樋口新葉選手と本田真凜選手への期待
樋口新葉選手には「存在感」がある。
本田真凜選手には「華」がある。
両選手とも、優れた才能を持つ一流のスケーターです。平昌五輪の出場を目指していましたが全日本選手権では力及ばず悔し涙を流しました。
両選手はほぼ同年齢ですが、どこからどこまでも対照的なスケーターです。
樋口選手の演技からは強い感情とエネルギーの放射を感じ、圧倒されます。本田選手の演技からは可憐でエレガントな雰囲気を感じ、幸せな気持ちになります。
ついでに言えば、両選手ともその言動等から一部のフィギュアファンから批判的な視線で見られる点が共通している。
●来季こそトリプルアクセルをプログラムに入れるとの強い決意を示した樋口選手。
世界選手権・樋口新葉選手のフリー「007:スカイフォール」
→ここです
この演技、私は何回見ても飽きません。プログラム・振り付けの重要性を感じさせる内容です。シェイ・リン・ボーンさん振り付けによる「スカイフォール」は実にカッコいいです。
特に、動画の1分40秒で音楽がガラッと変わってからの振り付け(コレオシークエンスにもしていた)からダブルアクセルまでの流れはカッコいいです。また、樋口選手の個性にもフィットしています。
演技構成点で宮原選手に次ぐ高い評価を受けたのも分かるような気がします。
およそ、女性的な優美さとは遠い演技スタイルですが逆に女子シングルの中では個性が光る。
ここにトリプルアクセルが加われば樋口選手は世界のトップクラスのスケーターとして今後も更に期待出来ます。樋口選手であれば質の高いトリプルアクセルを跳べると期待しています。
●スケーターとしての「覚悟」を示した本田選手。
濱田見栄コーチから離れ、ラファエル・アルトゥニアンコーチの指導を仰ぐとの決断。
言葉も生活環境もガラッと変わる北米での選手生活。高校の学業をかなり犠牲にすることになるでしょう。どのスポーツでも世界のトップクラスを目指す以上はそれなりの犠牲はやむを得ないのでしょう。
それゆえ、ある意味、退路を断った本田選手の「覚悟」を強く感じます。
これが成功するか否かは始めてみなければ分かりませんが、少なくとも本田選手の意思はハッキリしたと思います。次の五輪には必ず出ると。世界選手権でメダルを取ると。
前にも書きましたが、本田選手は見た目の可憐さとは別にかなり「気が強い」「したたか」なタイプと見ています。樋口選手は見た目がいかにも気が強そうですが実際はそれほどでもない…と言うのが私の人相学です。
本田選手は厳しいと言われるアルトゥニアンコーチに少しも物怖じせずに向きあい、練習に励むものと期待しています。もともと、ジャンプもスピンもステップも表現力も兼ね備わった、「ウェルバランス」な才能の持ち主と思うので、ここで一気にレベルアップするのではないかと楽しみです。
また、同門にはアシュリー・ワグナー選手、アダム・リッポン選手、ネイサン・チェン選手という良きお手本がいます。彼等の人柄、フィギュアへの取り組み姿勢、そして、卓越した表現技術など、いくらでも真似し、吸収するチャンスがあります。
2018.06.08 | | コメント(11) | トラックバック(0) | 日本人選手達