2015フィギュアスケートGPS・NHK杯(完)
NHK杯男女シングルは結果的に羽生&宮原の為の大会みたいな感じになりました。
時間帯が早いということもあるかもしれませんが、ペアとアイスダンスの時に「空席」が目立ちます。なんて勿体ないことをするのかと、他人事ながら残念に思いました。
●ペア:ショート
下位のカップルから上位のカップルまでを通して見ると、やはり、腕の違いは素人目にも分かりますね。スピード、技から技への自然でスムースな流れ、ツイスト等の技そのものの切れ味…演技構成点も微妙な差は分からなくとも、大枠ではある程度は分かるような気がしますね。世界王者のカナダペアはラドフォード君がやや調子が出ていない様子でしたが、それでもやはり、違いますね。デュハメルさんの身体能力には脱帽です。彼女はシングル競技でも優にトップスケーターになれたでしょうね。
●男子シングル:ショート
無良君やジン君他、クリーンに決めた単独4回転ジャンプに、GOEマイナス評価をするジャッジがいます。つまり、「ステップから直ちに跳ぶ単独ジャンプ」になっていないと判断し、通常ならGOEプラスになるジャンプをマイナスにしたのでしょう。
愚見ですが、私は「ステップから直ちに跳ぶルール」は厳格に適用して良いと思います。仮に、リッポン君が単独4Lzを決めたとしても、GOEは-2をつけても良いと思う。ステップ無しの長い助走です。公然とルールを無視したジャンプですから。
羽生君。ォ━━(#゚Д゚#)━━!!
私のような口うるさいファンの戯言など吹っ飛ぶ見事な演技でしたね。恐れ入りましたm(__)m。4Sでランディングが詰まったのに、よくぞイーグルに移行させましたね。凄い運動神経だ。あれでGOEは減点どころか加点+1点貰っている!もう、笑うしかない。3A+イーグルのセットを4Sで使うことにし、3Aはイーグルからは跳ばず、以前のようにカウンターからのジャンプに戻したんですね。この辺りの綿密な作戦はチームブライアンの賜物か。
ステップシークエンスでは暴れていましたね~。暴れると言いましても、プリシェンコさんやミーシャ・ジーさんの暴れ方とは異なり、やはり、どこか北米流の洗練を感じます。これが好きじゃない、という人もいれば魅了される人もいる。私は好きです。
オッ!チームブライアンのトレイシー女史が来ているわ!羽生君とハグしていた。彼女とオーサー氏が留守で地元の生徒たちの方は大丈夫なの?と余計な心配をしたりして^^;
こうなりますと、同門のフェルナンデス君もショートに4回転2本を入れたプログラムにするでしょうね。106点台という途方もないハイスコアーを見たら、今のままのジャンプ構成では地元スペインでのファイナル優勝はやや厳しくなるでしょうし、4回転ジャンパーのプライドにかけても2本で来るんじゃないかしら。
ジン君。
凄いね(@_@;)。ジャンプだけではなく、スピンもステップもなかなか出来る!これは並みの才能じゃないぞ。95点台を出しても首位に立てないなんて、笑うしかない。4ルッツは左足首が捻挫するんじゃないかと思う程にアウトサイドに倒しています。あのような踏み切りからふわ~ッと高いジャンプが跳べるなんて、想像を超えています。
ジン君の衝撃は昨シーズンのアイスダンスで世界王者になったパパダキス/シゼロン組の衝撃に匹敵する。
無良君。
エンジンがかかって来ました。久しぶりに無良君のクリーンなショートを見ましたよ(^^)。男の色気が湧き立つステップシークエンスは素敵ですね。ホワイトさんの振り付けがいいですね。ホワイトさんも人気振付師になりますね。
コフトゥン君。
ああ、またやっちゃった、と(-_-;)。しかし、いつものことながら、ショートプログラムでの彼の踊りは見事ですね。フリーの「ベートーヴェンメドレー」という必殺のプログラムで表彰台に乗れば、ファイナルゲットか。
田中君。
せっかく4Sと3Aを決めたのに、どうして、どうして、3Fが2Fになるのねん?
ホクスタイン君。
全米選手権で彼の演技を見ていますが、今回のショートはなかなか素敵じゃないですか!いいムードが漂っていました。それにしても、ホクスタイン君は身長の割には頭がでかい。そのアンバランスに何故か私は癒されます。で、こういう人は付き合うと良い人が多いのよ。礼儀正しく子供が好きな好青年。
●女子シングル:ショート
なんか、皆さん揃って、次々とミスの連鎖でイマイチ。私はあまり盛り上がりませんでした(・・;)
ポゴリラヤさんの演技には、そして彼女の涙に私も。厳しいよね。スポーツの世界も。
真央さんは3F-3Loをようやく、ようやく、決めましたね。セカンドジャンプの回転が少し危なかったけど^_^;。で、私の望み通り?3Aのミスとの引き換えになりました。しかし、ルッツの抜けまでも引き換えは困ります。
ローリー・ニコルさんは、やはり、フリーよりもショートプログラムの方が振付が上手くハマるような気がします。もちろん、真央さんの場合ですよ。私はショートプログラムの方が好きです。
宮原さん、表現力の進化が半端じゃない!上手いですね~!。これは猛練習の賜物でしょう?ジャンプは低空飛行ですが、よくも、あれで3回転を回りきれるものです。これも、猛練習の賜物でしょう。努力する天才とは宮原さんのこと。
●男子シングル・フリー
羽生君。ぅ(@゚Д゚)@。Д。)わぁぁぁ~~~~ッ!!!!!!
3ルッツ、普通に跳べてる!神演技、来ました。羽生ファンもアンチも私も発狂状態。アナウンサーもあまりの凄まじい演技と超高得点に興奮し、四つん這いになって地べたを這い回り出しそうでした。
もう、これは口を大きく開けて、劇画の主人公のように、「ガハハハ!」と笑うしかない。
2013年フランス大会のパトリックの神演技との違いは、ショート・フリー合わせて羽生君は4回転5本、3A3本に対し、パトリックは4回転3本、3A2本。これがそのまんま点数差になっていることです。どのジャンプの前にもターンやムーブメンツで繋ぎを濃くしている所も、パトリックとほぼ同じ。世界選手権でこのような演技が出来るかどうか!?
「素晴らしい演技だし、羽生選手の才能も分かるが、いくらなんでも点数出し過ぎじゃないか?あれでは他の選手たちはやる気失くすよ」との声もあるらしい。さて、どうなんでしょう?キムヨナさんやパトリック・チャン選手の高得点にも、同じようなことを言う人はいましたね。
ホクスタイン君。
村上君と同じ選曲「レ・ミゼラブル」からでした。村上君には申し訳ないけど、私はホクスタイン君の演技の方が好みです。 彼の優しい人柄が滲み出ているかのような清冽なたたずまいが素晴らしいと思います。表情も良い。顔が大きいのは演技者として得だよね。4Tをもう1本増やせば全米選手権でワールドの切符を手に入れる可能性もありますよ。
コフトゥン君。
数珠を進呈したくなるような揉み手をしたり、お手手を上げて「キンキンキラキラ、夕日が沈む」をしたり、グースカうたた寝をしたり、期待通りの振り付けによる「ベートーヴェンメドレー」でありんした(^ω^ ≡ ^ω^)。わかったか!これが芸術的プログラムなのであるぞよ。どうせなら、「結んで開いて手を打って結んで」もやって欲しかったわ。ジャンプ、あきまへんな(・・;)
ジン君。
ジャンプは凄まじいのですが、フリーともなりますと、ジュニアっぽさが見えてしまう。ともあれ、凄い才能であることは間違いありません。4回転ルッツを「普通に跳ぶ」スケーターが出現するとは、つい最近まで夢想も出来ませんでした。
田中君。
刑事ことデカ君。デカした!4Sが普通に?跳べるじゃんか!さあ、今後は2本入れましょう。がっちり体型が無良君タイプね。で、スピンがやや苦手そうなところも似ているわ。ちょっと硬派で男っぽい系だから、ねじり鉢巻きに片肌脱ぎ姿で、祇園太鼓を叩かせたら絵になるわね。和太鼓の音楽を使ったプログラムも似合うと思う。
ファイナル進出は、羽生君、フェルナンデス君、宇野君、ジン君、そして、パトリックに村上君ですか!ロシア勢もアメリカ勢もゼロとはネ。。。
●女子シングル・フリー
宮原さんGPS初優勝おめでとうございます。ヒックスさんもようやく初の表彰台おめでとうございます。失礼覚悟で言えば、他の選手達は宮原さんの「引き立て役」みたいなNHK杯でした。みんな、ポロポロとミスばっかりしているんだもの。
そんな中で、長洲さんはジャンプに高さが出て来た感じですね。復活の兆し。ただ、スケーティングに以前のようなスピードとダイナミックさに欠けるようで、そこが気になります。
真央さんは私の予想は4位(これでもファイナルには行ける)でしたが、ワグナーさんが予想以上に不調で3位に「滑りこみ」した形となりました。真央さん、だいぶ落ち込んでいた様子ですが、これからの戦いのバネになると思います。真央さんはそういうスケーターです。ちょっと心配なのは3回転フリップの調子が悪そうなことと、滑りにスピードに欠ける感じがすること。
ファイナル進出は、真央さん、宮原さん、メドベデワさん、ラジオノワさん、ゴールドさん、ワグナーさん、と、仲良く日米露三国連合が2名づつ揃いました。政治の方も仲良くやって欲しいものでありんすな。
●アイスダンス
宮本賢二さんの解説は好印象でした。でも、「ターンは、ブラケット、ロッカー、カウンターを見て下さい」と言われましても、視聴者の多くは「???」でしょう(^_^;)
アナウンサーが知ったかぶりをせずに、宮本さんに「ディープエッジとは?正確なエッジとは?」等と、視聴者の立場で聞いていたのはグッドジョブです。このような質問で解説者の説明を引き出すのもアナウンサーの仕事ですよね。
宮本さんが「エッジがフラット気味でした」と解説した時に、アナウンサーがフラットの意味を聞いたのは良かったのですが、「フラットだと何故いけないのですか?」と、素朴で根本的な質問をして欲しかったですね。あそこはちょっと残念でした。
この点、シングルの解説者は自分が喋り過ぎていてあまり感心しません。荒川さんや織田君に「今のステップはどうでしたか?」「具体的にはどのように良かったのですか?」等、聞いて欲しい。
ジャンプやスピンは、私たち素人の目でもある程度は善し悪しが分かりますが、ステップはちょっと難しいですからね。
アイスダンス競技の前に、ステップ・ターンの見分け方のキーポイントを映像入りで宮本さんに解説して貰うコーナーがあれば、鑑賞の助けになったと思うんですけどもね。お金と時間のあるNHKなら出来るのにね。
アイスダンスはステップ・ターンの「見本市」ですから、ファンの教材としても最適です。一つ一つのステップ・ターンを優雅に、ゆったりと、大きく演じてくれるので、私なんかでも「あ、この脚さばきはモホークの準備動作だな、あ、次はブラケットだな」と、予測が出来る場合が半分くらいありました。で、宮本さんが、「モホーク、ブラケット…」と言うと、「当たった!」と私は喜ぶ。
怪我で昨シーズンを欠場していたロシアのボブソロ組、「お帰りなさい」ですね。フリーダンス「アンナ・カレーニナ」は、ベテランの域に入りつつあるカップルならではの大人のムードが漂い、魅了されます。
同じくロシアのステパノワ/ブキン組では、シットポジションのツイズルをはじめとしたステパノワさんの美脚ショーでして、殿方におかれましては、さぞかし満喫されたことでありましょう。ちょいと、アナタ、口から涎が流れていますよ(^∇^)
村元/リード組。村元さんはスケーティングも良かったんですね!シングル選手時代、全日本で何回か彼女の演技をテレビで見た時には特に「スケーティングが上手い!」との印象がありませんでした。私に見る目が無かった(^_^;)。
シブタニ兄妹:SD→動画はここです
「コッぺリア」と知り、マイアさんの振付に納得。
で、私は「コッぺリア」「シルビア」の音楽が子供の頃から好きでして、SDで使用されている「ワルツ」は特に好き。好きな曲を使っているプログラムには即好感を抱いてしまいます(´∀`*)。
宮本さんが言っていたように、シブタニ兄妹はワルツが似合います。
ツイズル、ツイズル言うと笑われそうですが、やはり、シブタニ兄妹のセット・オブ・ツイズルはイタリアのカぺラノ組と並び、演技のクライマックスの一つと思います。上手いですよね。技とシンクロの極地!
ツイズル技には、見ている私には麻薬的効果がありそうで(~_~;)
ふと、思ったのですが、シングル競技の選手も、コレオでセット・オブ・ツイズルをやったらウケそうですが。一人でやる分だけ難易度が下がるのでジャッジにウケないのか?アイスダンサーほどには鮮やかに出来ないからなのか?
NHK杯エキシビションの恒例だった「豊の部屋」。今回は鈴木明子さんの「明子の部屋」。
明子さんのインタビューや語りについては特にどうこうはありません。が、取り立てて面白くはない。
やはり、オネエ?樋口豊さんの強烈な個性と年齢から来る人間味に勝るものは無いです。
あれはいつでしたか?ドイツのカタリナ・ビットさんを招待した時の「豊の部屋」は傑作でした!(´∀`σ)σ
「ビットさんにピタリ寄り添う豊さん。やがて、豊さんの手が…危ない!」と。
2010年でしたか。不調だった真央さんを横にして嗚咽した豊さんの姿も忘れられません。
クセのある佐野稔さんなら面白そうです。「稔の部屋」。
あ、「稔の居酒屋」になりそうだからNHKには不適か(゚∀゚)
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2015.11.29 | | コメント(126) | トラックバック(0) | フィギュアスケート・大会