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縮み志向とは


「縮み」志向の日本人 (講談社学術文庫)「縮み」志向の日本人 (講談社学術文庫)
(2007/04/11)
李 御寧

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今から30年前に書かれた日本人論だが古さを全く感じさせない。

韓国人学者の手による論文なので、日本文化に批判的でネガティヴな内容と思ったが、そうではなかった。
著者は日本人の文化的特徴である「縮み志向」を示すキーワードとして「込める…」「折り畳む…」「握る…」「削る…」「詰める…」「凝らせる…」などを挙げる。
例えば「詰める」に当たる「弁当」、「握る」に当たる「おにぎり」の食文化は中国や韓国にも見られ、決して日本のオリジナルではないにせよ、日本ほど発達した国はないらしい。

団扇が大陸から日本に伝わると、日本人はこれを縮めて折り畳める「扇子」を発明する。扇子は日本のオリジナルである可能性が高いらしい。

扇子は実用品としてよりも宮廷におけ儀礼品、服飾品、美術品として発展する。扇子に描く繊細緻密な絵画も発達する。やがて能の小道具にもなる。送風器としての実用品化は江戸時代に入って庶民の間にも広まったらしい。
著者はここに日本人特有の縮み志向の典型が見られると言う…。

以上の主張は説得力があった。目からウロコとはこのことか。

日本ではホメロスのような壮大な叙事詩は創られず、短歌や俳句が発達したのも同じ「縮み志向」と理解出来る。
また、海外の文化や芸術への関心についても、例えばワーグナーの壮大な歌劇よりもショパンの小規模なピアノ曲が非常に好まれるのも「凝らせる・削る」に通じるものがあるからではないか。

しかし、日本にはエジプトのピラミッドに匹敵する巨大な古墳がいくつも存在する。東大寺の大仏も巨大だ。
織田信長が建てた安土城や豊臣秀吉の建てた大阪城も壮大であったという。
源氏物語は世界でも指折りの長編物語ではないか。
これらは縮み志向とは逆の「伸ばし志向」であるが、同じ日本人の手になる創造であり文化には違いないと思う。
これはどう見れば良いのか?

何故かこのことに著者が触れていないのが唯一不満であった。


追記。
著者は特に明記していなかったと思うが、ここで言う「日本人」とは日本にいる民族の分類から「和人」を指していると解釈する。なお、私が「日本人」と言う時は「和人」のことである。アイヌ民族などの少数民族はこの本の著者の主張には入っていないと解釈している。

話は逸れるがアイヌ民族が初めて政党を結成したとのニュースが11月29日付けの朝日新聞で報道された。
仮称はアイヌ民族党とし、参議院選での候補擁立を目指すとのこと。

これは極めて画期的なことだと思う。
民主主義の要諦は多数決原理である。しかし、民主主義の成熟度を示すバロメーターの一つはいかに少数意見を吸い上げられるかにあると私は考える。
アイヌ政党の今後の動向には注目したい。

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2011.12.01 | | コメント(2) | 歴史・文化



コメント

面白いお話ですね

おはようございます、片割月さま。

「縮みの文化」とは面白いですね~~~昭和版「恥の文化」ですな^^
俳句なんて究極の「縮み」ですよね。
世界でも見当たらないのではないでしょうか。
わびさびや日本の茶道も、そぎ落とした美を追求してるし。
懐石料理もそうでしょうか。

古墳時代の前後は、以前お話したジュエリーが忽然と日本から姿を消した時期にも重なり、民族が変わったとまではいいませんが、何かあったのでは・・・と思ってしまいますね。

信長秀吉は日本人らしからぬメンタリティの持ち主で、彼らの作った建造物は日本規格からは外れてるのではないかと^^
(聚楽第は実際見てみたかったな~)
となると紫式部も規格外?


2011/12/03 (土) 10:49:55 | URL | はぴらき #- [ 編集 ]

Re: 面白いお話ですね

はぴらき様、今日は。

> 懐石料理もそうでしょうか。

鋭い。著者は懐石料理には触れていませんが、これも日本的ミニチュア文化の一つでしょうね。

> となると紫式部も規格外?

不思議なのは、著者が源氏物語の中のエピソードを引用している箇所がいくつもあるのです。
例えば、平安期から既にひな人形(これも縮み志向の一種と)の遊びがあった証拠として。

ただし、源氏物語は紫式部ひとりの手になるものではない、複数の作者によって紡ぎ加えられて行ったとする、いわゆる「多作者説」があります。そうすると一種の短編の集まりのようなものになり、若干意味合いが変わるかもしれませんね(私も多作者説に魅力を感じていますが)

最近出版された井川元彦さんの「源氏物語はなぜ書かれたのか」(角川文庫)でも「多作者説」が肯定的に引用されていましたね。この本は井川さんの本を読んできた人には「また怨霊説か。新鮮味が無い」と思われるかもしれませんが、いくつも興味深い考察があるので読ませます。

2011/12/03 (土) 14:04:39 | URL | 片割月 #- [ 編集 ]

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プロフィール

片割月

Author:片割月
和歌を愛し、音楽を愛し、花を愛し、フィギュアスケートが大好きで、歴史・社会・文学が大好きで、ジョン・レノン、八代亜紀、ちあきなおみが大好きで、クリント・イーストウッドと映画も好きで、皮肉とユーモアも好きな変わり者アラフォー熟女ですが、よろしくお願いします。
最近は体力をつける為に、休みの日はえっちらおっちらとミニハイキングに勤しんでいます。

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