦笑いしている姿すら絵になっている!

この頃のSPはステップシークエンスが二つあり、その点では今よりも見ごたえがありました。この「eye」では、何といっても二つのステップシークエンスの魅力には勝てません。自在に滑り、ダイナミックに踊り、細やかにしてエネルギッシュ!

私が高橋選手の魅力に気がついたのはこの演技だったと思います。音を拾う、とか、音楽と演技が一体となっているとか、スケーティング・ステップワークの醍醐味(パトリックのお陰でもあるけど)、真髄に多少は触れた思いがしました。

演技の完成度という点では、その後のGPSアメリカ大会や世界選手権の方が上かもしれませんが、見た時の衝撃と新鮮さと発見という点ではフィンランディア杯の感動の方が上でした。

ステップの途中で上半身を仰け反らせながら前にタッタと動く箇所は特にツボです。

こんな日本男子スケーターは、もう二度と現れないかもしれません。

ひたすら感謝m(_ _)m


2014.11.05 | | コメント(8) | トラックバック(0) | 日本人選手達



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プロフィール

片割月

Author:片割月
和歌を愛し、音楽を愛し、花を愛し、フィギュアスケートが大好きで、歴史・社会・文学が大好きで、ジョン・レノン、八代亜紀、ちあきなおみが大好きで、クリント・イーストウッドと映画も好きで、皮肉とユーモアも好きな変わり者アラフォー熟女ですが、よろしくお願いします。
最近は体力をつける為に、休みの日はえっちらおっちらとミニハイキングに勤しんでいます。

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