雅びの世界と官能の世界を行き来するフォーレの音楽
曲名:夢のあとに
作曲:ガブリエル・フォーレ(1845~1924)
作年:1865年頃
高校時代、初めてこの曲を聴きました。ラジオからこの曲が流れた時、何と美しくて雅びな音楽だろう!と思いました。まるで平安王朝の雅びにも通じる繊細な抒情詩だと。それでいてどこか官能的な趣もあります。
ピアノの伴奏がいささか単純過ぎる感じもしますが、捨てがたい味わいがあります。
雅びと官能が交叉する抒情詩…これがフォーレの特長かもしれません。
原曲は歌曲ですが、チェロやヴァイオリン等、様々な編曲で演奏されます。特にチェロとなれば、男子ならアボット選手か小塚選手に。女子であればコストナー選手でしょうか。
原曲の歌曲版。
名ソプラノ、キリ・テ・カナワさんの歌で。動画はここです
「夢のあとに」・歌詞(CDジャケットの和訳より)
君の姿に うっとりとした眠りのなかで、
私は幸福を夢見ていた 燃え上がる蜃気楼のように、
君の瞳はさらにやさしく 君の声は澄み切ってよく響いた。
君は輝いていた あけぼのに照らし出された空のように。
君は私を呼び 私は地上を離れて、
君といっしょに逃げて行った 光の方へ、
空は私たちのためにわずかに雲間を開いてくれた。
その時かいま見た未知の輝き 神の閃光よ。
だが何ということだ、このみすぼらしい夢の目覚めよ!
私はおまえを呼ぶ、おお夜よ、返しておくれ、おまえが織り上げたあのいつわりを、
戻って来い、戻って来ておくれ、輝かしい人よ、
戻って来ておくれ、おお、神秘なる夜よ!
曲名:ヴァイオリン・ソナタ第1番イ長調より第一楽章
作年:1876年
こちらは大人の清楚さと抑制の効いた官能、とでも言いましょうか。ピアノとヴァイオリンが細やかに絡みつき、互いに愛撫でもしているような秘めやかさ。同じロマン派のヴァイオリン・ソナタでもブラームスやフランクともかなり違った味わいがあります。
シズニー選手、コルピ選手に似合いそうだ。
2013.04.24 | | コメント(23) | トラックバック(0) | 音楽