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猫宮黒埜著「フィギュアスケート・疑惑の高得点」を論ず④





【データも根拠も無く断定・非難する】

「スペシャリスト天野真」

この項では天野氏の為に2ページを割いています。

「…彼の名前は、フィギュアスケートのファンにはテロリストのような響きを感じさせていると思います。それくらい、日本人選手に厳しく、また浅田真央をスランプに陥れた張本人として心に深い傷跡を残しているのです…」

のっけからぶっ飛ぶような記述です。天野氏に対し謂れのない罪をなすりつけるような言説は、名誉毀損に近い誹謗ではないでしょうか?

テロリストとは政治的もしくは宗教的な信条に基づき、非合法かつ暴力的な破壊活動を行う人を意味します。

一人の技術審判をつかまえて「テロリストのような響きを感じる」人がいることに私は驚き呆れます。また例によって、「フィギュアスケートのファンには」と、勝手に決め付けるのは止めて貰いたいです。事実、私はそのように感じたことは全くありません。

「日本人選手に厳しく」も、例により独断先生の独擅場ですが、ここまで言い切るのであれば読者にデータらしきものを提示するのが誠意ある書き手の姿勢ではないでしょうか?

参考までに、天野氏が技術審判としてテクニカルスペシャリストを務めた2つの国際大会のリザルトを貼っておきます。


2009国別対抗戦リザルト
→サイトはここです
2010世界選手権リザルト
サイトはここです

2つの国際大会の判定結果の何処に、「天野氏は日本人選手に厳しい」根拠があるのでしょうか?もちろん、これだけでは資料としては不完全です。実際の演技の画像と付け合わせてチェックする必要があります。

しかし、例えば浅田真央が他のテクニカルスペシャリストの担当する大会ではトリプルアクセル(3A)で回転不足判定(「<」記号で示す)を取られないのに、「天野氏の時だけ」取られまくるというデータでもあれば、まだ説得力がありますが、まあ、無いんでしょう。

ちなみに、浅田真央は2012四大陸選手権ではショートプログラムでもフリースケーティングでも3Aは回転不足を取られています。一部の浅田ファンから「回り切っていたのに、厳しい」との批判もありました。しかし、この大会のテクニカルスペシャリストは天野氏ではありませんでした。

2012四大陸選手権リザルト
サイトはここです

以上のことから猫宮氏の主張はほとんど崩壊していると言えるでしょう。

「浅田真央をスランプに陥れた張本人として心に深い傷跡を残している」については、バカバカしくてお話しになりません。浅田真央がそんな発言をしたのでしょうか?あるのなら出典を示すのが書き手の義務でしょう。根拠が無いとすれば、天野氏に対する悪質な中傷・誹謗ではないでしょうか?ただ因縁をつけているとしか思えません。

そして、このような形で引用される浅田真央にとっても、迷惑千万な話しではないでしょうか?


【ゲスの勘ぐり】

「…(当時のキム・ヨナのコーチ)ブライアン・オーサー氏は同性愛者であることを認めています。そのお話しと天野氏の偏向ジャッジを結びつけて、ジャッジはベッドの上で決まっていると勘ぐる人もいるようですが、何も根拠がありません。たとえキム・ヨナのドリームチームの一員で振り付けを担当している、デヴィッド・ウィルソンも同性愛者であったとしてもです…。あくまで個人的な嗜好ですから…。」

根拠が無く、あくまで個人的嗜好と知っているのであれば、それをわざわざ書く理由はいったい何でしょう?

猫宮氏はこういうことを書いてみたくて仕方なかったとしか想像出来ません。「ゲスの勘ぐり」を書いて見せる著者の下劣な心性が透けて見えるようです。そして、こうした記述は猫宮氏と著書の値打ちをただ下げるだけと思います。

天野氏の判定に疑義があるのであれば、それを示す情報を示して分析すれば良いのですが、それが出来ないので、お粗末な落書きを並べることで、「それらしき雰囲気を何とか臭わす」手段に出たということでしょうか。

そう言えば、猫宮氏が「プロローグ」でパトリック・チャンの採点批判に利用したジョニー・ウィアーも同性愛者ですが、こちらの方はどうなっているんでしょうね(笑)

「…決して自分が成功させることが出来なかった3Aを浅田真央が見事に跳んだから不愉快だということでDG(回転不足)判定をしているわけではないでしょう。彼はそんなに尻の穴が小さい人間ではないはずです。むしろ大きい。だから、キム・ヨナのスパイラルやステップのレベル判定は高いのです。あの程度でレベル4が取れてしまうなら、上位の選手のためにレベル6まで作らなければなりません。彼は現在の判定の不合理さを自ら身をもって示しているのです。日本の地を楽には踏めない状態にしたことはおそらく後悔していないでしょう。まさに信念の人…。」

上記の文章について、どのように論評しようか?そう、猫宮氏こそ、自身の主張の「不合理さを自ら身をもって示しているのです」くらいか。


「アクセルの女王」

「…アクセル(ジャンプ)は、前向きに踏み切るのですが、キム・ヨナ流は斜め踏み切りで、背中と背中が向き合うジャンプです。これで浅田真央を凌ぐ加点を得ていたのですから、ISUのジャッジは不思議です。浅田真央はジャンプの前にイーグルを入れていますが、キム・ヨナは手を挙げているだけです。それでも(演技構成点の一つである「繋ぎ」)「TR」も「2AのGOE」もキム・ヨナが上なのです。」

「…韓国の報道で、『フィギュアの女王』という称号を貰っているキム・ヨナですが、演技を検証していくと、なぜか粗ばかり目立ちます…。」

以上、独断先生の勢いは止まらないようです。もちろん、これも一つの意見でしょう。念の為、ISUルールによるジャンプの加点のガイドラインとなる基準を貼っておきます。

1) 予想外の / 独創的な / 難しい入り
2) 明確ではっきりとしたステップ/フリー・スケーティング動作から直ちにジャンプに入る
3) 空中での姿勢変形 / ディレイド回転のジャンプ
4) 高さおよび距離が十分
5) (四肢を)十分に伸ばした着氷姿勢 / 独創的な出方
6) 入りから出までの流れが十分(ジャンプ・コンビネーション/シークェンスを含む)
7) 開始から終了まで無駄な力が全く無い
8) 音楽構造に要素が合っている

加点というのは上記のように多面的チェックがあって決まるわけです。「踏み切りが斜め跳び?」「ジャンプ前にイーグルがある」「手を挙げるだけ」等はあくまで一つの要素でしかありません。猫宮氏の主張を鵜呑みにすると誤る危険が少なくありません。

「粗が目立つ」としていますが、「猫宮の目」で見るなら、それは浅田真央、安藤美姫、カロリーナ・コストナー、そしてアシュリー・ワグナーについても同じことが言えるのではないでしょうか?

(我等が日本期待の)浅田真央がジャンプミスもあって金メダルに届かなかったこと、そして(憎たらしくも)キム・ヨナがほぼノーミス演技で金メダルを獲得したショックは分かります。

しかしながら、「疑惑の高得点の謎」に迫るのではなく、単なる一部のコアな浅田ファンのような愚痴や八つ当たりを聞かされても、読み手には「そうだったのか!」との説得性はほとんど無いと思います。


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2013.06.15 | | コメント(4) | トラックバック(0) | フィギュアスケート・ネタ関連



コメント

片割月さん、本当にお疲れ様です。
仰るように、真正面からのこの本の論評は
私もこれまで読んだことがありませんでした。
そういう見地から読もうとする人は
間違いなくこの本は買わないので^^。
しかし、読んでいなければ批判をする資格もないわけで、その労をとってくださったことが、
まず本当にありがたいです。

私はこの本のことを知って、著者のブログを初めて見てみました。
ちょうど、その頃、今年のワールドについての自己採点に基づくアンケートをやっていて・・・。
何と、浅田選手が1位、ヨナ選手は5位にランクされていてぶっ飛びました。
こんな順位が実現されていたら、それこそ一番気の毒なのは浅田選手ですね。NHK杯ですらいろいろ言われているのに、果たしてどんなことになったかと思うと。
で、本でも紹介されていた通りに
上の採点には多くの賛同の声が集まり、
ブログ主氏は「このブログのことは、私を敵視している人も大変気にして見に来ている。よってこの結果はフィギュアファンの声を反映しているもの」と解説。。。
ううっ、こんなものに答える気には到底ならない人も、(それこそ著者のいい方を借りれば)「多く」いることを知ってほしいわ^^。

フェアな視点を持つということが、どういうことであるのかを真剣に考えない人に、こういう本をあらわすことは無理でしょう。

2013/06/16 (日) 03:00:36 | URL | バジル #- [ 編集 ]

Re: タイトルなし

バジル様、こんばんは。

>読んでいなければ批判をする資格もないわけで、その労をとってくださったことが、
>まず本当にありがたいです。

ありがとうございます。
私も何のかんの言いながらも、スケオタの性というか、面白がっています(^。^;)

>ちょうど、その頃、今年のワールドについての自己採点に基づくアンケートをやっていて・・・。
>何と、浅田選手が1位、ヨナ選手は5位にランクされていてぶっ飛びました。

もしも現実にこのような採点をジャッジがしたら、

それこそ、何か裏があるのではないか?疑惑のナンチャラ、という本を書きたくなります(^Д^)

>ブログ主氏は「このブログのことは、私を敵視している人も大変気にして見に来ている。よってこの結果はフ>ィギュアファンの声を反映しているもの」と解説

傑作です!

ガッハッハ(´▽`)。フハハ、ブヒ、…フ~ッ(o´Д`)=з

2013/06/17 (月) 22:38:49 | URL | 片割月 #- [ 編集 ]

なるほど

はじめまして

ちょっと前のエントリーですが、天野氏のことが書いてあるのでこちらにコメントします。

私はもともと五輪シーズンしかフィギュアを見ないようなライト層です。フィギュアは韓国に買収されてるという陰謀論を信じていたおバカちゃんですが、最近洗脳がとけました。

そのきっかけとなったのが、GPFでの"天野帰れ"コールです。それまで彼のことを知らなかったのですが、今回の件で彼らの天野氏への口汚い誹謗中傷に嫌悪感を覚え、天野氏のことを調べるうちに、いかに自分が色眼鏡でフィギュアを見ていたのか自覚できました。

なるほど、彼らの下劣な批判は、この本に書いてあることそのままだったんですね。客観的な証拠はなく、根拠はすべてこの本。彼らにとってこの本は聖書なので、その内容に疑問を感じるなんて信仰を捨てるに等しいのでしょうね。ライト層としては、ただただ怖い。

それにしても、ライト層を啓蒙するという彼らの狙いとは裏腹にこうして洗脳がとけた今、五輪を素直な気持ちで楽しめるようになったのが嬉しいです。ちょっと前まで、どうせキムヨナが勝つと決まってるなら見ても嫌な思いをするだけじゃないか、なんて思っていましたから。フィギュアにもっと興味がでました。

こういうブログを運営されてる皆さんのおかげです。ありがとうございました!

2013/12/14 (土) 11:00:08 | URL | きく #- [ 編集 ]

Re: なるほど

きく様、はじめまして^^

その「聖書」は啓蒙どころか、鶏毛ほどの価値もありませんね(-^〇^-)

>どうせキムヨナが勝つと決まってるなら

イエイエ、何が起こるか分からないのがスポーツ競技。ましてや五輪ともなれば。

絶対王者?と言われるチャン選手とて、勝つとは決まっていませんしね。

これからもヨロシクね(^_^)ノ

2013/12/15 (日) 00:01:51 | URL | 片割月 #- [ 編集 ]

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プロフィール

片割月

Author:片割月
和歌を愛し、音楽を愛し、花を愛し、フィギュアスケートが大好きで、歴史・社会・文学が大好きで、ジョン・レノン、八代亜紀、ちあきなおみが大好きで、クリント・イーストウッドと映画も好きで、皮肉とユーモアも好きな変わり者アラフォー熟女ですが、よろしくお願いします。
最近は体力をつける為に、休みの日はえっちらおっちらとミニハイキングに勤しんでいます。

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