伊藤みどりさんの知られざる生き方


伊藤みどり トリプルアクセルの先へ伊藤みどり トリプルアクセルの先へ
(2011/12/24)
野口 美恵

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いや~、読み応えがありました。
伊藤みどりさんはフィギュアファンには特別な存在と思いますが案外と知られていないことも多いのですよね。
伊藤みどりさんの生き方は凄まじいですね。
2011年6月、引退した選手やフィギュアスケーターたちによる大会「ISUインターナショナル・アダルト・フィギュアスケーティング・コンペティション」がドイツのオーベルトドルフで開催されました。これに伊藤みどりさんが参加したのです。実に15年ぶりの試合参加。

この大会に参加を決めてリンクに登場するまでの経緯が実に面白かった。みどりさんの心の揺れやテンションの上がり方などが細やかにドラマティックに描かれて臨場感たっぷりでした。
同じ大会に出場した著者は伊藤みどりさんとチームを組んで始終行動を共にしたからこそ書ける内容です。
公式練習中のエピソードとして、みどりさんのループジャンプのフォームの乱れを見た著者がそのことを注意指摘すると「そうだよね。分かってる。私を誰だと思ってるんだ!」と答え、周囲は大笑いだったそうです。

フィギュア界を大きく揺さぶり歴史まで変えたアスリート。なまじ超有名なだけにスケートから離れた後の人生に惱む姿が克明に描かれる。アスリート達の第二の人生は厳しい。「ケイコとマナブ」をめくって就職先を探すことも。「みどりさんほどの元アスリートがそんな普通のことしちゃいけない」との声に迷い惑い彷徨するみどりさんの姿は哀切という他はありません。

フィギュア解説者として活躍した時代は見た目は楽しそうであっても、みどりさんは悶え苦しんでいたそうです。何事もとことん詰めて行く性格なため、テレビ解説で自分の言いたいことがほとんど言えずVTRを見ては自己嫌悪に陥ったとか。時間の制約が厳しい中、視聴者に分かり易くポイントを突いたコメントをするのが難しかった。。。

ここを読みますと普段フィギュアファンがあの解説者はダメとかボキャ貧とか無責任に批判しているのが申し訳ない気持ちになります。

トリプルアクセルを完成するまでの過程も初めて知るようなエピソードが描かれています。
伊藤みどりさんの次のコメントは興味深い「(トリプルアクセルは)とにかくスピードを出して、高く遠くに跳び出て行くこと。そして空中でさらにもう一度上に身体を絞り上げるようなイメージ。とにかくそれだけでした。上に上がる『高跳び』ではなく、スピードを出して踏み切って大きく空中で弧を描く『走り幅跳び』のイメージです」

これを読んだ瞬間、浅田ファンに叱られるかもしれませんが「あ、これは今の女子ではヨナさんの冒頭のコンビネーションジャンプ、3Lzー3Tのイメージかな」と思いました。ハハハ…
伊藤みどりさんも山田満知子コーチもヨナさんのジャンプを絶賛していましたからね。


追記。
この本には使用されていなかったと思いますが、最近メディアで「生き様」という言葉をしばしば見たり耳にしますが、すごく違和感を抱いています。それを言うなら「生き方」でしょう。「死に様」はあっても「生き様」とは言わないと思うのですが。しかし、プロの作家も「生き様」と書いているようですから社会的に公認されつつあるのでしょうね。

違和感といえばグルメや料理番組で必ず使われる「こだわり」という言葉。
「シェフのこだわり」「こだわりの一品」も違和感があります。何故なら「こだわり」というのは「今の考えにこだわる」というように、ネガティブな意味でずっと使用されてきた言葉だからです。しかしこれも「生き様」と同じく公認のようですね。私は絶対に使わないけど。
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2011.12.30 | | コメント(2) | フィギュアスケート・ネタ関連



コメント

こんばんは

私もずっと「いきざま」の使い方に、疑問というより嫌悪感を抱いてました・・・最近だと田村明子さんnumber記事にもありましたね・・・
当たり前のように使われるようになって、ここ10年間はくだらないと思います。
最初は「ある男の生き様」のように、ハードボイルドよろしく面白い言い方をしたのが始まりだったような記憶があります。

「こだわり」は知らなかった。
こちらは私も普通に使っていたかもしれません。

あと個人的に抵抗があるのは「・・・・・・じゃないですか。」と肯定を強要するいい方。
絶対に頷いたりしないんですよ^^

意外なところに深く共感できる所がまたまた見つかり嬉しいですわ^^

2011/12/30 (金) 19:06:22 | URL | はぴらき #- [ 編集 ]

Re: こんばんは

> 私もずっと「いきざま」の使い方に、疑問というより嫌悪感を抱いてました・・・最近だと田村明子さんnumber記事にもありましたね・・・
> 当たり前のように使われるようになって、ここ10年間はくだらないと思います。
> 最初は「ある男の生き様」のように、ハードボイルドよろしく面白い言い方をしたのが始まりだったような記憶があります。
>
> 「こだわり」は知らなかった。
> こちらは私も普通に使っていたかもしれません。
>
> あと個人的に抵抗があるのは「・・・・・・じゃないですか。」と肯定を強要するいい方。
> 絶対に頷いたりしないんですよ^^
>
> 意外なところに深く共感できる所がまたまた見つかり嬉しいですわ^^

はぴらき 様とは色々と考え方や感覚が似通ったところがあるざんすね(*´∀`*)

「生き様」や「こだわり」は絶対に使わない。
これがあちきの「生き様」「こだわり」ざんす。ナンチャッテ。

>「・・・・・・じゃないですか。」
なるほど、これは私はあまり意識していなかった(^。^;)
以後、気をつけようぞ。

これに少し似た言い回しに「~と思うのは私だけでしょうか?」
これ、嫌だなあ。鳥肌が立つわ。
一見ひかえめなようでいて、意見の押しつけ、多数派は善だみたいなゴリ押し論理を小賢しく言っている。
あるいは、自分の主張に自信がないので相手の様子を伺う卑屈さを感じます。
自分が正しいと思うのであれば、誰から何と思われようとも堂々と主張してくれなんし(`・ω・´)

2011/12/30 (金) 20:56:53 | URL | 片割月 #- [ 編集 ]

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Author:片割月
和歌を愛し、音楽を愛し、花を愛し、フィギュアスケートが大好きで、歴史・社会・文学が大好きで、ジョン・レノン、八代亜紀、ちあきなおみが大好きで、クリント・イーストウッドと映画も好きで、皮肉とユーモアも好きな変わり者アラフォー熟女ですが、よろしくお願いします。
最近は体力をつける為に、休みの日はえっちらおっちらとミニハイキングに勤しんでいます。

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