未知の文人の著書と出会う楽しみ

osabe_convert_20111217120521.jpg 長部日出雄氏

たまたま長部氏の著書「マックス・ウェーバー物語・二十世紀を見抜いた男」
(新潮選書)を読み、
この人の男っぽい文章が快くていっきに読み終わってしまった。
この時に長部日出雄という名前も著書も初めて知ったのだが、これは凄い人かもしれない
と思った。
長部氏は青森県弘前市出身の作家だが、写真からはいかにも在野の文人とでも言うべき風貌である。
さっそく次に「天皇はどこから来たか」(新潮文庫)を読んだが、これは更に面白かった!

「青森県の三内丸山遺跡から4500年前の巨大木柱出土・20メートルを超す建造物か」
との報道に接したことをキッカケに、長部氏の想像力は逞しく働く。
そこから縄文巨木文化の謎を解く鍵を探し求めて壮大な展開を見せる。
「御柱」をキーワードに長部氏は出雲に、諏訪に飛び「御柱祭」を考察する。
次には伊勢神宮を訪れたかと思うと「二つの高千穂」を求め鹿児島に飛ぶ。凄い行動力だ。

長部氏は巨木柱から縄文時代に「出雲大社のような巨大高僧神殿の存在」が
日本の北と南にもあったのではないかと言うのだ。

この間、長部氏は日本国のルーツは縄文時代に既にあったと考え
「古事記」「日本書記」「風土記」の神話の解明を進めてゆく。
その結論が「高天原は存在する」である。

長部氏は書斎に閉じ込もっていることは無い。
自ら現場に足を運び己の目で見たものを基盤に思考を深め想像を翔かせ仮説を展開するのである。
この間の氏の文章はゴツゴツと質実剛健。形容詞で飾り立てること
なくひたすら真実に至ろうとするストイックな文体が素晴らしいと思った。
ちょっと新田次郎氏の文体を彷彿とさせる。


粘り強い地道な取材と一途な探究心は東北人の心意気でもあろうか。

ひょんなことから長部氏のように古武士的文人の本に巡り会ったことはラッキーでした。
活字中毒な私ですが、なかなかこういう出会いは少ないんですよね。

三冊目に「桜桃とキリスト・もう一つの太宰治伝」(文春文庫)を手に入れた。
ああ、なるほど、同じ青森県出身の小説家ということか。
600ページを超す大作。太宰治はあまり好きになれない小説家だ。
しかし、長部氏の著書なら楽しく読めそうだ。

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2011.12.17 | | コメント(0) | 歴史・文化



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片割月

Author:片割月
和歌を愛し、音楽を愛し、花を愛し、フィギュアスケートが大好きで、歴史・社会・文学が大好きで、ジョン・レノン、八代亜紀、ちあきなおみが大好きで、クリント・イーストウッドと映画も好きで、皮肉とユーモアも好きな変わり者アラフォー熟女ですが、よろしくお願いします。
最近は体力をつける為に、休みの日はえっちらおっちらとミニハイキングに勤しんでいます。

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