2015フィギュアスケート世界ジュニアと樋口新葉選手





女子フリー結果
1 Evgenia MEDVEDEVA 124.49点
2 Wakaba HIGUCHI 124.30
3 Serafima SAKHANOVICH 123.06
4 Elizabet TURSYNBAEVA 117.49
5 Maria SOTSKOVA 115.09
6 Kaori SAKAMOTO 107.53
7 Yuka NAGAI 107.00
8 Karen CHEN 105.66
9 Da Bin CHOI 102.06

フリー得点の内訳
1位:MEDVEDEVAさん
技術点  65.28点
PCS    59.21
計     124.49

2位:樋口さん
技術点  69.50点
PCS    54.80
計     124.30

3位:SAKHANOVICHさん
技術点  65.28点
PCS    57.80
計     123.06


樋口選手のフリー動画→ここです

樋口選手のフリー、これはちょっとした神演技と思いました!!
私はカルガリー五輪の伊藤みどりさんのLPを連想します。元気一杯に豪快なジャンプを次々と決めたあの会心の演技を。芸術性よりも技術・スポーツ性の優った演技を。あるいは、シニアデビューした頃の安藤美姫さんの演技を。2004年の世界選手権のSPで4位に入った時の安藤さんの演技を。

以下は私の贔屓目と好みによる独断と偏見なのですが…私は上位二人のロシアの選手の演技には取り立てて感動しなかったのです。しかし、樋口さんの演技には鳥肌が立つほど感動しました。

ロシア娘の片手タノのジャンプは正直言って、ウザイ。タノフェチか。やり過ぎれば陳腐。ジャンプ自体もさほど美しくない。如何にも「GOEの加点狙い」というあざとさを感じてしまう。タノたのみの加点か。

リッポン選手のように両手をまっすぐ上げたタノルッツが鮮やかに決まると、これは確かに凄いし美しいです。しかし、ロシア娘達の片手タノは肘が曲がっていますし、ジャンプを含めて姿が美しく無い。美しくなくてもこれで加点が貰えるなら良いじゃないか、との考え方もあるのでしょうけど、私は共感出来ません。※


Jスポで解説の岡部由起子さんが、タノジャンプについて私に近い見解を語っていました。やはり、ジャッジの方も同じように思っている例があるようです。

タノジャンプをここ一番というクライマックスで使えば効果的でしょうね。例えば、樋口選手がフリーの最後に3ルッツを跳び、ここで初めてタノを入れたら意外性やドラマ性という点で非常に効果的だろうなと想像します。

樋口さんのようにジャンプ中は肘を締め、ランディングの時に両手を広げて見せる教科書的な姿勢が良い。美しい。ジュニアの場合は特に。ジャンプそのものが素晴らしければ「タノ」なんか無くてもしっかりと高い加点が付く!しかも、コンビネーションジャンプの美しさとバランスの良さには舌を巻きます。平松女史の言う、「兄弟ジャンプ」ですね。

ただ滑って、跳んで、スピンして、ステップして…だけにしか見えないようでいて、ありふれた演技のように見えていて、しかし、樋口新葉選手の個性とオーラを強く感じる演技。強い!速い!高い!そしてエネルギッシュ!

技術点の69.50点は特筆すべき事です。昨年の世界ジュニアで優勝したラジオノワ選手だってこれより点数は低かったのです。また、コレオシークエンスの点数分を差っ引いて考えると、シニアのトップ選手でもほんの数人しか出していない高得点です。凄いです。

終盤で跳んだ3Fが特に高くて素晴らしいジャンプに見えました。「!」が無くなっただけでなく高い加点が付いています。樋口さんがここで喜んだのも無理はありません。

ステップシークエンスにしても、身体を目一杯大きく動かしながら力感あるステップを踏んでいると思います。なるほど、確かにメドベデワ選手やサハノビチ選手の方が上手いかもしれませんが、これは時間が解決するでしょう。

ロシア娘達の濃密な演技を、「餅をついたような演技」と表現するならば、樋口選手の爽快な演技は、「竹を割ったような演技」と表現出来るでしょうか。

弱点はスピンでしょうか。あくまでロシア娘達との比較ですが。これは樋口選手に限らず日本人選手に共通する弱点と思います。レベル4は取れても加点が少ない。スピン自体に個性や創造性が乏しく見応えがあまり無い。

フリーの得点を見ると、優勝したメドベデワ選手と樋口選手は互角。これも凄い。結局は演技構成点※の差が順位の差となっただけです。ルッツに「e」という重大な欠陥を持つメドベデワ選手よりも、ルッツを得意技とし、フリップの「!」を克服しつつある樋口選手の方が将来性があるように思います。


SPでは、樋口選手の演技構成点が坂本選手よりも低いのには「エッ?」と思いました。ひょっとして、やはり、滑走順位が影響したのでしょうか?(^_^;)。しかし、坂本選手のSPは素晴らしかったですけどね。

キス&クライで、樋口選手が…おそらくサハノビチ選手にほんのわずか及ばず暫定2位になったことで…一瞬、顔をしかめ悔しそうな表情を見せていたのが印象的です。「お行儀の良い」日本人女子選手には珍しいタイプです。こういうキャラの女子選手は、ファンの間で好き嫌いが分かれるタイプかもしれません。私は好きですよ(´∀`*)。

TURSYNBAEVA選手、トゥルシンバエワと読むのかな?も魅力的です。まず、遠目には小柄で可愛い女の子ですが、アップで見るとエライ大人びた、熟女のような顔立ちをしています。そのアンバランスが面白い。身長が139cmしか無いのに、大らかな身のこなしで立派に見える演技をするのも魅力。

もしも、樋口選手が見習うとすれば、ロシア娘よりもトゥルシンバエワ選手のような美しい姿勢や大きさ、そして柔らかさのある表現ではないでしょうか。

解説の岡部さんが、プログラム&選曲について、
1.選手の年齢に合っていること
2.選手の個性に合っていること※

を強調されていましたが、とても共感出来ます。

「1」については昨シーズンのリプニツカヤ選手のプログラムが最良のお手本と言えましょう。「2」についてはシザーリオ選手の「カルメン」がその典型と言えましょう。

樋口選手のフリー「ガーシュインのピアノ協奏曲」は、これらの2つのポイントに合致する良プロです。


このことでは、バンクーバー五輪シーズンで浅田選手のフリープログラムに「鐘」のオーケストラバージョンを選曲したタラソワさんをちょいとばかり恨んだことを思い出す。私は2009年のジャパンオープンでこれを生で見た時、「な、何だ!この薄気味悪い音楽は?浅田選手の個性に全く合っていない!」と思ったからです。が、私のような感想を抱いたのは少数派で、多くの浅田ファンがこのプログラムを絶賛していました。今でも不思議に思っていますが。まあ、浅田選手本人が気に入っていましたし、好みの違いなんでしょう(^。^;)。



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2015.03.09 | | コメント(11) | トラックバック(0) | フィギュアスケート・大会



コメント

はしょっちゃダメダメヨ~ン

〉ロシア娘の片手タノのジャンプは正直言って、ウザイ。〈

主観と言うことで許してはやる。

〉タノフェチか。やり過ぎれば陳腐。〈

陳腐かどうかも主観

〉ジャンプ自体もさほど美しくない。〈

何を基準に美しくないと言えるのか。
少なくとも、岡部さんはジャンプが美しくないとは言っていない。

〉如何にも「GOEの加点狙い」というあざとさを感じてしまう。タノたのみの加点か。〈
こんなことを言い出せば、書かないわけにはいかない。
長いなんの工夫もない助走のトリプルアクセル。しかも回転が足りることの方が少ない。着氷後の流れも止まり勝ち。如何にもルッツが正しく飛べないための代わりの「基礎点だのみ」というあざとい感じを受ける。

両者とも難しさに的を絞った選択。
トリプルアクセルならもろ手をあげて賞賛し、タノなら日本人選手があまりしないから否定的にとらえているようにしか思えない。

〉しかし、ロシア娘達の片手タノは肘が曲がっていますし、ジャンプを含めて姿が美しく無い。〈

タノの原型はバレエにあり。肘を伸ばした状態ばかりではない。岡部さんが指摘したのは韓国の選手の形。肘をあまり高くあげずに頭の上に置いたような形。

〉美しくなくてもこれで加点が貰えるなら良いじゃないか、との考え方もあるのでしょうけど、私は共感出来ません。※〈

GOEの勉強をしなおしましょう。

〉※Jスポで解説の岡部由起子さんが、タノジャンプについて私に近い見解を語っていました。〈

近いように聞き取ったのなら間違い。回数を多くいれることを否定していない。フリーでサハロワ選手の片手上げや両手上げのバリエーションの工夫を認めている。

〉やはり、ジャッジの方も同じように思っている例があるようです。〈

こういう論理展開の仕方は黒猫さんと同じ。ブログのコメ返しが少なくなっているのも黒猫さんと同じ道を歩みつつある。

2015/03/09 (月) 07:36:47 | URL | バルタントモゾウ #- [ 編集 ]

訂正と追記

サハロワではなくサハノビッチ。

バレエのタノジャンプの原型を振り付けの中に多く使っていたのが、同じロシアのソツコワ。

「ダッタン人の躍り」や「海賊」がバリエーションの勉強になる。

2015/03/09 (月) 09:52:11 | URL | バルタントモゾウ #- [ 編集 ]

フリー技術点1位

樋口新葉選手あっぱれであるv(^_^)v

フリー技術点1位は強者の証である。

樋口選手の今後の大活躍に期待したい。
 

2015/03/09 (月) 12:38:47 | URL | ファントム #- [ 編集 ]

力道山以来のスーパー・スター

樋口新葉選手は力道山以来のスーパー・スターである。

応援するファンを熱くさせる。

ジャンプが決まるたびに立ち上がってガッツポーズできるスパー・スターである(^^)

そしてノーミスの演技終了と同時に新葉ちゃんと一緒にガッツポーズである。




2015/03/09 (月) 23:05:24 | URL | ファントム #- [ 編集 ]

力道山以来のスーパー・スター

なんとも無節操な(笑)

〉樋口新葉選手は力道山以来のスーパー・スターである。〈

では、浅田真央はスーパースターではなかったと論理的には言える。
なぜなら、力道山以来から樋口新葉までにスーパースターが存在していなかったからこそ上の文章が成り立つからだ。

〉応援するファンを熱くさせる。〈

そんな事は他の選手のファンでも同じ。


〉ジャンプが決まるたびに立ち上がってガッツポーズできるスパー・スターである(^^)〈

取り柄がジャンプだけということね。ジャンプが決まらなければ勝てない選手、まるでバンクーバーの浅田選手と同じになってしまう。

〉そしてノーミスの演技終了と同時に新葉ちゃんと一緒にガッツポーズである。〈

ワールドならそれでもゴールドメダリストになれるが、オリンビックは違う。

ノーミスは最低条件でそこにプラスできる独特の空気感を会場全体に与えられることが要求される。

それは、決してハラハラドキドキ感ではない。

男子の場合とはややその点は女子は異なる。
現状に満足して上げ上げする事は若い選手にとっては百害あって一理なし。

世界のトップを目指すには甘さは必要ない。

凡人とは住む世界が違うのだ。

2015/03/10 (火) 03:09:57 | URL | バルタントモゾウ #- [ 編集 ]

タノといったら、やっぱりボイタノ

こんにちは。

樋口選手、楽しそうな笑顔で滑っているのも良かった。
いろいろ悩んでいたり迷ったり、成長と共にそういう状況になるのは珍しいことじゃないけれど、楽しげな様子をなるべく長く見ていたいものです

両手を挙げたジャンプはリッポン選手のもワグナー選手のも微妙です。
でもスポーツである以上やはり「加点の対象、だからやる」といわれればそれはそれでしょうね。

タノはやはり本家ボイタノのものを超えるほど美しいと思った例は今のところはない、かな。
男性がやったほうが断然見栄えがする仕草では?

メドベデワ選手の身のこなしや腕の使い方はかなり好み。
ロシア女子は本当に層が厚い。男子はどうしたんでしょう!

2015/03/10 (火) 12:14:25 | URL | 風邪薬 #U6M1AWu2 [ 編集 ]

ファントムさんへ

最近、テレビやネットの過剰なジュニア選手持ち上げに疑問を感じていましたが、ファントムさんのコメントを見て納得。
需要と供給というか、スケートファンの側にも罪があるんだなと。
私は永井選手派ですが、樋口選手も好きです。けれども、ファントムさんのコメントはそれを差し引いても持ち上げすぎではないかと思ってしまいます。
選手の良いところを褒めることと、過剰な持ち上げは異なるということに早く気がついて欲しいものです。

神宮は伏魔殿なのか、大成する選手がなかなか生まれません。外野に惑わされず、樋口選手が静かに成長できることを願っています。

2015/03/10 (火) 12:18:27 | URL | 神無月 #QygVoc82 [ 編集 ]

Re: タノといったら、やっぱりボイタノ

風邪薬様。

本家本元のボイタノさんは偉大ですね。

何事も、最初に発明した人には敬服します。

>男性がやったほうが断然見栄えがする仕草では?

同感です。

>メドベデワ選手の身のこなしや腕の使い方はかなり好み。

そうか、風邪薬様はこういうタイプの演技も好みなんですね^^

私は彼女の余りの細さ(私とて細いけど、ここまでポッキーじゃないわよ)が気になってしまいます。

その割にはパワーもありそうで…ここが日本人女子とは根本的に違うのかしらね。

2015/03/10 (火) 23:35:46 | URL | 片割月 #- [ 編集 ]

Re: ファントムさんへ

>持ち上げすぎではないかと思ってしまいます。


「持ち上げ過ぎたるは猶及ばざるが如し」という警句があります。

すなわち、持ち上げ過ぎると、その重さに腰が及ばず、ぎっくり腰になりますよ、と注意を喚起する言葉。

昔、腰を痛めた重量挙げ選手が言い出した言葉。

2015/03/11 (水) 00:34:17 | URL | 片割月 #- [ 編集 ]

フィギュアスケートは美しさを競う競技ではない

なかなか時間が取れなくて、メドベージェワ、サハノヴィッチ、樋口、永井選手の演技だけを動画で見たと始めにお断りしておきます。
タノジャンプ、私は「ウザイ」とは感じなかったけれどな~。よくもまあ、あんな不安定な体勢で着氷できるものだと逆に感心しました。

私は、ロシア選手ならレオノワ選手やソトニコワ選手のような演技が好みですので、正直、リプニツカヤ選手を始めとするエテリ門下生の演技は好きではありません。ですから、片割月さんの感想には共感できる部分はあります。

ただ、苦言を申し上げるならば。

>美しくなくてもこれで加点が貰えるなら良いじゃないか、との考え方もあるのでしょうけど、私は共感出来ません。

この部分については、私は全く共感できません。
採点システムが変わってからのフィギュアスケートにおいて、「美しくない」要素など山ほどあるのは片割月さんもよくご存じのはず。
例えば、トリノオリンピックシーズン、女子選手は猫も杓子もビールマンスピンを演技構成に入れていましたが、見た目に美しくないものもありました。
ビールマンスピンに限らず、体の硬い選手がお世辞にも美しくはない難しいポジションのスピンを演技に入れているのはなぜか?
また、バンクーバーオリンピックの後、2010-2011シーズンでしたか、ステップシークエンスのルール改正があり、猫も杓子も片足ステップを演技構成に入れていましたが、お世辞にもうまいとは言えない選手もいました(その後ルールが改正されましたが)。

>如何にも「GOEの加点狙い」というあざとさを感じてしまう。タノたのみの加点か。

これもさすがに言いすぎです。多くの選手は、加点をもらえるようにジャンプを工夫しているのですよ。なぜロシア女子のタノジャンプだけやり玉に挙げるのでしょうか?「ジャンプのバリエーションが豊富になればいいのに」という意見なら理解できますが。

なぜ今シーズンの世界ジュニア選手権以降、タノジャンプについて「美しくない」と不満を言う人がネット上で続出しているのか不思議です。美しくないジャンプ、美しくないスピン、美しくないステップ、美しくないトランジション。「美しくない」要素は他にも山ほどあるのに。

今回のタノジャンプ批判、“マオタ”のヨナさん批判にも通じるものを感じてしまいます。

※別記事のコメント欄でkan-kanさんが紹介して下さったカートさんのコメントですが、「6点満点時代の思考だなあ」としか思えませんでした。

2015/03/18 (水) 21:43:40 | URL | 神無月 #QygVoc82 [ 編集 ]

Re: フィギュアスケートは美しさを競う競技ではない

バルタン様、神無月様。

コメントありがとうございます。

この件については、世界選手権後に再び取り上げたいと思っています(^_^)ノ

2015/03/25 (水) 23:50:07 | URL | 片割月 #- [ 編集 ]

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片割月

Author:片割月
和歌を愛し、音楽を愛し、花を愛し、フィギュアスケートが大好きで、歴史・社会・文学が大好きで、ジョン・レノン、八代亜紀、ちあきなおみが大好きで、クリント・イーストウッドと映画も好きで、皮肉とユーモアも好きな変わり者アラフォー熟女ですが、よろしくお願いします。
最近は体力をつける為に、休みの日はえっちらおっちらとミニハイキングに勤しんでいます。

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