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シューベルトの名曲・ピアノ三重奏曲1番変ロ長調:狂おしい程の情熱







この曲は、「未完成交響曲」や、歌曲の「野ばら」「ます」「菩提樹」「セレナード」等と比べると、あまりポピュラーではありませんが、シューベルトの指折りの名曲です。

シューベルトが死の1年前、1827年に作曲したものです。

ここでお借りした動画は、第二楽章のアンダンテです。

身も世もない程の切なさ。狂おしさ。

ただ一途に何かを求めずにはいられない切迫した心。

単にメロディーが美しい、というのではなく、恐ろしいまでの情感がうねっています。

恐ろしいまでの情熱だからといって、大音量で大袈裟な音楽が流れるわけでありません。

反対に、わずか3つの楽器で、静かな、抑制の効いた音楽だからこそ聴き手の心に強く迫って来るのです。

わたしなど、このアンダンテを聴くのが辛くなり、途中で止めてしまうこともあります。

あまりに感情が昂って。。。

これこそがシューベルトの特長の一つでしょう。


実は、私が最近ハマっている中山可穂さんの小説、「弱法師」の中の3番目の短編、「浮舟」で、このアンダンテが、ある種のモチーフにもなっているのです。

「弱法師」「卒塔婆小町」「浮舟」の3つの短編集です。

御覧のように、有名な謡曲をモチーフに、現代にアレンジした小説です。

もっとも、原作からはちょっと遠いものになってはいますが。

それぞれが素敵なのですが、特に、「浮舟」が素晴らしい作品です。

中山可穂さんの小説については、近々、記事に取り上げるつもりです。



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2019.04.03 | | コメント(20) | トラックバック(0) | 音楽



コメント

承知しました!

片割月さまの熱意がわたくしめに十分伝わなりました‼️ありがとうございます。
必ず拝聴しますので、週末までお時間下さいませ(* ^ー゜)ノ

2019/04/03 (水) 17:00:23 | URL | はぴらき #- [ 編集 ]

Re: 承知しました!

はぴらき様、ありがとうございます!


中山可穂さんですが、

私の前宣伝に熱が入ってしまい、

過剰な期待を持たせてしまったとしたら、すみません。

実際に、読まれてみて、な~んだ、期待したほどじゃなかった、

なんてこと、よくありますので(^_^;)

小説、ドラマ、音楽、料理、などは、

個人の好みが色々と分れるものですしね。

2019/04/04 (木) 00:08:01 | URL | 片割月 #- [ 編集 ]

"音楽"

(^^♪Moonちゃん♪

(^^♪ハロー♪

SPやFSの時間にぴったりサイズの編曲なしの完全プログラムを既存の曲から探してみるのもいいかも~♪☆☆☆

2019/04/04 (木) 12:45:08 | URL | (^^♪ファントム #- [ 編集 ]

ご紹介、ありがとうございます

 片割月さま、ご本の紹介ありがとうございます。
 とても、面白そうですね。三島由紀夫の「近代能楽集」を思い出しました。

 能楽自体がある意味、倒錯した世界を描いていますものね。「弱法師」や「卒塔婆小町」は難曲(秘曲)とも言われる作品で、かなりの技量を持った方でないと演じられません。ついでに言うと、観る側にも高い意識が求められる様に思います。(中々理解出来ない・・・)
 小説の題材として、面白い物でもあるし、難しい物でもありますよね。ある意味、挑戦的な作品なのでしょうか。
 美しさが単に若さや見た目だけでない、というのが、花伝書の「時分の花」と「真の花」ですね。老女を描く事が真の美だというのは、凄く逆説的だけど、魅力的でもあります。能楽の身体の使い方自体が、通常とは違いますから。
 興味ある事なので、ついつい書いてしまいます。
 能楽を学ぶ事は、職人の技と同じで、技術を習得する事を優先します。だからついつい、謡本や動きばかり気にして舞台を観てしまう。勉強熱心であるけど、本質に迫るには、逆に駄目な場合もありますね。 

2019/04/04 (木) 19:11:04 | URL | まるさん #X91rLkcY [ 編集 ]

Re: "音楽"

ファントム様、こんばんは^^

> SPやFSの時間にぴったりサイズの編曲なしの完全プログラムを既存の曲から探してみるのもいいかも~♪☆☆☆


それそれ!!そうです。(^_^)/

実は、私は浅田真央さんや安藤美姫さんに、ファントム様の基準で「この曲で演じてくれたらなあ」と、

色々と候補曲を夢想したものです。残念ながら、かすりもしませんでしたが(^_^;)

今の現役の日本女子スケーターに、そういう夢想を抱かせてくれる女子選手があまりいないなあ。。。

樋口新葉選手くらいかなあ。

彼女にだったら、何曲か候補があるんですけどね。。。


2019/04/05 (金) 01:57:37 | URL | 片割月 #- [ 編集 ]

Re: ご紹介、ありがとうございます

まるさん様、こんばんは^^

そうそう!

謡曲なら、まるさん様の出番ですよ~(^o^)

中山可穂さんは、「弱法師」の次にも、

「悲歌」という同じ趣向の短編集があります。

これには、「隅田川」「定家」「蝉丸」の3本が入っています。

こちらも素敵ですよ!


私も三島由紀夫の「近代能楽集」を読んだことがあり、こちらも面白かったと記憶しています。

過剰期待させては申し訳ありませんが、

まるさん様にも、是非とも、これらの小説を読んで頂きたいです。

そして、まるさん様のご感想を聞きたいものです。

もちろん、批判でも、期待外れでもかまいません。


中山可穂さんは、同性愛を扱っている為か、あまりメジャーな小説家ではないようですが、

(その代わりに、熱烈なファンもいるようです)

私は、もっともっと、高く評価されても良いと思っています。

2019/04/05 (金) 02:05:37 | URL | 片割月 #- [ 編集 ]

その人の喜びも悲しみも、その人のハートだけの大きさである

片割月様


>あまりに感情が昂って。

古文は苦手ですが、田辺聖子さんの関西弁特有の軽妙な解説がたのしく、小倉百人一首の解説を読んでいたら、和泉式部の項に、
(詩歌は)その人の人生のキャリアに応じたひびきを返してくれる。まことにサマセット・モームの言う如く「その人の喜びも悲しみも、その人のハートだけの大きさである」

アートというものはそういうものだと思います。
たくさん読んだり聞いたり観たりされている片割月様はハートが大きいから あまりに感情が昂って。。。  ということになるのです。

私は、モームのように哲学的ではく物理的にもそう思うことがあります。
簡単な例が、ドイツのあのルードビッヒ2世の建てたお城。若いころ何の知識もなくただ眺めた時は、歴史的な背景も浅いしただ、「これかディズニーのお城のモデルか」でで写真を撮ってきた。
ところが近年、ワグナー(ワーグナー? ヴァーグナー?)のオペラを多少なりとも知るようになって訪れたら、各部屋の壁画はワグナーのオペラの場面だとすぐにわかるし、白鳥はロエングリーンから、リンダホーフ城にあるタンホイザーが愛欲の生活を送った洞窟にまねて作った洞窟に入るとタンホイザーの曲がかすかに流れ、白鳥の船が浮かんでいる、、、
ワグナーを知らないときには何も気が付かなかったことばかり、、、
 
知らないということは何を見ても猫に小判か豚に真珠か、、、感動も少ない。

 

2019/04/05 (金) 05:35:25 | URL | kan kan #E0/upmTg [ 編集 ]

Re: その人の喜びも悲しみも、その人のハートだけの大きさである

kan kan様、こんばんは^^

モームがそう言ってたんですか。。

なるほどなあ。

一理あるかも。

年齢と共に、桜や梅をより美しい、愛しい、と思うようになりましたね。これも同じ心の働きかな。

しかし、若い頃にはもっと感動したようなものが、大人になるにつれ、
あまり感動出来なくなるという、逆行現象もありますよね。

「伊豆の踊子」など、高校生の頃に読んで泣けたけど、大人になって再読したら、何故か、それほど感銘を受けなかったわ。
いや、素敵な小説に変わりはないんですが。

>知らないということは何を見ても猫に小判か豚に真珠か、、、感動も少ない。

修学旅行で奈良や京都の寺院や仏像を見ても、さほど感動しなかったのが、
中年になって、多少は仏教のことも知るようになると、素晴らしいと思うことがありますよね。これと同じかな。

あとは、関心を持って見る・読む・聴くのと、そうでない場合との差もありますね。

また、理屈ではなく、

ある時、大袈裟に言えば、何かの天啓のごとく発見があり、突然、感銘を受けるものって、ありますよね。

2019/04/07 (日) 01:07:15 | URL | 片割月 #- [ 編集 ]

伊豆の踊子

片割月様


>伊豆の踊子」など、高校生の頃に読んで泣けたけど、大人になって再読したら、何故か、それほど感銘を受けなかったわ。

薫の年齢に近い多感な女子高校生が読むのと、”四十女”が読むのとでは、やっぱり、、
今だったら、「ばかだ。この子は。」と、アラフォー女が笑った、、、ですかね~。アラフォーよりもっと上かな?(笑)


>何かの天啓のごとく発見があり、突然、感銘を受けるものって、ありますよね。

ですね。 でもそこに至るまでの蓄積があってのことだと思います。

2019/04/07 (日) 11:12:03 | URL | kan kan #E0/upmTg [ 編集 ]

拝聴&拝読しました!

聴きましたよ!スマホの容量が切れてしまい何回も繰り返して聴くということはできていないのですが、片割月さまの言わんとしていることは及ばずながら理解できたと思います。
ショパンのような甘さやベートーベンの激しさもないのでうっかりと聴き過ごしそうになりますが、半ばの転調する辺りのピアノの旋律がいちばん好きかもしれません。でも主旋律はあくまでもチェロなんでしょうか。弦が歌っているみたいにも聞こえる。

中山可穂さんの描く世界も青い炎が燃えている感じ。
実は、先に借りた、男役、娘役、銀橋の宝塚三部作は宝塚のフィルターがかかったせいか、宝塚への遠慮のせいか、片割月さまが語る情念の世界は描ききれていなかったのですよ。
おまけに「役不足」という言葉の誤用が読み始めてすぐ出てきて、どうにも受け入れ難く(;^ω^)
しかし、「悲歌」を改めて借りて読み、あーこれかと。おっしゃるとおり面白い。もっと中山さんの決定的な力作を知りたいと思いましたもん。謡曲をモチーフに、愛を描くスタイルは初めて読みましたし。
宝塚を描くことは、中山さんには役不足だったんでしょう、笑。
いちばんのお勧めの弱法師は予約中です。
また感想を書きますね。

しかし「蝉丸」の主人公には、はっきりしろ‼️と叱咤したくなりました。結婚なんて、いちばんしなさそうな人なのに、唐突に出てくるし。アルコールワットで出会えるよう願わずにはいられませんでしたわ。そこまで描かないのが、中山さん。たぶん書いてくれそうなのが(ハッピーエンドにしてくれそうなのが)村山由佳さん。

2019/04/07 (日) 23:26:00 | URL | はぴらき #- [ 編集 ]

Re: 伊豆の踊子

>”四十女”が読むのとでは

気がつくと、四十路半ばの冬が過ぎ、春を迎えて。。クッ。。。(-_-;)

2019/04/08 (月) 01:08:48 | URL | 片割月 #- [ 編集 ]

Re: 拝聴&拝読しました!

宝塚三部作は、中山さんの本流ではなく、支流ですからね。。。

ちょっと、少女マンガ風のストーリーの大人版みたいな感じもありましたでしょ。

速いねえ。。。もう読んじゃったの(・・;)

>もっと中山さんの決定的な力作

私的には、

やはり、本流の「猫背の天王子」「天使の骨」「愛の国」の三部作であり、

「弱法師」の他には、

「感情教育」と「サグラダ・ファミリア」かな。

濃厚でありんすよ。

私が手元に持ち、後で読むのを楽しみにしているのが、中山さんの最大の長編作「ケッヘル」です。

もちろん、モーツアルトが関係しているんでしょう。

ミステリーの味わいもあるらしいので、なお楽しみです(^_^)/

2019/04/08 (月) 01:26:08 | URL | 片割月 #- [ 編集 ]

メジャーとマイナー

 片割月さま、こんにちは。

 中山可穂さんの「マラケシュ心中」を読みました。
実に濃密に「愛」を突き詰めて描いていますね。寧ろ男女間の愛よりも、世俗の事が介在してこないだけ、純粋さを求めるのかもしれません。

 通常の人は、ごく普通の生活しか出来ませんね。燃える様な恋愛も、犯罪行為も逃避行も経験する事はまずない、と思います。でも、こうした愛に関しては、通常の不倫などよりも、さっき述べた要素が絡む事になります。危険度の高い愛なのでしょうね。
 それと少し、気になったのは、「ヘテロ」と言われる女性が男性に対して、強い憎悪と蔑みを抱いている、という事です。何だか、男性への憎しみがこうした愛に誘われるという事なのかしら、と本末転倒な事を考えてしまいました。
 
 全然、関係ない事なのですが、三十数年前に習っていた女性の能楽の先生が観世流を目の敵にしていた事と重なるような気がしました。マイナーである事のコンプレックスが、メジャーへの憎しみになる。どこかで、どうして、こういう状況に置かれているのだろう。……自分が陽の当る所にいられない事が悲しい。なんか違うのかもしれないけれど。

 この作品では和歌が沢山出て来ます。主人公が歌人だから。和歌は情熱的ですね。迸る情念が三十一の文字に閉じ込められるのが、何とも言えないです。これも能楽の抑えた表現と重なるなあと思います。

 今度はおススメの作品を読めるのでコメントしますね。こういうタイプの作家は好みですよ。ちょっとタイプは違いますが、恩田陸の「木曜組曲」と重なる所がありました。恩田さんはもっとお行儀のいい、優等生タイプですけどね。文学でも陶芸でも、対象に耽溺するって、恋愛と似た気持ちだと思います。同性のスケーターやアイドルを好きになる事も、広い意味ではこういう恋愛と繋がるのかな…。

 多分、初夏の頃に、「弱法師」などの能を観る機会がありそうです。別の視点で見る事が出来るかもしれません。

2019/04/14 (日) 17:08:50 | URL | まるさん #X91rLkcY [ 編集 ]

Re: メジャーとマイナー

まるさん様、こんばんは^^

「マラケシュ心中」…実は、これ、私はまだ読んでいないんです(/_;)

図書館にも中古本店も探しまくっているのですが見つからず。

まる様の感想を読み、一段と読みたい欲求が増して(^_^;)

>寧ろ男女間の愛よりも、世俗の事が介在してこないだけ、純粋さを求めるのかもしれません。

そうそう!そこなんですよ!!

>「ヘテロ」と言われる女性が男性に対して、強い憎悪と蔑みを抱いている

どうなんでしょう。

ヘテロは異性愛者のことですから、いわゆる、多数派のメジャーですよね?

ホモセクシャルとバイセクシャルが少数派のマイナーで。

>女性の能楽の先生が観世流を目の敵にしていた事と重なるような気がしました。マイナーである事のコンプレックスが、メジャーへの憎しみになる

これは奥が深い問題ですよね。

社会学、心理学、ジェンダー、そして文学のテーマになり得るものですよね。

今から100年以上前までは、モーツアルトは西洋でもマイナーな存在だったようで、

モーツアルト好きの音楽専門家や文学者の中には、モーツアルトを愛するがゆえに、

メジャーであるベートーヴェンやワーグナーをボロクソに言う例がありました。

これも同じような心理かと思います。


>恩田陸の「木曜組曲」

たまたま、ブログ友のはぴらき様から、「蜜蜂と遠雷」を勧められているところです(^o^)
かなり長編なのでじっくり読むつもりです。

「木曜組曲」は、まるさん様の評価が悪くなさそうなので、次に読んでみようかしらね(^_^)/

2019/04/15 (月) 00:41:12 | URL | 片割月 #- [ 編集 ]

恩田陸

 片割月さま、こんばんは。

 そそっかしい私なので、バイセクシャルとヘテロを勘違いしてました! 私が言いたかったのは、前者の事です。「マラケシャ心中」にも出て来ますね。
 自分に関わる男性を滅ぼし、ヒロインを苦しめる魔性の女が出て来ますよ。私の一番嫌いなタイプの女だけど。余り、話すとネタバレになるからやめますけど。

 恩田陸さんの「蜜蜂と遠雷」は私もおススメします。音楽が作品から響いてくるような素敵な作品です。私は、恩田さんの作品はデビュー作の「六番目の小夜子」の頃から、ずっと読んでいます。どちらかというとファンタジー&ミステリの合体系、心理サスペンスの魅力もある実力派です。
 ただ、片割月さまの好みかどうかは私は判りません。端正でロマンチックな雰囲気の中に、ドロドロした心理や怖さを含んでいる様な気がします。
 「木曜組曲」は十数年前に映画にもなりました。
 不思議な死を遂げた女流作家を悼んで集まる女たちの心理戦。その女流作家と同居してた編集者との関係が同性愛っぽいんですね。(そうは書いてないけど)それだけでなく、文学の世界の奥深さを教えてくれる作品だと思います。
 

 
 

2019/04/15 (月) 22:02:27 | URL | まるさん #X91rLkcY [ 編集 ]

Re: 恩田陸

まるさん様、こんばんは^^

恩田陸さんの件、ありがとうございます!

いいえ、私もそそっかしくて、説明不足があります(^_^;)

実は、恩田陸の小説は、

「六番目の小夜子」「光の帝国」「夜のピクニック」の3つは読んでいます。

最初の2冊までは面白かったのですが、

3冊目に読んだ「ピクニック」が全くつまらなかったので、それっきり恩田さんの小説は読んでいませんでした。

しかし、はぴらき様やまるさん様のお話から、また読んでみようと決めました(^_^)/

「蜜蜂と遠雷」はクラシック音楽趣味の私にはうってつけですね。既に中古本を買ったので読み始めています。

この直前に奥泉光の「シューマンの指」を読み終わりましたが、

これも、クラシック音楽+ミステリーで楽しめました。

「木曜組曲」も読んでみますね。


このところ、ハードボイルド系ばかり読んでいたので、
女性小説家の小説を読むと、「我が家に戻った」ような、「ほっとした」ような心持になります。

2019/04/16 (火) 01:10:29 | URL | 片割月 #- [ 編集 ]

謡曲も創作

 片割月さま、こんにちは。

 「弱法師」「悲歌(エレジー)」を読みました。
物語としては、芯として謡曲があるけれども、原作に縛られる事も無く、逆に想像の羽根を広げて、別個の(どこか繋がる所はあるけれども)創作物を作り上げたのですね。
 人物造形も物語の展開も美しく、力強く、悲しい物だと思います。凄い作家ですね。
 私も「浮舟」と「蝉丸」が一番好きかな。中山さんは、美しく物憂い少年を描く時、もっとも、筆が豊かになるような気がする。
 性が確定する前の両性具有の様な美しさに惹かれる方なのでしょうか。「蝉丸」の声変わりに関する記述も興味深かったです。

 世阿弥も美少年であった頃、「蝉丸」の様な儚い魅力を感じさせるものだったと思わせる物でした。でも当然ながら、その美しさは成長と共に、消えて行きますよね。世阿弥が「見た目の美しさ」よりも「内面の美」を追求していくのは、その美に今度は自分が耽溺する事を怖れていたかもしれませんね。

 中山さんが「卒塔婆小町」というテーマに挑戦したのは、凄いと思いますが、深町少将への思い入れが強くて、小野小町への思い入れとか描き方が足りないのかもしれません。老女に興味がないから、かも。
 小町は歳を重ねても、凄絶な美を見せます。それがこの演目の肝だと思いますから。

 能楽の謡本にはあらゆる情報があり、それを読み解く事で本当の世界、また、今までの思い込みを脱して別の世界にも誘って貰える。私の先生は口癖のように言っています。ただ、勉強の為だけでなく、面白くて実に興味深いです。謡本を紐解くと美しいリズムと音程が存在しますし、詞書にも工夫があて、美しい表現や演劇的な要素、文学的な造形、和歌を中心とした本歌取りの技法が随所にあります。
 実際に口ずさむ事で旋律がいかに美しいかが判る。それを能楽鑑賞事前レクチャーなどで学ぶ事で、はっきり、理解出来ますね。実際のお稽古では、技術の習得で一杯一杯で、それどころではありませんが。
 能の謡本は、それ自体が優れた創作物です。そしてそれを空間で演じる事で新たに奥深い世界を見せることが出来る。宝塚などの脚本を扱っていた中山さんがこの素材に目を付けるのは当然と言えば、当然だと思います。宝塚も能も倒錯の美である事は同じですから。

 平安から、琵琶って、今でいうギターみたいなものでしょうね。平経正という琵琶の名手が源平合戦で亡くなった後、自分の持っていた青山という名器を供養する法要の夜に亡霊として現れる物語。「蝉丸」を読んでいると何故か「経正」を思い出していました。丁度、勉強している所なので。

 物凄く長くなってしまってごめんなさいね。
 感銘が上手く整理出来なくて…。
 

2019/04/18 (木) 09:32:01 | URL | まるさん #X91rLkcY [ 編集 ]

Re: 謡曲も創作

まるさん様、こんばんは^^

「弱法師」、ご満足されたでしょうか。良かったです。

小説や音楽や食事というのは、人の好みが物凄くでる分野ですからね。

「浮舟」の薫子さんは魅力的ですよね。

薫子、という名前を見ただけで、う~む、となります(●^o^●)



>中山さんは、美しく物憂い少年を描く時、もっとも、筆が豊かになるような気がする。

さすが、鋭いです。

彼女のデビュー作である「猫背の王子」の主人公、ミチルは、まさしく、少年のような女性なのです!

ミチルのような人間は「感情教育」にも登場します。

やはり、中山可穂さんの大柱みたいな存在なのでしょう。

ここから、まるさん様の言う、「宝塚も能も倒錯の美」のような中山可穂の世界が創られているんでしょうね。

ちなみに、歌舞伎も「倒錯の美」でしょうか。


私の手元には、松岡心平著「能・狂言を楽しむ本:カルチャー図解」(主婦と生活社)があり、

まるさん様のコメントを読みながら、付け焼刃のお調べをしています(^^ゞ

以前、初めて国立能楽堂で能を観賞する時に前知識として買ったものです。


囃子方の小太鼓片・大太鼓方・笛方なども、興味をひかれますね。

西洋のティンパニやロックのドラムとは異なり、

ゆったりと太鼓を叩くだけなら簡単そうに見えますけど、「いよ~~ッ」と声も発しなくてはいけないので、

これは大変そうですね。やはり、年季が求められるのかしら。

囃子方に老人が多く、若い人はなかなか登場しないのも、人で不足ではなく、未熟では出せないということでしょうか。

2019/04/19 (金) 01:24:07 | URL | 片割月 #- [ 編集 ]

リズムを取るのは囃子方

 片割月さま こんにちは。

 能楽の囃子方の重要性にお気づきになるとは、流石は月さまですね。仰るとおり、能楽の囃子方は能の根幹をなすものです。

 能が始まる前に、まず、笛の音から始まりますが、これは「次第」という出囃子の様なもの。ここから、能が既に始まっているのだ、と思って下さっていいですよ。

 クラシック(西洋音楽)のスコアと同じに、囃子方のスコアがあります。上級者になればなるほど、笛や鼓、太鼓のリズムと合わせる技術が必要になります。
 つまり、実際の流れを作っているのは囃子方なんです。
だから、ただ、謡を謡うのでなく、間や余韻を壊さない様に謡が合わせて行く。もっと言えば、謡が、囃子方の邪魔をしない様に、盛り立てる様に謡うのが基本です。
 ちなみにプロの先生方は、皆、囃子方に入門してある程度の技量を身に付けるんだそうですよ。私の先生は笛の森田流の先生についていたそうです。
 掛け声も適当にいれるのではなくて、譜面に「イヨー!」「ハァー」「イヤァー」と書いてある。他の囃子方、謡、演者との呼吸を合わせる為に必要なんでしょう。指揮者がいないので、演者同志でリズムやタイミングを伝える物なのだと思います。
 とは言え。私はまだ、囃子を入れた演目をやれてないので、もっと頑張ってお稽古しないと、ですね。

 馬場あき子さんの和歌に「伊達政宗は太鼓の名手なり」とかいうのがありましたね。政宗も多分、仕舞や謡の名手でもあったんだと思います。
 馬場さんは能楽愛好者でよく、公演の時にレクチャーする役として出て来られます。優しく凛とした雰囲気で能楽の良さを語って下さいますが、こういう語り部のように伝えて下さる方、本当に貴重ですね。
 すみません、長々と駄文を連ねてしまいました。

2019/04/23 (火) 11:15:52 | URL | まるさん #X91rLkcY [ 編集 ]

Re: リズムを取るのは囃子方

まるさん様。

とんでもない。

まるさん様の「長々とした駄文?」は楽しく、とても参考になりますよ(^_^)/

囃子方についてのお話、なるほどなあ。大変なんだなあ。

やはり、能の美の道は、根気と努力と模索と研究の日々なんでしょうね。

それだけに、観賞する側にも一定の勉強が求められる芸能なんでしょう。

そして、能の美に触れた時の感銘は忘れられない。

2019/04/24 (水) 01:35:30 | URL | 片割月 #- [ 編集 ]

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片割月

Author:片割月
和歌を愛し、音楽を愛し、花を愛し、神仏を尊び、フィギュアスケートが大好きで、歴史・社会・文学が大好きで、ジョン・レノン、八代亜紀、ちあきなおみが大好きで、クリント・イーストウッドと映画も好きで、皮肉とユーモアも好きな変わり者熟女(四十路半ばを過ぎた)ですが、よろしくお願いします。

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