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世界フィギュアスケート選手権2021(完)




●女子シングル

・順位予想(敬称略)
1位:シェルバコワ
2位:紀平
3位:トゥルソワ
4位:トゥクタミシェワ
5位:テネル
6位:宮原

このところ、私は日本人選手に勝って欲しい、という気持ちよりも、良い演技が見たい、という気持ちの方が強くなっているのを感じます。カップル競技については以前からそうでした。

私の好きな樋口選手がいないのと、以前ほど、やれ安藤美姫選手だ、浅田真央選手だ、という熱烈ファンになるような選手がいない為でもあると思います。

そして、私なりのフィギュアスケートというある意味特殊なスポーツに対する観賞の仕方が変化したこともあると思います。点数やら判定やらの細かいことにこだわらず、じっくりと演技を楽しみたいです。選手毎のそれぞれ個性ある演技を楽しみたいです。ハッとさせられるような技も楽しみたいです。

もちろん、ルールや技術への関心は今もあります。

日本人選手が素晴らしい演技をして優勝し、表彰台に上ってくれる方が嬉しいことに変わりはありませんが。これは男子についても同様です。

女子ショート結果
1 Anna SHCHERBAKOVA(ロシア)81.00
2 Rika KIHIRA(日本)79.08
3 Elizaveta TUKTAMYSHEVA(ロシア)78.86
4 Karen CHEN(アメリカ)74.40
5 Yelim KIM(韓国)73.63 PB
6 Kaori SAKAMOTO(日本)70.38
7 Bradie TENNELL(アメリカ)69.87
8 Haein LEE(韓国)68.94
9 Madeline SCHIZAS(カナダ)68.77
10 Loena HENDRICKX(ベルギー)67.28
11 Olga MIKUTINA(オーストリア)67.18
12 Alexandra TRUSOVA(ロシア)64.82
13 Ekaterina RYABOVA(アゼルバイジャン)64.11
14 Jenni SAARINEN(フィンランド)63.54
15 Josefin TALJEGARD(スウェーデン)61.58
16 Satoko MIYAHARA(日本)59.99


3人の日本女子選手については、私が密かに懸念していたことが全て出てしまったという感じです。まず、紀平選手ですが、彼女のジャンプは3Aを別としてそれほど高さが無いんですね。よって、着氷で時々回転不足を取られています。今回は3Aと3F-3Tの3Tに、四分の一回転不足の「q」マークがつき、本来なら+2点以上加点されるところ、わずかの加点に終わりました。ノーミスであれば83~84点は出ていたでしょう。

しかしながら、演技全体としては素晴らしいものだったと思います。特に、ステップシークエンスの出来は秀逸。レベル4をしっかりゲット。加点も+1.60。かなりの練習を積み重ねて来た成果が出ていると思います。

坂本選手は元々不安要素であるルッツのエッジエラーと、しばしば見受けする緊張によるものか気負いからか、3F-3Tでミスが出てしまいました。彼女の良い時のノリノリの演技ではなく、少し萎縮していた印象です。残念です。技術的なことよりも、メンタルの影響が大きかったように見えました。

宮原選手はジャンプが(/_;)。壊滅的なミスでしたが、ステップ・スピン・音楽表現で頑張りました。やはり、彼女の音楽表現は一流ですよね。彼女以上の存在は今のところ考えられません。

シェルバコワ選手。ロシア選手権3連覇はダテではありませんでした。16才とは思えない表現技術。ジャンプばかり目が行きがちですが、彼女の演技はメドベージェワ選手を思わせます。繋ぎの濃い振り付け。何となく滑っている箇所が無い!休みが無い。ジャンプが音楽表現の中に自然に組み込まれている。凄いです。

トゥルソワ選手。ジャンプが不安定との前評判の通りでした。彼女は4回転ジャンプに入れ込み過ぎているのでしょうか、音楽表現や他の技術がややお留守になっているように見えます。とは言っても、あくまで世界選手権レベルでのお話ですが。フリーでは男子並の鬼構成で大逆転を狙うでしょう。ある意味、開き直れる位置なのでフリーでは凄い演技を見せるかもしれません。期待しましょう。

韓国女子もクオリティーが高いですね。以前はキム・ヨナさん一人だったのが、ハイレベルの選手が次々と登場するようになりました。しかも、ルックスの方も上クラス!

5位のYelim KIM(キム・イェリム)選手は手足が長く、この美点を生かしたプログラム「愛の夢」。時分の花だ。8位のHaein LEE(イ・ヘイン)選手もそうですが、お二人とも膝を上手く使った伸びやかな滑りが印象的です。

トゥクタミシェワ選手、24才。若年化の著しい女子フィギュアにあって、年齢と共に静かに着実に進化して行くスケーターの姿は、単に演技の出来以上の感銘を人に与えるものですね。 アスリートにしては 肉付きの良い体型なのに、このようなジャンプが跳べるということは、よほど脚力や柔らかな膝のバネに恵まれているのでしょう。


●男子シングル

・順位予想(敬称略)
1位:チェン
2位:羽生
3位:宇野

4位からは混沌。が、メッシング君やエイモズ君をはじめとした個性派ぞろいの男子。ワクワクします。近年、壁にぶつかっている感のあるボーヤン君の進化も見たいですね。ジェイソン・ブラウン君の名演も楽しみ。


男子ショート結果
1 Yuzuru HANYU(日本)106.98
2 Yuma KAGIYAMA(日本)100.96
3 Nathan CHEN(アメリカ)98.85
4 Mikhail KOLYADA(ロシア)93.52
5 Keegan MESSING(カナダ)93.51
6 Shoma UNO(日本)92.62
7 Jason BROWN(アメリカ)91.25
8 Junhwan CHA(韓国)91.15
9 Kevin AYMOZ(フランス)88.24


羽生選手はさすが、と言ったところでしょうか。4Sのランディングが少し乱れ、私は思わず「アッ!」と声がでましたが、上手いこと持ちこたえました。それと、ステップシークエンスでレベル4を取り損ねた分だけ、110点台に届かなかったということでしょうか。さりとて、4Sと4Tの構成で110点を超えるのは羽生選手とて、ちょっと難しいように思えます。ショートから4Loを持って来ること、出来ませんでしょうか?

チェン選手、緊張していましたか?世界選手権3連覇の期待がかかっているという重圧でしょうか。チェン選手がジャンプでコケるの、久し振りに見ました。

チェン選手が8点差で羽生選手を追う展開の方がワクワクします。優勝の行方はまだ分かりません。

鍵山選手17才。スゲエ!昔風の無表情でただ滑っているだけの日本男子選手って感じを残しつつも、そんなことは大した問題じゃない、と言わせるだけの美しいスケーティングに美しいジャンプに美しいスピンでございました。音楽といい振り付けといい、亡くなったデニス・テン選手の演技を彷彿とさせるものがありました。

宇野選手。動きは良かったと思うんだけどね。ステップシークエンスのダイナミックな演技は素晴らしかったです。宇野選手の3Aは中国のハン・ヤン選手のように飛距離が出る方なので、その分だけタイミングを取るのが難しそうです。決まれば加点はがっぽり稼げるのですが。。。

ブラウン選手。彼も26才になったのか。。。私もトシをとるワケだ(・・;)。彼のステップやどこまでも流れるイーグルやバレエジャンプも好きだけど、特に、足変えのキャメルスピンは何度見ても惚れ惚れとします。


エイモズ選手。芸風はブラウン選手と似ています。ブラウン選手のスケーティング美に対し、こちらは器用で工夫に満ちていて楽しませてくれますね。役者やのう。

メッシング選手。29才!若い。衰えを感じません。かれのヌメヌメとした滑りは魅力的です。表情もヌメヌメとしています。見ていて何となく幸せな気分になる演技。


●終わってみれば。。。

まずは、男女シングルそれぞれ、五輪出場枠3を獲得したことは良かったですよね。まさしく選手達の奮闘の賜物です。2枠と3枠とではエライ違いですからね。ありがとうございました。

女子ではロシアの圧倒的な強さ、男子ではチェン選手の圧倒的な強さが際立った大会でした。

「安倍1強」じゃないけど、この先10年くらいは「ロシア女子1強」の時代が続くと思います。次のトップスケーターの予備軍としてのジュニアにも有力選手が目白押しです。

これよりレベルが落ちて、日本とアメリカ、そして韓国が続くといったところでしょうか。

残念ながら紀平選手は調整に失敗したとのことですが、それも含めて実力の内なのでしょう。ピーキングや調整の難しさは誰でも同じと思うからです。

日本女子3選手とも、それぞれの課題が明確になったことは収穫ではないでしょうか。

男子はパトリック・チャンさんの3連覇時代の強さとチェン選手の3連覇が重なります。パトリックの時は高橋大輔選手が、チェン選手の今は羽生選手がいて。

パトリック時代の時、「大輔さんよりPCR、じゃなかったPCSが高いのはおかしい!」「盛られ過ぎ」「大輔選手の良さが正当に評価されていない」とか言われたことが、そのまんまチェン選手と羽生選手のスコアに対しても言われています。ああ、また始まったな、という感じです。

いずれにせよ、一部のファンによる「贔屓の引き倒し」が繰り返されるのは、スポーツに限らず、どのジャンルでも付きもののようです。

そうした中で鍵山選手の銀メダルは快挙ですね。タイプとしてはかつての小塚選手やデニス・テン選手に近い方でしょうか。教科書になるような技にエネルギッシュな動きで魅了する。いや、もう既に2人の先輩を凌駕しているかもしれません。羽生選手の次は「鍵山時代」となるのでしょうか。


エイモズ君やブラウン君の表現力豊かな演技も素敵だったけど、メッシング君の演技は特に痛快だったなあ。彼がアメリカ国籍で出ていた時からその「特異性」に注目していたけど、実に小気味の良い滑りをしてくれます。4回転ジャンプがトゥループ1種ではなかなか表彰台に立てない時代ですが、得点とか順位とか関係無くフィギュアスケートの醍醐味に酔わせてくれるスケーターと思います。

トゥクタミシェワ選手の銀メダル、おめでとうございます!
ジュにニアの頃からずっと見て来たベテラン選手の活躍は感動的です。おまけに日本贔屓と来ているから日本のファンはたまりませんね。

北米の男子選手には日本贔屓の方が何人もいますが、ロシアの女子シングル選手には日本贔屓が多いですね。ソトニコワさんもそうだったし、メドベージェワ選手もザギトワ選手もそうです。引退したポゴリラヤ選手も日本で滑るのが楽しい、と言っていました。日本のファンは国に関係無く平等に応援するからか?しかも、日本で開催される大会はどれも満員御礼だから選手達には張り合いもあるのかもしれませんね。


ペアでは久し振りに三浦・木原組のフリー演技を見ましたが、驚きました。木原選手が非常に上手くなっていると思いました!リフト、スピン、ツイスト等、ひつつ一つの技から技への移行がスムーズに流れて行くようになっていませんか?ジャンプで2つのミスがあっての10位はなかなかのもの。お二人の相性は良さそうですね。


☆ジャンプの回転不足判定については、回転不足の多い順に、

①180度以上の不足:ダウングレード(DG)
②90度以上180度未満:回転不足(UR:アンダーローテーション)

とあって、ジャンプの基礎点が減ぜられ、加点もマイナス評価となります。

これに新ルールとして②の下の、
③90度の回転不足:「q」マークがつき、基礎点はそのままだけど加点は減ぜられる

が設けられました。

つまり、②ほどではないが90度回転が足りないのもチェックされるということです。

これについてはファンの間では賛否両論があります。

「細か過ぎて分かりずらい」「技術役員はちゃんと判定出来るの?」という批判や、「前向きに考えれば選手救済のシステムだよ。基礎点が減ることがない。これまでだったら「アンダーローテ」で減らされたのだから」とか。

どうなんでしょうね。

選手やコーチにとってはどうなのか、知りたいところです。




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2021.03.24 | | コメント(10) | トラックバック(0) | フィギュアスケート・大会



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プロフィール

片割月

Author:片割月
和歌を愛し、音楽を愛し、花を愛し、神仏を尊び、フィギュアスケートが大好きで、歴史・社会・文学が大好きで、ジョン・レノン、八代亜紀、ちあきなおみが大好きで、クリント・イーストウッドと映画も好きで、皮肉とユーモアも好きな変わり者熟女(四十路半ばを過ぎた)ですが、よろしくお願いします。

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