2017年フィギュアスケート世界ジュニア選手権(完)
フジテレビ地上波で女子シングルのみショート・フリーを放映予定。男子はどうした?などと不満を言うまいぞ。地上波でしっかり放映してくれるだけありがたいと思わなくてはバチが当たりますぞ!
前にも書いたかもしれませんが、フジテレがフィギュア競技の放映でタレントを使わなくなったことを私は高く評価しています。私の想像ですが、視聴者から相当のクレームもあったのではないかと思ってはいます。タレントの下らぬ「解説」など喜ぶ視聴者はいないでしょう?※
※報道番組でタレントを解説に起用するのが「流行」になっていますが、テレビ局はこれが自分で自分の首を絞めることになると気がつかないのでしょうか?
※「テレビ離れ」とか言われていますが、その主な原因はテレビ局側の愚策にあります。低レベルなタレントなんかに偉そうな政治批評などさせるな!視聴者をナメとるのか?タレントが政治についてアレコレ言ったところで、所詮はテレビ局のマリオネットだ。毒にも薬にもならぬ能書きでしかない。
※動物番組でも民放ではタレントにアレコレと下らぬおしゃべりをさせる。無駄な時間稼ぎだ。視聴者は動物の珍しい実態や、動物そのものについての説明や新しい知識を求めているのであって、タレントの愚にも付かぬおしゃべりを聞きたいのではない!
で、メディアの方は本田真凜選手一色ですね。
坂本選手や白岩選手の方はほんの「付けたし」程度。実力的には3選手にはさほど差は無いのに、メディアの扱いがこんなに差別される例も珍しい。ま、本田選手が連覇する方が視聴率も取れますし、スポーツ紙も売り上げが上がるからでしょうね。メディアによって、「アイドル」が作られるプロセスの典型を見るようです。
残念ながら、本田選手の連覇は99%無いと思います。
ロシアのザギトワ選手がダントツで強いからです。ツルスカヤ選手も本来はザギトワ選手に劣らず強いのですが、怪我からの復帰戦ということでどうなるか不明ではあります。
ロシアの2選手に比べ、日本の3選手は…どう贔屓目に見ても…明らかに力が落ちます。
しかし、本田選手と坂本選手がショート、フリー共ノーミス演技をし、スピンやステップでオールレベル4を獲得して僅差の2位に入れば上出来と思います。特に、本田選手は表現技術や雰囲気に類の無い個性がありますので、ジャッジが高い評価を出す可能性もあります。
本音では、本田選手が最高の演技を披露してザギトワ選手を破って連覇したら!と願っていますけどね。それなれば実力の伴った本物のアイドルとして大いに歓迎します。
1%の可能性が100%になることは現実に良くあることです。
●女子ショートプログラム:結果
1 Alina ZAGITOVA 70.58点
2 Marin HONDA 68.35
3 Kaori SAKAMOTO 67.78
4 Eunsoo LIM 64.78
5 Yuna SHIRAIWA 62.96
6 Stanislava KONSTANTINOVA 58.90
ワクワクする展開になりましたね!おおッ!「1%の可能性が100%になること」が実現するかも!それも、本田選手の連覇又は坂本選手の初優勝と、二人共チャンスが!
ザギトワ選手。
あれえ?ロシア選手権で鮮やかに決めていた3Lz-3Loを跳ばず、3Lz-3Tに戻したのね。チェッ、な~んだ!もっとも、そのお陰で?日本人選手とさほど差が出なくて済んだけど(^_^;)。フリーでは跳んでネ!絶滅の危機に瀕している3Lz-3Loを死守して欲しいわ。※
※
うっかりしていました!ロシア選手権はシニアの大会であり、ジュニアは今季のショート規定で単独ジャンプが3Loに指定されていることを失念していました(^^ゞ。
本田選手。
最終滑走でしたが、集中していましたね。レベルの取りこぼしが目立っていたステップシークエンスでレベル4を取り、加点もたっぷり!これが本田選手の好調さを示すバロメーターなのです!フィギュアでは珍しい髪型のツインテールも彼女の可憐さを引き立ててグッドです。実に良く似合っていますね。ザギトワ選手よりも高い演技構成点が出ました。これは…フリーも大いに期待出来そうよ。
坂本選手。
彼女らしいスピード感溢れる爽快な演技!ジャンプの加点はザギトワ選手より多いのです!惜しまれるのは、ステップシークエンスでなかなかレベル4が取れないことです。う~ん、どうしてなんだろう?結果として、2位の本田選手との得点差の要因はここなのです。ともあれ、トップのザギトワ選手とは3点弱の差ですからフリーで逆転する可能性は十分にありますね。
韓国のイム・ウンス選手。
驚きました。この子、キム・ヨナさんに劣らぬ才能の持ち主ではないでしょうか?ジャンプの大きさといい、演技全体のクオリティの高さといい、表現のセンスといい…逸材でしょう。
白岩選手。
頑張りましたね!もしかすると必ずしも彼女のベストではなかったかもしれませんが、シーズン当初の怪我や腰痛と戦いながらよくここまで仕上げたと称賛するばかりです。
ツルスカヤ選手。
最初のコンビネーションジャンプを見た時点で、「本調子では無いな」と誰もが感じたのではないでしょうか?もちろん、フリーを見るまでは分からないですが。
上位3選手の演技構成点はほとんど差はありません。つまり、フリーではジャンプ1本のミスで順位が入れ替わります。フリーはエキサイティングになりそう。イム・ウンス選手や白岩選手の演技も楽しみです。で、フジテレビはウハウハでしょう(^◇^)。ゴールデンタイムに放映されるフリーは視聴率が期待出来そうですね。いいでしょう。世界ジュニアをこれだけ放映してくれるフジテレへのご褒美です。
●女子シングル:結果
1 Alina ZAGITOVA 208.60 点
2 Marin HONDA 201.61
3 Kaori SAKAMOTO 195.54
4 Eunsoo LIM 180.81
5 Yuna SHIRAIWA 174.38
急な仕事が入ってしまい、テレビ放映を見損った(;д;)
以下は、動画を見た上での感想と愚見です。
本田選手も坂本選手も世界ジュニア選手権にピークを合わせ、ショート、フリー共にノーミスで最高の演技!素晴らしいですね。白岩選手はミスはありましたが5位入賞は立派です。優勝こそロシア女子に持って行かれましたが、日本女子の大健闘です。特に本田選手はメディアに大注目され、連覇への期待という重圧の中にあってベストの演技をしたのですから、実力・人気共に揃ったスター選手に相応しい結果を残しましたね!
それにしても、ザギトワ選手は強過ぎます!
ザギトワ選手のフリースケーティング
→ここです
その強過ぎる秘密ですが、彼女のジャンプ構成はトリプルアクセルや4回転ジャンプの無い女子にあっては、最も基礎点の高い難度構成です。
つまり、2回跳べるジャンプに関し女子選手のほとんどは3ルッツ2回と3トゥループ2回、又は3フリップ2回と3トゥループ2回ですが、ザギトワ選手は3ルッツ2回と3フリップ2回なのです。2位、3位の本田選手と坂本選手は3フリップ2回と3トゥループ2回です。
3ルッツの基礎点は6.0点。
3フリップは5.3点。
3ループは5.1点。
3トゥループは4.3点。
よって、ザギトワ選手と日本の2選手とでは、ジャンプの基礎点で計1.7点の差があるのです。しかも、彼女は7回あるジャンプ全てを基礎点が1.1倍される演技後半に持って来ていますので、なんやかんやで3点ほどの差がつきます。女子においては基礎点3点の差は大きいです。その上、ショートプログラムの時点から3ルッツを跳ぶザギトワ選手と3フリップの日本2選手とは0.7点の差があるのです。※
※
フリーのジャンプの基礎点。
ザギトワ選手…50.71点
本田選手…47.28点
坂本選手…44.74点
☆追記
坂本選手は演技前半に5つのジャンプを跳ぶ構成になっていましたが、さすがに来季は後半にジャンプを5つ跳ぶ構成に変えて挑むと宣言した模様です。
何故ザギトワ選手が3ルッツと3フリップを2回づつ跳べるか?
それは3ルッツー3ループという最も難しいコンビネーションジャンプを跳べるからです。ほとんどの選手は3ルッツー3トゥループか3フリップー3トゥループです。そして、女子では2アクセルー3トゥループの組み合わせのジャンプを跳びますので、どうしても基礎点の低い3トゥループを2回跳ぶことになります。
しかも、ザギトワ選手のジャンプは質という点でも上手い!
それと、もう一つ忘れてはならないのは、スピンの出来です。
やはり、ザギトワ選手のスピンはロシア女子に共通する上手さがあります。最初のスピンでも、スパイラルからすぐにフライングキャメルへと難しい入り方をして加点を増やしています。日本女子選手には見られない技術であり、それを可能にする脚力の違いもあるのかもしれません。
このようなザギトワ選手にノーミス演技をされたらジュニアでは誰も敵わないです。
4位入賞した韓国の逸材、14才のイム・ウンス選手。
やはり、唯者ではありません。キム・ヨナ二世と言われるわけだ。
2017.03.17 | | コメント(40) | トラックバック(0) | フィギュアスケート・大会