私の好きな歌・その12 会津への想い






山本八重(新島八重)が会津鶴ヶ城の開城前夜に詠んだとされる短歌がある。


明日の夜は何国(いづく)の誰かながむらん

              なれにし御城(みしろ)に残す月影


意訳:私は今夜限りでお城(鶴ヶ城)を去らなねばならないので、もうお城から月を眺めることは出来ない。明日の夜からは果たしてどこの誰がこの月を眺めるのだろうか。ずっと馴れ親しんで来たお城に残して行くあの月を。

吉海直人著「新島八重・愛と闘いの生涯」によれば、この歌にはいくつか本文異同が生じているそうだ。「何国」が「何処」だったり、「誰」が「人」だったり、「残す」が「残る」だったり。

しかし、関係者が直接、八重本人に尋ねた時の「証言」などから、上記が正しいとしているようだ。確かに、受動的な「残る」より、「残す」とした方が八重らしい強いたたずまいを感じる。さらに、「何処」ではなく、「何国」とした点にも山本八重の激しい戦意を感じ取れる。

八重の歌が感動的なのは、戊辰・会津戦争に破れて故郷の会津を去る人々の無念さや悲しみに、私達が思いを馳せるからであろう。

ところで、この歌は「荒城の月」を作詞した土井晩翠に強い影響を与えたとの説がある。八重の歌が「荒城の月」のモチーフを形成した可能性があると。




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2013.01.09 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 文学



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片割月

Author:片割月
和歌を愛し、音楽を愛し、花を愛し、フィギュアスケートが大好きで、歴史・社会・文学が大好きで、ジョン・レノン、八代亜紀、ちあきなおみが大好きで、クリント・イーストウッドと映画も好きで、皮肉とユーモアも好きな変わり者アラフォー熟女ですが、よろしくお願いします。
最近は体力をつける為に、休みの日はえっちらおっちらとミニハイキングに勤しんでいます。

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