日本人と戦争




「日本人の価値観・世界ランキングから読み解く」(中公選書)より。

「自国のために戦う人の割合」の世界ランキング。

質問「もう二度と戦争はあって欲しくないというのが我々すべての願いですが、もし仮にそういう事態になったら、あなたは進んで自国のために戦いますか?」

選択肢:「はい」「いいえ」
データ:「はい」の割合(%)
註:「わからない・無回答」は除く
調査時期:1995~2008年
国・地域数:90ヶ国
資料:WVS第3回~第5回調査

「はい」のワースト6ヶ国は以下の通り。ほかの国はほとんどが50%以上。60%以上の国は72ヶ国。

85位 イタリア 43.4%(2005年)
86位 アンドラ 41.1%(2005年)
87位 ベルギー 39.3%(1999年)
88位 イラク  37.2%(2006年)
89位 ドイツ  34.0%(2006年)
90位 日本   24.6%(2005年)

もちろん、このデータとて完全なものではない。国民全員に聞いたのではないし、聞かれた人がみな正確に真剣に答えたとは保証出来ない。しかし、概ねの傾向はつかめると思う。

この本は時々目を通すが、なかなか面白い。

日本の数字は際立っている。実に頼りない結果だ。大丈夫なのか、日本は。
何故、こういうことになるのだろうか?

分析のヒントとして、日本ほどではないにせよ、「はい」の割合の低い他の国々を見ると参考になりそうだ。

イタリア、ドイツ…日本と同じく第二次世界大戦の負け組だ。イラクは多国籍軍にあっけなく負けた。

一つ目の理由は、戦争に負け、負け組の悲惨さを味わい、散々苦労しウンザリしているからであろう。厭戦気分と敗戦のトラウマは今も続いているか。

二つ目は、日本が憲法で戦争放棄を掲げている影響が大きいのではないか?これは日本の特殊事情だが「進んで戦う」と回答するブレーキになっていると思う。

三つ目は、日本は平和ボケして、若い男性がヤワになったからではないか。女の尻をひたすら追いかける彼等の姿を見ていると、「これじゃ、とても兵隊としては役に立たないだろうし、勝てるワケがない」との意見もある。保守的な政治家や評論家が言いそうな理由だ。

私は三つ目の意見には態度留保である。嘗て日本軍はアメリカを「民主主義で堕落した弱い国」と見下していたのではなかったか?それも失敗の原因だったのではないか?これを今の日本に当て嵌めるのは、同じような誤りを今度は自国に対して犯すことになるのではないか?

私の三つ目の理由は、「進んで自国のために戦うかは分からない」人が多いのではと推測する。つまり、「はい」とは答えなかったが、それは「いいえ」ではなく「命令があれば当然戦うべきだ」とする若者は多いと思う。これが日本的な姿だと思う。

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2012.06.06 | | コメント(3) | トラックバック(0) | 政治・社会



コメント

Re: タイトルなし

きれじろう様、こんばんは。

陸軍参謀だった辻政信も「ムカつく」に入ると思います(^。^;)

命令一つで多くの部下を犬死にさせておいて、自分達はのうのうと生き残るわけですねヽ(`Д´)ノ

こういう方面では、政治家や評論家にも「威勢の良い人」がいますね。

自分達(及び自分の息子)は一番安全な場にいて、戦場の最前線に出ることがないだろうから。

最も命の危険に晒されるのは、いつも庶民や弱者です。

第二次世界大戦、太平洋戦争の本を読む度に腹が立つのは、ガダルカナルやインパールで多くの日本兵を餓死さ

せたり、食うや食わずの状態で兵士に重い大砲を抱えさせて、三千メートル級の山や峠を超えさせたり、味方の

兵士に対する「非人間的虐待」がいたるところであったことです。

話せば長くなりますが、最近は、大日本帝国の戦争を「正当化」する潮流がマスコミでもネットでもしばしば見

られますが、私には全く理解不能な恐ろしい論調です。

2012/06/06 (水) 21:33:27 | URL | 片割月 #- [ 編集 ]

何のために戦うのか?

人が戦う場合、その理由はさまざまだ。

自己の財産を守るため。
自己の命を守るため。
愛する者の命を守るため。
自己の信念を守るため。
自己の名誉を守るため。
自己の生まれ故郷を守るため。

これらとは逆に、他人の物を奪うためというものも存在する。

国の戦いの場合は、守るためなのか奪うためなのか、その理由がはっきりとしない場合が多い。
それは国の統治者の利益であり、各人の利益につばがるとはいえない場合も多いことを先の大戦で日本人は痛感している。

何のために戦うのか?

自分の生活周辺にかかわらない限り、統治者が変わろうとも、政治システムや経済システムが変わらないのであれば、個人レベルでは命を賭してまで、国という実態のつかみにくいもののために戦うことは難しい。

これは島国の場合は特に顕著だと思われる。

地理的に、周辺から隔離されており、人や物の交流が誰にも知られずに行うことは、物理的に難しいからだ。

そのために国境を守るという意識が、国境線が目に見えない大陸に住む国民とは決定的に違うといえるだろう。

要は自分の縄張りを自分たちで主張しなければ、すぐに侵食されるような国とは根本的な概念が違うといえる。

したがって何のために守るのかという意識が希薄となる。

ほおって置いても、国境線が移動することはありえないからだ。

これが例えば、朝鮮半島のように、同じ地域内で人為的に国境線を引かれるということにでもなれば、話は別になるだろう。

個人レベルにおける所有権や財産権や生存権が確実に侵されるという明確な理由が存在するならば、一つの闘う集団となることは予想される。

国のためではなく個人のために戦うというのが、戦争への参加意義となるのであれば、このアンケートの答えもおのずから変わると思う。


「宇宙戦艦ヤマト」ではないが、愛するものを守るために戦うというのが、もっともありがちな理由だろう。

第二次世界大戦で散って行った多くの戦死者(特に特攻隊の理由はその遺書からも推測される)は上記の理由によるものが大半だと私は考える。

2012/06/07 (木) 11:32:25 | URL | バルタントモゾウ #- [ 編集 ]

Re: 何のために戦うのか?

バルタン様、こんばんは。

詳細なご意見、感服仕りましたm(__)m

島国であるがために、「黒船」でも来ない限り、なかなか危機感を抱くのが難しい地理的環境にありますね。

>愛するものを守るために戦うというのが、もっともありがちな理由だろう

愛する日本民族を守るためか、敬愛する天皇陛下をお守りするためか、愛する日本国を守るためか…。

国と国の戦の場合、大義名分はたいてい、この3つの複合でしょうね。

しかし、個人の心は、バルタン様の列記された内容のいずれかに、思いを馳せるのでしょう。

戦う理由には他に、怒り、復讐、憎しみ、差別等、ネガティブな感情もあると思います。

案外、これらは戦うモチベーションの上で、心に占める割合が大きいような気がします。

2012/06/07 (木) 21:42:41 | URL | 片割月 #- [ 編集 ]

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片割月

Author:片割月
和歌を愛し、音楽を愛し、花を愛し、フィギュアスケートが大好きで、歴史・社会・文学が大好きで、ジョン・レノン、八代亜紀、ちあきなおみが大好きで、クリント・イーストウッドと映画も好きで、皮肉とユーモアも好きな変わり者アラフォー熟女ですが、よろしくお願いします。
最近は体力をつける為に、休みの日はえっちらおっちらとミニハイキングに勤しんでいます。

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