明けましておめでとうございます





万葉集から新春の短歌を二首。

新しき年の初めに思ふどちい群れて居れば嬉しくもあるか

物皆はあらたまりたりよしゑただ人は古りにし宜しかるべし


一首目は分かり易くて明快だ。率直な思いが屈託無く表れている。

二首目には屈託と諧謔がある。面白い。
虚空を睨んだ狷介な老人のボヤキが聞こえてくるようだ。
「よしゑ」とは「ええ、ままよ。又はどうにでもなれ」くらいの意。


新春の俳句を一句。

去年今年貫く棒の如きもの   高浜虚子


名句、とする人もいれば、凡句、とする人も居る。

昨年今年は「こぞことし」と読む。
「貫く棒」に諧謔の精神を感じ取れるとすれば、やはり、これは名句であろう。

私なら、

去年今年捏ねくる糠の如きもの

と詠みたくなるところだ。

しかし、これでは「俳句」とは言えまい。
発想が常識的で陳腐だからだ。
可笑しみや滑稽さが無い。
つまり、俳句の柱である諧謔の精神が無い。

去年と今年とは棒で貫くことが出来ても、未来とも貫けるだろうか?

科学が発達しても、人間はたかだが半年先の人類の未来すら的確に読むことが出来ない。人の未来も、政治・経済の未来も、そして、東日本大震災のような巨大な地震も津波も予測出来ないのだ。その証拠に、私達は彼等の説を信じていないではないか。

専門家の警告があろうとも、東京には相変わらず密集した古い木造家屋があちこちに並び、新たな高層ビルが建ち続け、車は増えることはあっても減ることはない。

その意味では、専門家や識者による「未来予測」は占い師による「占い」と同一線上にあると言えそうだ。当たるも八卦、当たらぬも八卦。

「去年今年未来を貫く棒」は無さそうだ。



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2013.01.07 | | コメント(2) | トラックバック(0) | 文学



コメント

万葉集

遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。

万葉集に収められた歌の中で口ずさめるのは、額田王の「茜指す紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る」と、その歌に対して大海人皇子が詠んだ「紫の匂へる妹を憎くあらば人妻ゆゑに我恋ひめやも」の2首です。
中大兄皇子との三角関係だとか、座興で詠まれた歌だとか諸説あり座興説が通説ですが、井上靖の小説「額田女王」でこの歌を知ったので、三角関係説に一票入れたいですね。

2013/01/08 (火) 23:43:23 | URL | なみ #GUa5ypF. [ 編集 ]

Re: 万葉集

なみ様、明けましておめでとうございます。

わあ、額田王と大海人皇子の名歌を口ずさめるとは、素敵ですね(´∀`*)
私は記憶力が悪くて、一度覚えても、すぐに忘れてしまいます(^^ゞ
特に大海人皇子の歌は覚えにくいわ。

>井上靖の小説「額田女王」でこの歌を知ったので、三角関係説に一票

あ、この小説は私も好きですよ~。

ただ、私は余興説に一票かな(^<^)

オープンな席での「際どい」やり取りだからこそ、オツな味わいがあるように思えます。

でも、およそ1300年前に詠まれたこの2首が今日まで色々な解釈を生むのも、名歌の証しでしょうね^^

2013/01/09 (水) 00:04:40 | URL | 片割月 #- [ 編集 ]

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片割月

Author:片割月
和歌を愛し、音楽を愛し、花を愛し、フィギュアスケートが大好きで、歴史・社会・文学が大好きで、ジョン・レノン、八代亜紀、ちあきなおみが大好きで、クリント・イーストウッドと映画も好きで、皮肉とユーモアも好きな変わり者アラフォー熟女ですが、よろしくお願いします。
最近は体力をつける為に、休みの日はえっちらおっちらとミニハイキングに勤しんでいます。

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