2015カナダ選手権男女:シャルトランさん、フィルス君のことなど





プロトコルはここです

女子結果
1位 186.02点 Gabrielle Daleman
2 184.24 Alaine Chartrand
3 172.43 Véronik Mallet
4 146.89 Roxanne Rheault
5 140.78 Kim Deguise Léveillée
…………………

怪我でしたか、オズモンドさんの欠場は残念です。彼女はここ2シーズン程、理由は色々あれども伸び並み傾向ですね。来季の飛躍に期待しましょう。アメリカのジェイソン・ブラウン君と比べたくなるような演技派スケーターですから。

2位のシャルトランさんは伸びやかなスケーティングが魅力です。カナダの伝統パワー派のデールマンさんも良いけども。シャルトランさんのレイバックスピンの分析を後で。


男子結果
1位 256.88点 Nam Nguyen
2 222.58 Jeremy Ten
3 222.40 Liam Firus
4 210.76 Roman Sadovsky
5 208.17 Keegan Messing
…………………

(ノ゚ο゚)ノ オオォォォ-。メシング君はアメリカからカナダに移籍したんだ。どうりて全米選手権にいなかったわけだ。カナダでも結構人気あるのね。ずんぐりむっくりとした体型とは不釣り合いな、小気味よいスケーティングと回転の速いシットスピンは魅力的だ。4回転ジャンプが決められるのに、集中力が持続しないのか、体力が持続しないのか、演技後半のジャンプでボロボロやってしまうのが惜しいですね。

ニューエン君のフリープログラム「道」も板に付いてきました。ジャンプの才能はライバルとなる日本の宇野君よりも上かもしれませんが、スケーティングは宇野君の方が断然上です。やはり、身体の線が細い方がジャンプやスピンには有利なんでしょうね。

3位、フィルス君については後ほど。

【シャルトランさんのレイバックスピン】
→SP動画はここです

動画の2分2秒あたりからレイバックスピンになります。
彼女の場合は、レベルを上げる要件となる難しい入りはウィンドミルです。今季、やたらとウィンドミルからの入りが流行っている。又は、ツイズルターンからの入りとか。金太郎飴状態を避ける為、多分、来季はルールがまた変わるでしょう。

レイバックの最後の姿勢は右足キャッチのヘアカッタースピン。普通はヘアカッター8回転から、いわゆる「難ポジ」のビールマンスピンに移行するのがレベル取りのパターンですが、シャルトランさんはビールマンをやらない(出来ないのか、避けているのかは不明ですが)ので、ヘアーカッター姿勢のまま、もう一つのレベルの要件であるチェンジエッジ(インサイドからアウトサイド)をやっています。チェンジエッジしてから最低2回転必要ですね。

ISIルールから引用。(これは女子のみに適用されるルールです…片割月)
ショート・プログラム特有の要素
女子:レイバックあるいはサイドウェイズ・リーニング・スピン

「8 回転の間アップライト姿勢に起き上がってしまうことなく基本のレイバックあるいはサイドウェイズ・リーニング姿勢が保たれるならば、どのような姿勢でもよい。“ビールマン・スピン”の姿勢は、レイバック姿勢(バックワードおよび/またはサイドウェイズ)で要求された 8 回転をうまく回り切った後にのみ、レベルを上げる特徴とみなされる。」


ちなみに、私は3年くらい前までビールマンスピンをレイバックスピンの一種(正しくはアップライトスピンの一種)と思い込んでいました(^-^;。上記のようなルールから、レイバックスピンの中にビールマン使用が特例として認められているのですから、カン違いする人がいても不思議じゃないですよね。

で、シャルトランさんがチェンジエッジした途端、バランスを失い、スピンがグラグラ揺れています。しかし、これはGOEでマイナス要素になるだろうと思ってはいけません。プロトコルではGOEは+1、+2が並んでいます。つまり、あれは「バランスを失った」のではなく、チェンジエッジによる回転の変化に過ぎなかったのです。

しかし、チェンジエッジよりビールマンスピンに移行する方が見た目は美しいです。氷上に良く映える。観客も楽しめる。ビールマンかチェンジエッジか…仮に技術的な難度で上下が無いとするならば…フィギュアスケートは美しさや華やかさが求められるのは事実ですから、女子の場合、ビールマンスピンが出来る選手の方が有利なのでしょう。

フィルス君(22才)のSP
動画はここです

動画の解説はトレイシー女史の声みたいです。彼女もJスポ解説の岡部女史も揃ってパトリック・チャンの名前を引用してフィルス君のスケーティングを褒め称えていますね。

お二人の女史が語るまでもなく、フィギュアスケート好きならフィルス君のスケーティングスキルが尋常ではないことは、おおよそ判りますよね。日本のフィギュアファンもそれくらいの「目利き」が出来るレベルには来ています。

要素と要素の繋ぎの部分の滑りも、ステップシークエンスのターンも、共に深いエッジワークと一蹴りで伸びてゆく有様はチャン君を彷彿とさせますね。上体の姿勢も美しい。麗しくも端正だ。フィルス君もチャン君同様に、取り立てて演技派というイメージではありませんが、もう、黙って滑っている姿そのものが芸術的なのでそれで十分です。演技構成点でフィルス君がトップなのは当然でありましょう。

こういうタイプ、ロシア男子にはいませんね。

グングンと加速して伸びるスケーティングだけなら世界の指折りの名手なのに、何故かジャンプの方は伸び悩んでいるようです。4回転はおろか、、3Aもままならぬとは。。。これだけスケーティングスキルとジャンプスキルにギャップがあるスケーターは珍しいのではないでしょうか。この点でも彼はロシアの男子とは対照的です。何とかなりませんでしょうか。町田君や村上君のように、どこかで飛躍してくれると良いのですが。これだけのスケートをしていて実に勿体ないです。スピードを生かした3回転ジャンプが成功した時は実に美しく見事なんですよね。




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2015.02.06 | | コメント(11) | トラックバック(0) | フィギュアスケート・大会



コメント

6番

確かにフィルス選手のスケーティングは素晴らしい。
動画の0:55からの「6ステップ・クイック・ターン」(日本の現場で言う6番)が上手な選手は、スケーティングが上手な北米のチャン選手や、アボット選手や、あのスコット・ハミルトンさんに代表されるスケーティングの上手な選手の特徴であるのではないだろうか。
(日本でも、スケーティングの上手な佐藤由香さんや伊藤みどりさんや小塚選手や浅田選手も得意である。)

2015/02/06 (金) 07:20:05 | URL | ファントム #- [ 編集 ]

シャルトラン?

場内アナウンスでは、チャートランドにきこえるけど?

2015/02/06 (金) 08:48:21 | URL | バルタントモゾウ #- [ 編集 ]

フランス語か英語か

フランス語読みだとシャルトラン、英語だとチャートランドでしょうね。
オリジナルはフランスだそうですから日本語にするとシャルトランが近いですが、会場がオンタリオ州キングストンだったので場内アナウンスはチャートランドと発音したのか、あるいは 彼女はオンタリオ州在住なので英語読みのチャートランドで通しているかもしれません。余談ですが、ギリシャ人は苗字が長いので普段短縮形を使っている人が多く例えば パパラノポポスという人はパパスで通している人が多いです。 9・11以降、パスポート名を航空チケットに正確に記入する必要になったとき、名前が長すぎてコンピューターに入らず困ったそうです。

ナム・ニューエン君はベトナム人。ジュニアからシニアへの過渡期でスピードがなく幼さがありますが、すでに3アクセル、4Sも跳びますので宇野選手のライバルになりそう。 メンタルに強いのが彼の強み。

フィルス選手は確かにチャン選手の滑りに似てきれいですね。
3Aや4回転が跳べるようになれば強敵です。

レイノルズ選手は靴が合わないそうで今年もSPでジャンプが決まらずフリーは棄権。ジャンプで得点するタイプなだけに厳しそう。

2015/02/06 (金) 13:09:30 | URL | kan kan #E0/upmTg [ 編集 ]

ロステレコム杯では加点

 シャルトラン選手はフランス系ですよね。コメントしようとしたら、タッチの差で既に詳しい解説が入っていました。(^^)
 彼女のレイバックスピン、ロステレコム杯ではレベル4で、加点を貰っています。素人目にはバランスを崩した様に見えてしまいますが。姿勢の変化やチェンジエッジはどうしてもスピードが落ちます。流れるようなスピンという訳にはいかないのでしょう。
 ちなみにその動画はイギリス放送のものを見ました。「アレーヌ・シャルトラン」とはっきり聞き取れました。日本ではチャートランド選手と表記する事が多いので混乱しますね。

 それにしても、シャルトラン選手、演技も容貌も美しい選手です(ファントムさまの好みでしょうか?)。本郷選手とも被るというか共通点がありそうです。多分、四大陸では二人が出て来るでしょうから、比較しながら見てみようかな。

2015/02/06 (金) 14:12:49 | URL | shige #X91rLkcY [ 編集 ]

エデアのアイスフライ

shigeさん こんばんは

はい、シャルトラン選手かわいいですね。

確かに本郷選手と共通点がありますね。

二人とも、スケート靴がエデアのアイスフライですね(^^)

2015/02/07 (土) 22:41:14 | URL | ファントム #- [ 編集 ]

味噌カツ

ファントムさま、二人の共通点は靴でしたか! \^O^/

  味噌カツは食べた事ないですけど、皆さんの徒然大喜利は楽しく拝見しました。

  真央さんは八丁味噌がお好きだとTVで仰ってましたね。

2015/02/08 (日) 10:54:50 | URL | shige #X91rLkcY [ 編集 ]

エデアが、えーで(あ)

shigeさま こんにちは

はい、スケート靴がエデアの「アイスフライ」です。
他には宮原知子選手もエデアの「アイスフライ」です。
宮原知子選手は関西の選手ですので、関西弁でこのように言うことでしょう。

「スケート靴はエデアが、えーで~」(^^) ・・・ざぶとん何枚?・・・

標準語訳(スケート靴はエデアが、いいよ)




2015/02/08 (日) 13:33:14 | URL | ファントム #- [ 編集 ]

アクセルの踏切速度


確かにフィルス選手の滑りはチャン選手を連想させますね。
チャン選手との決定的な違いは、アクセルに突っ込むスピードではないでしょうか。

参考:3Aまでしか跳べなかったころの演技
http://youtu.be/En_0IfMQTWU?t=45s
http://youtu.be/hTEBhGh22pg?t=45s

当時はこれが3Aの飛距離の物理的な限界に近いのではないかと思っていたので、ハンヤン選手の3Aを見た時にはたまげました。

踏切りのスピードが足りない20代の選手が、ジャンプのフォームを改造してスピードを大幅に上げるのは非常に難しいだろうと思います。

2015/02/10 (火) 14:39:17 | URL | ドロンパ #DNU.zdFw [ 編集 ]

Re: アクセルの踏切速度

ドロンパ様、こんばんは^^

>チャン選手との決定的な違いは、アクセルに突っ込むスピードではないでしょうか。

なるほど。そうかもしれませんね。

3Aが苦手だったリッポン君が今シーズンは安定しています。
苦手にしていた頃は助走スピードはハエが止まりそうな程でした。

軌道を少し変え、スピードがアップしたことと、助走時の姿勢が良くなったからでしょうか。

フィルス君はリッポン君の門を叩いた方がいいかもよ^^

ハンヤン君の3Aにはぶったまげますが、安定感を少々欠くのがネ。。。

やはり、総合的に見て、羽生君の3Aが最高かな。

2015/02/12 (木) 00:56:09 | URL | 片割月 #- [ 編集 ]

ハエの止まるジャンプにはセカンドトリプルが付けられない

リッポン選手の3Aは今でも踏切前にがくんと減速しています。
セカンドトリプルを付けられるか否かはファーストジャンプの踏切スピードで決定するので、あの3Aにセカンドトリプルを付けることは物理的に不可能でしょう。

PCSは、高難度ジャンプにセカンドトリプルを付けられるだけの着氷スピードがあるか否かで変わるようなので(国内試合ではそうでもなさそうですが)、国際試合のトップ争いに加わるためにはフォームを改造して踏切前に減速する悪癖をなおす必要があると思います。

2015/02/13 (金) 00:32:42 | URL | ドロンパ #DNU.zdFw [ 編集 ]

Re: ハエの止まるジャンプにはセカンドトリプルが付けられない

ドロンパ様、こんばんは。

> リッポン選手の3Aは今でも踏切前にがくんと減速しています。

御意。四大陸ではまた悪い癖がでちゃったようですね^^;

同じように、ジー君もフリーでは出ていました。

フィルス君は深刻です。。。。

2015/02/14 (土) 23:29:49 | URL | 片割月 #- [ 編集 ]

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Author:片割月
和歌を愛し、音楽を愛し、花を愛し、フィギュアスケートが大好きで、歴史・社会・文学が大好きで、ジョン・レノン、八代亜紀、ちあきなおみが大好きで、クリント・イーストウッドと映画も好きで、皮肉とユーモアも好きな変わり者アラフォー熟女ですが、よろしくお願いします。
最近は体力をつける為に、休みの日はえっちらおっちらとミニハイキングに勤しんでいます。

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