映画・テレビドラマ・俳優・女優について徒然に語る②






西鶴一代女 [DVD]西鶴一代女 [DVD]
(2011/02/14)
田中絹代、山根寿子 他

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●映画「西鶴一代女」
TAO様ご推奨の映画を見ました。これは誰もが一度は見て損のない名画と思いました。
やはり、井原西鶴の傑作「好色一代女」を下敷きにしています。しかし、原作の方は「ティファニーで朝食を」のヒロインと同じように、自由奔放に様々な境遇を生き抜いた女性を描いたのに対し、映画のヒロイン(お春という名前)は時代と男達のエゴに翻弄されつつも、高貴な心を失わすに不幸な境遇に耐えて生きる女性を描いたようです。

主演の田中絹代はこの映画が制作された時は既に四十路を過ぎていましたので、若い女性の役柄としては少し苦しい箇所もあります。しかし、そんなことなどどうでも良いと思わせる程の名演技をここでも見せています。

私は田中絹代が役者として最も優れた才能を示しているのは、泣くシーンと思っています。乞食になったお春が寺の門前で三弦をつま弾いていると、そこへ大名行列が通りかかる。籠には幼い世継ぎが乗っている。お春が嘗て側室をしていた時に生んだ我が子と気がついたのか、あるいは似ているので我が子を思い出したのかは不明です(この当たりは分かりづらいシーンでした)が、お春は身を震わせて泣く。

身も世もなく泣き崩れるお春のリアルな演技。不自然さが少しも無く、繊細で巧みな肢体の動かし方。心の琴線に触れる迫真の演技。このシーンだけでもこの映画を見る価値があります。もう一つの名画、「サンダカン八番娼館」の田中絹代は神技とまで絶賛されましたが、ここでも泣くシーンがクライマックスになっていました。


麦の穂をゆらす風 プレミアム・エディション [DVD]麦の穂をゆらす風 プレミアム・エディション [DVD]
(2007/04/25)
キリアン・マーフィー、ポードリック・ディレーニー 他

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●映画「麦の穂をゆらす風」
これは素晴らしい映画です。
おそらく、日本人の多くはイギリスの歴史には多少の関心はあっても、アイルランドの歴史にはほとんど関心を示さないし、無知でしょう。私もそうです。私が知っているのは、二十世紀のどこかでアイルランドがイギリスからようやく独立を勝ち取ったらしいこと、北アイルランドは今もイギリス領であり、IRAとイギリス当局との紛争が長く続いていること、アイリッシュと言われる英語を話すこと、少なからぬアイルランド人がアメリカ大陸に移住したこと、そして、アイルランド出身の歌手、ギルバート・オサリバンくらいです。

この映画は1920年のアイルランドの独立(実際は半独立だが)に至る歴史を教えてくれます。完全に独立したのは1949年らしい。それまでは半独立であり、イギリスの総督がいて、イギリス王に忠誠を誓うアイルランドでした。

映画の題名からはちょっと想像出来ない重苦しく凄いシーンが連続するストーリーです。イギリスからの独立を目指して戦うアイルランド人ゲリラに、敵側のイギリス兵士。独立戦争であれ、革命戦争であれ、自衛の為の戦争であれ、戦争が酷いことに変わりは無い。やがては、政治的見解の相違、生き方の相違から、共に戦ったアイルランド人同士や兄弟が敵味方に分かれて戦うシーンになるともっと悲劇的です。

主人公のアイルランド人ゲリラを演じるキリアン・マーフィの演技が光ります。

アイルランドとイギリスの共同制作だそうです。イギリスやイギリス兵士が完全に悪者になっているのに、よくイギリスもこのような「反イギリス?映画」を作りましたね。贖罪の意味もあるのかな?

右傾化した日本では大日本帝国や日本軍兵士を悪者にした「反日映画」を日中で共同制作※するなど、夢物語になっていますので、その点に関しては「さすが、民主主義の先達、英国」と言えるのでしょうか。

実は大日本帝国より大英帝国の方が遥かに巨大な犯罪を世界中で犯しているのですが、白人国の特権でしょうか?すっかり小国となった今もデカイ面していますね。右翼も左翼も反米という点では共通項がありますが、アメリカよりもイギリスの方がよほど悪質と思います。なんせ、帝国主義国家の本家本元みたいな国だったのだから。

※日中国交回復直後には日中共同制作の映画もありました。日中戦争を時代背景にした「未完の対局」とか。

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「未完の対局」はTSUTAYAにも無いので、ビデオを手に入れないと見るのは困難なようです。日本人囲碁棋士役の三國連太郎と中国人囲碁棋士役の俳優の熱演で惹き込まれます。日本軍によって中国人の一般市民が殺戮されるシーンも出てきますし、「大日本帝国打倒!」の看板も出て来る。ネットウヨが「中国のプロパガンダ映画。サヨク映画だ」と喚く映画と言えましょう。
もしも、今このような映画を制作しようとしても、企画の段階でウヨクに妨害され中止に追い込まれるでしょう。
ウヨクのデモやクレームにヘナヘナになった桑田と所属事務所のアミュース゛は1月15日、昨年末のライブや NHK紅白歌合戦での中継で見せたパフォーマンスについて、「配慮が足りなかった」「不備があった」などと謝罪する始末だ。日本のタレントなんて、しょせん、この程度なのです。真に反骨精神のあるタレントは日本にはほとんどいないでしょう。
(その点、俳優の山本太郎は反原発活動に本気で取り組んでいるので、本物と言える。覚悟の違いか。)

イスラム教や教祖のモハメットをおちょくったフランスの風刺漫画とテロが大きな問題になっています。フランス側は「表現の自由は最も重要な人民の権利」とか言っているようですが、日本の場合はそうはなりません。

何故なら、国が弾圧しなくても、日本のメディアやメディア関連の人達は「自主規制」が大好きだからです。昔、小説家の石川達三が、「(憲法の)表現の自由には、譲っても良い自由と譲れない自由とがある」と言った為、「文壇が揉めた」ことがあったそうです。フランスでは考えられないことですが、石川達三の主張に賛同する人が多いのが日本です。

北朝鮮や中国等では国による言論規制や弾圧があるようですが、言論の不自由、表現の不自由という点では、日本もそれに近いかもしれません。報道の自由度が低い国として日本が上位にあるのは有名です。ただ、違いがあるのは、日本の場合はわざわざ国が規制・弾圧せずとも、「世間や空気」が言論規制の役割を果たしていることです。


仁義なき戦い 代理戦争 [DVD]仁義なき戦い 代理戦争 [DVD]
(2013/11/01)
菅原文太、小林旭 他

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●映画「仁義なき戦い 代理戦争」
ワロタ(-^〇^-)。コメディ映画か、これは。
私にはヤクザ映画は圏外だけど、菅原文太に敬意を表して見てみました。もちろん、殺しや暴力シーンは嫌なのですが、それよりも、山守組親分役の金子信雄!!小心でセコくて損得計算だけで生きているヤクザを演じて天衣無縫。ユーモラス満点の広島弁。トボけた顔して、「じゃけんのう~?」と相手の様子を抜かりなく伺う。ちっともヤクザぽっく見えない。そして、対立する親分役に加藤武!!ダメだ。笑いが止まりません。こちらはヘタレヤクザ役です。加藤武と言えば、横溝正史映画の刑事役で、「よしッ、わかった!犯人は○○だ」と言ってはハズレまくり、飲みかけの粉薬を「ブハッ」と撒き散らすシーンとかが目に焼きついています。こんな若い頃から全く同じキャラね(^O^)。

この二人の名優のおバカっぷり演技のお陰で、陰惨さから救われています。また、若親分役の成田三樹夫(名優だ)が迫力あるのですが、山守親分に翻弄されて、やはり、どこかユーモラスな雰囲気が漂っています。どうやら、菅原文太もやや押され気味か。

実話が元になっているそうですから、現実の広島市民は堪らなかったでしょう。しかし、映画としてはなかなか面白く出来ていると思いました。このシリーズが大ヒットした理由が分かるような気がします。小説家の小林信彦がこの映画を絶賛していた理由も分かったわ。

●フジテレ新ドラマ「ゴーストライター」(中谷美紀・水川あさみ)
一回目を見た印象ですが、面白そうな予感がしました。やはり、中谷美紀の演技力と存在感は尋常ではありません。オドロオドロしたストーリーにはうってつけの女優ですね。目力(めじから)が半端ではありません(^_^;)。

水川あさみもは今のところ純情でひたむきなアシスタント役を演じていますが、これから先、ドラマの進行と共に、どのように変わって行くのか楽しみです。悪女っぽくなるのかな。

二人の女優が取っ組み合いの喧嘩をしている冒頭シーンは非常にインパクトがあり、演出として成功しています。この先が見たくなります。いきなり緊迫した場面から始めるというのは、まあ、演劇や映画では良くある手法ではありますが。

柴咲コウや田中麗奈主演のドラマも始まっていますが、私は内容に興味が無いと見ません。いくら好きな俳優が出演していても、見ません。そういう意味では、私は若い頃からミーハータイプではありません。なお、テレビCMで見かける限り、柴咲コウは今が一番美しい年齢に来ているかもしれません。ただし、これ以上は痩せてはいけません。

●NHK大河「花燃ゆ」
ウ~ン。イマイチかな。人物描写もストーリー展開も軽いな~。「新選組」のデジャブ感がする。
期待していてガッカリしたあの新選組の「学芸会ドラマ」を。
井上真央は演技が上手いとの評判ですが、私はそう思えないんですよね。表情の変化や感情表現が平坦な感じがします。好みと言ってしまえばそれまでですが。
大沢たかおは好きな俳優ですが、「jin-仁」のようなハマり役という感じはしない。
吉田松陰役の俳優は、どうなんでしょうね。エラく素直な松陰だ。松陰はもっと狷介なキャラクターだけどね。
北大路欣也の毛利敬親の出番がもっとあれば救われるのになあ。
「篤姫」では、薩摩藩の名君と言われた島津斉彬が活躍していたのでドラマに重厚感がありましたけどね。



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2015.01.19 | | コメント(4) | トラックバック(0) | 戯けたライフ



コメント

グランドブダペストホテル

片割月さま

映画といえばアカデミー賞の候補作品が発表になりましたね。
その中に、なんと以前映画の話題の時におすすめした(と思いますが)「グランドブダペストホテル」が!
昨年の今頃封切りの映画でタイミングからしてアカデミー狙いの作品ではなかったようですが、ノミネートされて再浮上、ダークホースになりそうな勢いです。
アカデミックな(=辛気臭い?)作品もいいですが、こういう奇想天外、大エンターテインメント映画も夢があっていいです。、役者陣もしっかりしています。
時間があれば是非。



2015/01/19 (月) 04:34:06 | URL | kan kan #E0/upmTg [ 編集 ]

Re: グランドブダペストホテル

kan kan様、こんばんは^^

>「グランドブダペストホテル」

わちきは、奇想天外、大エンターテインメント映画も好きでありんすよ。

今度TSUTAYAで借りて見ますね。

2015/01/20 (火) 00:21:43 | URL | 片割月 #- [ 編集 ]

最後の砦

かなり脱線しますが(^^)

チェスのチャンピオンがコンピュータに敗れ。

今、将棋も危うくなっている。

そこで最後の砦となっているのが、囲碁である。

コンピュータでも究明できない囲碁の存在によって、今、人間の価値がさらに高まっている。

囲碁は宇宙である。

そして、その宇宙を操るのはコンピュータではなく、まさしく人間なのである。

2015/01/20 (火) 00:27:32 | URL | ファントム #- [ 編集 ]

Re: 最後の砦

> かなり脱線しますが(^^)

ファントム様。

脱線ついでに、私は転覆もさせましょうぞ(-^〇^-)。

>囲碁は宇宙である。
>そして、その宇宙を操るのはコンピュータではなく、まさしく人間なのである。

なるほど。これも一つの言説なり^^

わちきは、囲碁なら夏目漱石の「吾輩は猫である」で、猫が語る「囲碁論」が痛快です。

「…囲碁を発明したものは人間で、人間の嗜好が局面にあらわれるものとすれば、窮屈なる碁石の運命はせせこましい人間の性質を代表しているといってもさしつかえない…。」

ガッハッハ(^O^)

2015/01/20 (火) 12:40:04 | URL | 片割月 #- [ 編集 ]

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片割月

Author:片割月
和歌を愛し、音楽を愛し、花を愛し、フィギュアスケートが大好きで、歴史・社会・文学が大好きで、ジョン・レノン、八代亜紀、ちあきなおみが大好きで、クリント・イーストウッドと映画も好きで、皮肉とユーモアも好きな変わり者アラフォー熟女ですが、よろしくお願いします。
最近は体力をつける為に、休みの日はえっちらおっちらとミニハイキングに勤しんでいます。

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