ISUジャッジのことなど





書店にフィギュア専門誌で「ソチ五輪特集」が出ていましたので、少し立ち読みしました。その中に「ジャッジパネル」に関する小コラムがありました。

コラムによると、ISUルールには審判を審査するシステム、つまりOAC(判定役員評定委員)があり、2012~2013シーズンではシングル&ペアのジャッジが15名、アイスダンスのジャッジが8名、「警告」を受けたそうです。降格処分のような重い措置を受けた例は無かったそうです。

この数字が多いのか少ないのか、措置が軽いのか重いのかは判断しようがありません。

「警告」の内訳は主に採点に対するものであり、他には「ミーティング不参加」や「報告書未提出」に対する警告を受けた例もあるそうです。

ハハ~ン、どこにでもいるんだなあ。。ミーティングをサボったり、面倒な報告書を出さないモノグサは。

ジャッジは試合会場への資料の持ち込みは一切禁じられているそうです。また、審査中にメモを取ることは認められているそうですが、次の選手の審査ではメモ用紙を裏返すことになっているそうです。

つまり、絶対評価を前提とする以上は、ジャッジは前の選手との比較をしない、実績にとらわれたり等、先入観や予断は許さないというISUの一貫した姿勢を徹底する為の規定のようです。

なるほど、絶対評価を徹底する為に、細かい規定が色々とあるようです。逆に言えば、それだけジャッジが「比較」という誘惑と戦いながらジャッジングをしているとも言えましょうか。

このコラムでは触れていませんでしたが、3人の技術役員の会話は集音マイクにてISUのレフリーだか幹部の耳にも入るシステムになっているそうですね。

ところで、このようなジャッジに関する規定や情報は、「小出し」にせずにまとまった内容として一般に明示して欲しいものです。新聞やテレビ等でもフィギュア関係者から部分的な解説が出ることがありますが、その度にしばしばファンの間から「誤解」や「曲解」を受けたり、「批判」に晒されます。

そして、下記のサイトのような運動を誘うサイトがあります。
http://sochi123.cocolog-nifty.com/sochi123/

ISU規定の123条4項が問題にされています。つまり、選手やコーチが不可解な判定や採点に抗議することができない、制約を受けているのは理不尽ではないか?ということです。

体操競技のように採点発表直後にコーチが異議申し立てをするのは、フィギュアでは不可のようです。

そこで、一般のファンがスポーツ仲裁裁判所に訴えるのは「権利」ですから人の自由でしょうね。訴えが受理されるかどうかはともかく。会場で特定の審判を野次ったり、罵倒するよりも遥かに「マトモ?」なやり方です。いくらISUや連盟に書類にて訴えても無視されて来た歴史がありますので、他の手段に訴えるしかありません。

こうしたファンの声がどれだけ効果があるかは不明です。ひょっとして「怪我の功名?」ではありませんが、ISUや連盟の「重い腰」を上げさせる何らかの成果につながれば、私もそれはそれで結構だと思います。

ただし、上記の運動を呼びかける主さんやそれに賛同するファンの書き込みを見ますと、私はあまり共感はいたしません。この方々の「本音」が透けて見えるからです。必ずしも立派な動機があるとは思えないのです。

つまり、彼等の本音とは自分達が応援している特定選手が不当に低く採点され、不当に厳しい判定を受けていること、ライバル選手は逆に不当に高く採点され、不当に甘い判定をされていること、そこには何らかの「陰謀」が隠されていること、韓国に対する異常なまでの憎悪とヘイトスピーチ的罵倒を前提としているからです。

「公平なジャッジを!」「透明性を!」は美しい言葉ですが、彼等のコメントを見ますと、ライバル選手や特定ジャッジへの汚い罵倒や中傷に満ち満ちています。彼等はライバル選手が高得点で勝つのがよほど不愉快で目障りであるらしく、その選手の一挙手一投足を石礫として利用する。敵陣に投げ入れるのに役立つ、それだけの理由で埃の中から拾い上げる石礫である。

このように、スローガンの美しい言葉のような高邁な精神を持っているとは思えない人達がかなりいます。

彼等に決定的に欠如しているものは何か?それは自分達のフィギュアを見る目、評価・判定する目が果たして公平であり、正しいものであるのかどうかという問が無いということです。※

この方々には特定選手の妄信者や狂信者が少なくないので、問自体が無意味なのかもしれませんが。

そもそも、自分達が公平な見方をしているか否かの検証も無く、「ジャッジは不公平だ!」と一方的に非を鳴らすのは片腹痛いというものです。また、ジャッジの匿名性を悪の源泉の如く批判しますが、その方々自体が匿名性の陰に隠れて言いたい放題言っている事も同じく片腹痛いことです。むしろ滑稽ですらある。その典型が彼等の愛読書?である、「フィギュアスケート・疑惑の高得点」という電波本に象徴的に示されています。

しかしながら、前にも書きましたが、特定審判に対する野次も含め、こうした現象を招くのはISUや連盟が怠慢だったからではないか?不誠実だったからではないか?ファンの質問や批判に答えずに無視したからではないか?そのツケが回って来たと言われても仕方無いのでは?

※私が引用したサイトの冒頭に下記の文章があります。
「フィギュアスケートの採点、おかしいと思いませんか。
たとえばジャンプに失敗して転倒してしまったある選手は、ミスのなかった他の試合よりも高い得点がでました。また別の選手ではミスがなかった試合の方が低い得点だったこともあります…。」

この文章自体が誤謬に満ちていますし、読み手に誤解を招くものです。私のブログに来られる方であれば、こんな文章に「騙され」たり、「その通り!」などと頷くことはほとんど無いでしょう。文章のどこに誤りがあるか説明する必要もありません。

仮に私が次のような文章を書いたとしよう。
「フィギュアスケートの採点、おかしいと思いませんか。例えばジャンプで転倒し、しかも両足着氷+回転不足のジャンプをしてしまったある選手は、ほとんどミスのなかった他の選手よりも高い得点が出て優勝しました」

上記サイトの考え方に賛同するファンは、私のこの文章には猛烈に反発するでしょうね。自分が応援する選手の場合はどんなに「不可解な高得点」が出ても良いのだそうです。いや、それどころか、まだまだこれでも「低く抑えられている」のだそうです。

それにしても、こんな単純極まりない発想でフィギュアスケートを見ている人がジャッジの不公平を鳴らすというのが…当人は真剣なのでしょうけど…申し訳ないが、何とも滑稽です。ISUサイドの問題とは別に、自分達の不勉強や贔屓の引き倒しを棚に上げて他を一方的に批判する姿勢に、私はとてもついて行けません。


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2013.12.19 | | コメント(14) | トラックバック(0) | ルール・採点・技術関連



コメント

判断基準

現在の判断基準では素人が見た場合の感覚と大きなズレがある。さらにスケーターの感覚とも一致していない現状がある。そこでファンの誤解が生まれる。従って今後はルールを緩和して歩み寄る必要があると言える。

2013/12/19 (木) 05:45:36 | URL | ファントム #- [ 編集 ]

素人の見た目のわかり易さって大事?

ファントムさんへ

>現在の判断基準では素人が見た場合の感覚と大きなズレがある

ルールを分かり易く周知することは、必要だとは思うけど、だからと言って、素人の見た目の分かり易さを重視して、ルールを緩和するって、違うのでは?

ルールって何のためにあるの?

フィギュアスケートはスポーツであって、興行じゃない。なぜ、その点数になったか、きちんと説明がつけば、理解し納得できる。そして観ている側も、知識が高まり、さらに競技を楽しめる。

それはどんなスポーツでも同じ。
息子がアメフトを始めたことから、一緒にNFLの試合を観るようになったけど、全くルールがわからず、最初は楽しめなかった。
でも、自分でルールを調べたり、沢山のミラクルプレーを動画で見たり。そうやって、努力して知識を身につけて、少しづつ、分かるようになり、面白くなってきました。そして、もっとルールや戦略を知りたいと思ってます。そのスポーツを楽しみたいからね。

フィギュアスケートも同じ。
バンクーバーのあと、私も何でヨナ選手と真央選手の点数がこんなに差がつくのか?不当に感じてイロイロ調べました。
そうしたら、自分が、如何にフィギュアスケートのルールを知らなかったのか、が分かりました。
ジャンプ一つ見分けられず、その基礎点、GOEの意味、TES、PCSとは?
そうやって学んで、ああ、あのときインタビューで、美姫ちゃんが言ってたことは、ルールに照らし合わると、ここが足りないってことだったんだな、とか。それがわかると、ますます観るのが楽しくなってきました。

ルールそのものを緩和するって、競技のクオリティを下げることになりませんか?

でも、ISUがルールブック?だったかを翻訳しているサイトを見つけて読んだけど、ホントわかりにくくて、チンプンカンプン。
分り易いルールにするのではなく、ルールを分かり易く説明、解説して欲しい!

2013/12/19 (木) 07:23:14 | URL | クロママ #zbXJIH6I [ 編集 ]

片割月さま

私も体調崩しちゃいました~この寒さで。トホホ皆様もどうぞお気を付けくださいませ。

荒川静香さんが新刊本を出されましたね。フィギュアの採点や振付などについて書かれているようなので、読んでみようと思ってます。荒川さんの書籍はまだ一度も読んだことがないので、今回のものが以前のものと違うのかどうかわかりませんが。。。

2013/12/19 (木) 08:01:35 | URL | ねこねこ #- [ 編集 ]

スポーツファンの心得

片割月様 クロママ様

>自分でルールを調べたり、沢山のミラクルプレーを動画で見たり。そうやって、努力して知識を身につけて、少しづつ、分かるようになり、面白くなってきました。

野球でも何でもスポーツってそういうものではないですか。だからスポーツファンはゲームをたくさん見てルールにも精通してから、初めて人前でその知識を披露できる。少年期にスポーツに興味を持ち始めた男の子は仲間との会話にもスポーツの話題が多くなり、仲間との競争意識もあってスポーツを知ろうとする。サッカー、ホッケーや野球のクラブに入って自分でも体験する。こうして一定のルールに基づいたスポーツを楽しむことを習得すると思うのですが、フィギュアファンの場合はアイドルスケーターが現れると、ルールなどお構いなし、それどころか、アイドルスケーターにルールを合わせろ、ジャッジより自分の目が正しい、点数が低いのはジャッジが悪い、といわんんばかり。こんな人たちはスポーツファンではなくルールを理解してスポーツを楽しもうという人たちではないので、ISUのルール説明を聴こうとする人などほとんどいないと思います。
心配しなくても浅田・高橋選手が引退すれば陰謀論者も自然消滅するはずです。

採点競技はジャッジの採点をリスペクトしない限り存在しません。6点制の時代のほうがもっと工作が感じられる採点もあったと思いますが、私はそういうスポーツだと思って見ていました。
ルールを解りやすく、エキスパートの立場から説明するのは解説者の仕事だと思います。

2013/12/19 (木) 13:10:37 | URL | Kan-kan #E0/upmTg [ 編集 ]

あー

こういう動きって、見ていて疲れます。

まぁ、これも1つの楽しみと思う方もいるのでしょうね。

ぐらいでいいんじゃないでしょうか。

ムキになっても仕方がないですよ。

2013/12/19 (木) 13:36:28 | URL | まる #- [ 編集 ]

まずい

こんにちは

こちらで紹介されてるサイト行ってきました。
提出書類の英語版を読んだんですが、翻訳がまずいです。あれでは通じないし、笑われちゃいます。いや、本当に。

2013/12/19 (木) 14:13:05 | URL | びっぐあぷる #s7zQWtIk [ 編集 ]

ジャンプ種別格差

http://blogs.yahoo.co.jp/barutantomozou/30831961.html

バンクーバー前の記事です。
本当に3アクセルの点数を引き上げるのが採点の体系としてよいのか?

3Aを引き上げるのなら、当然2A、1Aの引き上げも考えないといけないはずです。

ジャンプのメカニズムとして難しいと言うのであればです。


回転数が増えることでどの種類のジャンプも難しさは増大します。

2013/12/19 (木) 18:39:57 | URL | バルタントモゾウ #- [ 編集 ]

kan-kanさんへ

一度この記事をよく読んでみてください。
penさんや私の主張の中見はこういう事です。

現在は2Aの基礎点が下げられているので、3Aは他の3回転ジャンプに比較して非常に高い階差が設けられています。

現実的にあげるのであれば、3Aではなく4Aの方が採点システム的には合理性があると思います。

2013/12/19 (木) 21:05:02 | URL | バルタントモゾウ #- [ 編集 ]

ジャッジの情報私も知りたい

以前ヨナのジャンプがエラー判定された時に、オーサーがジャッジに聞きに行ったってことがありましたよね。一部の人にはジャッジに圧力をかけた、卑怯!っていわれてましたけど。

んでもって確か朝日新聞だったと思うんですが、バンクーバー五輪後の特集記事で浅田選手がGOEの付き方だったかな?よくわからないのでジャッジの方に聞いてみたい、って言ってましたよね。

ISUのその規定は判定が覆されるような抗議・異議申立てについてのものだと思うんですけど、そうでない疑問・質問なんかはジャッジに直接聞いても問題ないんでしょう?

ヨナはジャッジを交えたミーティングをしていたらしいし、岡崎さんも真央ちゃんにアドバイスしてるんですよーって言ってたし。

ファンが思っているよりジャッジと選手・コーチの間柄って親しい物なのかも、って最近思うようになりました。ある種の身内感覚というか。だからこそファンには余計にわかりにくくなっちゃってんのかなって。

>ところで、このようなジャッジに関する規定や情報は、「小出し」にせずにまとまった内容として一般に明示して欲しいものです。

そうですね。さんせーい!そういうのあったらみんな喜んで見に行くし買うと思うんだけど。

荒川さんの新刊買いました。出たばっかりなんで内容については書くの自重してるんですけど、「この本は今まで出した本のなかで一番技術的なことに触れていて…」みたいに書いてあったんですけどね、でもファンからみたら全然足りない感じででした。もっとそういうの教えて欲しい。(面白かったですけどね。買って損ないかな)

関係者側からもっともっとマニアックな情報出して欲しいですw

2013/12/20 (金) 08:50:05 | URL | mamakuma #EFbHoeiw [ 編集 ]

バルタンサンへ

記事の紹介有難うございます。
ジャンプの基礎点はそれなりの基準で設定されていると思います。

私が申し上げたかったのは、3Aの難度の強調は揶揄されるほどばかげた突拍子もないことではない、ということです。

ここでタイミングよく佐藤コーチの援護射撃あり!(笑)
19日付、Sportsnavi の佐藤コーチのコメントです。

そして佐藤コーチは、浅田を守るかのように、こう付け加えた。
「女性にとってのトリプルアクセルというのは能力的にとんでもなく難しいものだなというのを痛感させられた」

記事の信頼性はともかく、カート、ジョニーのコメントも合わせるとやはり、特に女子には難しいジャンプだと思います。

2013/12/20 (金) 09:49:20 | URL | Kan-kan #E0/upmTg [ 編集 ]

ん~~~~~~~~~~

一定の基準はあるにしろ、同じ大会出ないと、比べることのできないジャッジシステム。
ジャッジによる微妙?な判断の違い?
まぁ、だんだんいい形になってくればいいかなぁって思ってみてますが、もともと、柔道(まぁこれでも判定のミスってありましたけど)や、陸上競技とは違う種類の採点競技なので難しいですよね。
個人的には、ジャッジの匿名性は?って感じですが、採点競技の難しさを抱えながらも、一生懸命頑張って見えるんだろうなぁって思ってみてます。
選手も、ジャッジも、コーチも。
その周りのマスコミとか、スポンサーとかが、自分たちの常識からは、わけのわからない動きをするのが、混乱の原因かなぁって思ったりもするのですけど。まあそれで大きな反感を買っちゃったって感じかなぁと。
キム・ヨナの点数は男子と比べて高く出すぎ?って点も、男子と女子との比較の中でとか、男子も女子も同じ判断の中でとか、いろんな意見が出てきてるのが?ですけど。
そう言う意味では女子の3Aは、体力的にもすごい大変だろうなぁって確かに思ってますが。

2013/12/20 (金) 12:00:06 | URL | いおりん #R0CHtJiU [ 編集 ]

Re: タイトルなし

ねこねこ様、こんばんは。

おやおや(゜д゜)。お大事になさって下さいネ(^。^;)

荒川さんの新著、記事にアップしましたので、ヨロシクね^^

2013/12/20 (金) 22:49:34 | URL | 片割月 #- [ 編集 ]

Re: スポーツファンの心得

Kan-kan様。

おっしゃる通りですね。

スポーツだけじゃなく、茶道でも麻雀でも文法でも複雑な規則や定石があって、

これを知る、身に付ける、ことでますます面白くなりますね^^


2013/12/20 (金) 22:56:05 | URL | 片割月 #- [ 編集 ]

Re: ジャッジの情報私も知りたい

mamakuma様。

おっしゃること、その通りでしょうね。

荒川さんの新著、さっそく記事にしましたよ^^

>ファンからみたら全然足りない感じ

そういう箇所もありますね。

結構詳しく舞台裏を書いている箇所もあり、面白かったです(*^。^*)

2013/12/20 (金) 23:24:17 | URL | 片割月 #- [ 編集 ]

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Author:片割月
和歌を愛し、音楽を愛し、花を愛し、フィギュアスケートが大好きで、歴史・社会・文学が大好きで、ジョン・レノン、八代亜紀、ちあきなおみが大好きで、クリント・イーストウッドと映画も好きで、皮肉とユーモアも好きな変わり者アラフォー熟女ですが、よろしくお願いします。
最近は体力をつける為に、休みの日はえっちらおっちらとミニハイキングに勤しんでいます。

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