サカウヨと陰謀論


世界の陰謀論を読み解く――ユダヤ・フリーメーソン・イルミナティ (講談社現代新書)世界の陰謀論を読み解く――ユダヤ・フリーメーソン・イルミナティ (講談社現代新書)
(2012/02/17)
辻 隆太朗

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ネット上には新語が続々と誕生し、とても追いつけない。最近「サカウヨ」なる新語を見たが意味が不明だった。どうやら「サッカーオタク+ネットウヨ」の合成語らしいと分かった。

ネットで見た説明によると、サカウヨの特徴は、

1.敗北を認めない 
2.近隣諸国を無闇に敵視する 
3.基本的に陰謀史観 
4.自分以外は売国奴 
5.いつも怒っている

オヤ?よく見かける一部フィギュアファンの様態と実によく似ている。

1.浅田真央の敗北を認めない
2.近隣諸国、特に韓国を無闇に敵視する
3.基本的にジャッジは八百長とする陰謀史観
4.浅田選手の演技を批判するか、キムヨナ選手の演技を誉める者は売国奴
5.いつもISU、ジャッジ、マスコミ、キムヨナ選手に対し怒っている

これはサカウヨならぬスケウヨか。



上記の「世界の陰謀論を読み解く」でも、陰謀論者はいつも「世界は邪悪な陰謀によって操られ、歪められている。間違っている」と非難し、怒っていると述べている。以下、少し引用しよう。

「…『何が間違っているのか』の基準は(陰謀)論者の信じる価値観に依存する。それは当然のことなのだが、彼等の『正しさ』についての主張は、しばしば非常に強い。陰謀論の論理のなかでは、彼等の価値観は『自分はそう思う』といった一意見としてではなく、ほとんど自然法則と同等な普遍的・絶対的価値が与えられる…」

「…陰謀論においてはしばしば必要な知識を欠いたまま、さまざまな対象が陰謀に関連づけられる。そこには、自分は『正解』を、つまり普遍的に正しい価値観と陰謀という世界の真実をすでに知っているのだ、という自己の解釈枠組みに対する強固な確信がある……中略……従って、自説の傍証となる情報は、実際の事実がどうであるかに関心が払われることもなく、真実として無批判に受容される。たとえ個々の問題についてどれほど事実誤認が指摘されても、あらかじめ正しいことが決定している枠組みは揺るがない…」

「…現代社会に疑問を抱かず漫然と生きている一般大衆や、陰謀論を一笑に付す知識人たちは、陰謀勢力の『大本営発表』を鵜呑みにする愚かな人々であり、陰謀に洗脳され正常な知性や判断力を奪われた人々なのだ…」
引用は以上。


もちろん、世の中は綺麗事で済まされない面が多々ある。物事を懐疑的に見ることは大切だ。イラン・コントラ事件などのように事実「陰謀」が暴露された例もある。また、プロスポーツのように「八百長」が存在することも事実だ。

だからと言ってフィギュアスケートに八百長ありと断定するのは明らかな飛躍だ。しかし、真偽が不明な箇所や、科学でも断定出来ない灰色領域に陰謀論は入り込む。反証不能な領域こそ陰謀論の得意分野だからである。
我々素人の目には不可解な採点や判定。ジャッジの匿名制度。組織のナンバーワンとナンバーツーが10年以上に渡って「政権を維持」していること等、陰謀論が跋扈するのも分かる。

従って、どんなに荒唐無稽な陰謀論でも長命を保つのであろう。私の知る限り、「キムヨナ選手の八百長採点」のフレームワークを論理的にリアルに説明した言説を一度も目にしたことはない。「ISU、韓国、カナダによる陰謀。五輪では高橋大輔選手に銅メダルを与える替わりにキムヨナに金メダルを与える取引があった」とする稚拙な説明くらいだ。しかし、陰謀論を信じるファンには十分に魅力的らしい。

これに比べれば「フリーメイソンの陰謀」や「真珠湾奇襲はルーズベルトのやらせ説」の方が遥かに緻密な陰謀論である。

私も自分が八百長の元締めならどうやって仕組むか考えてみたことがあるが、なかなか難しい。八百長は相撲やサッカーならば簡単なシステムだが、フィギュアスケートの場合は極めて複雑で困難だ。少なくとも2008年度から現在に至るまでの長期間に渡り、しかも100人は超えているであろうISUジャッジ、テクニカルパネルを抱き込むのは至難の技である。これだけの大人数が関与し、その上「内部告発」を防止する仕組みも考えなければならないのである。

陰謀論は反論されればされるほど、自説の正しさの根拠にする。「隠された真実」の存在の傍証とするのだ。名前は出さないが、陰謀論・八百長論で盛り上がっているフィギュアファンブログがあった。まさに上記の説明通りのブログ主の主張と訪問者の様態が見られた。
彼等はジャッジ達からの内部告発を一日千秋の思いで待っている。

その可能性は99%無いと思うが決してゼロではない。

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2012.03.03 | | コメント(8) | トラックバック(0) | 陰謀論関連



コメント

片割月さん

きれじろうです。
面白いです!この記事。

以前、「まともにジャッジしているのは10%」と告発した元ジャッジが居ましたが、

・元ジャッジが思いこみの激しい人なのか否か(自分のジャッジメントの理想を頑として曲げない人なのか)

など、彼ら陰謀論者が告発者そのものの信頼度を検証した形跡は無く、それと

・その10%が「能力」の問題なのか、「やる気」の問題なのか、それとも八百長なのか

を検証せず、即座に八百長の証拠に結びつけていました。
また、

・GOEがバラバラなのは教育方法に問題は無いのか
・元々今のルールがジャッジに過剰な負荷を強いていないか

といった運用上の課題として捉えて検証したのかというと、それもあまり見かけませんでした。

各国スケ連はそれぞれ自国の選手をなんとかステータスアップしたいと考えますし、そこからISU内で様々な駆け引きがあって当たり前なんですが、なぜかそれをISUという「巨大な悪の組織」で一体化しちゃうんですよね。

共通しているのは「文句を言うだけでなく代案を考えてみる」という発想(←社会人になったら一番最初に指導される項目なんですが)が希薄なこと。
それともう一つ。我々のような存在を「不正は絶対無いと考えている能天気な人」と捉えていること。
ISU、各国スケ連全員がもれなく清廉潔白なんてありえないって。

色々な人がいて色々な利害があって、それを纏めるのって大変なんだから。ほんとに。

それにしても、ほんと面白いです。この記事。

2012/03/03 (土) 19:31:41 | URL | きれじろう #EBUSheBA [ 編集 ]

談合組織を作るのと同じ

私の業界は一時期、談合摘発で大きな構造不況へと陥った。

みんなが甘い汁を吸えているときは、談合組織が暗躍するが、ひとたび甘い汁につけないものが出てくると談合組織は瞬く間にほころんでいく。

元ジャッジによる批判も、一つの可能性として、自らが甘い汁(金銭的な意味だけではない、人によっては金銭欲よりも他者を支配する事のほうを好むものもいる)を吸えなくなった不満からの発言だと見ることも出来る。

人はみな自分が信じたいと望む原因に飛びつきたがるものだ。

陰謀論者だけが特別と言うわけではなく、我々自身の深層心理もまた彼らと同じ傾向を持っていることを自覚し、常に自省をすることが大事なことだと思う。

2012/03/03 (土) 22:06:20 | URL | バルタントモゾウ #- [ 編集 ]

バルタンさんのおっしゃることはその通りだと思います。

だからこそ、組織、マネージャーは己を含め「人とはいかなるものか」を理解し組織内の各個人がプライドを持てる組織作り(組織が自分を必要としていると思わせる等。給料による満足感はジャッジの場合現実的に不可能)をしなければなりません。
ましてやジャッジという仕事はどちらかというと加点評価ではなく減点評価される仕事です。
全員に高いモチベーションを維持させるというのはかなりの困難を伴うでしょう。というか、全員が全員100%高いモチベーションというのは現実にはあまりリアリティが無い。

ちなみに元ジャッジがどういった動機で告発したのか本当の原因はわかりませんが、自分がその立場であった場合、必ず清廉潔白で居続けるだろうという自信は全くないですね。

>我々自身の深層心理もまた彼らと同じ傾向を持っていることを自覚し、常に自省をすることが大事なことだと思う。

これが出来ない人間が上司になったら部下は地獄。私の経験では、こういう人は概して自分のマネージメント力の無さを棚上げして部下に理想を求めます。

2012/03/04 (日) 02:05:56 | URL | きれじろう #EBUSheBA [ 編集 ]

Re: タイトルなし

きれじろう様とバルタン様のコメントをひたすら「フムフム」と拝読するばかりの片割月でありんす^^;

伝カエサルの言葉を思い出します。

「人間ならば誰にでも現実の全てが見えるわけではない。 多くの人は見たいと欲する現実しか見ていない」

なお、カエサルの言葉は出典が曖昧で、言葉だけが一人歩きしているようです。

自動車事故死したダイアナさんを「謀殺された」とする陰謀論がありましたが、これは「ダイアナさんほどの人が単なる事故であっさり死ぬとは思いたくない。きっと何かウラがあるに違いない」との心理がその背景にありましたね。

少なからぬ人はそう「思いたい」ということ。「思いたい」を前提に、状況証拠らしきパーツを集めて「ストーリーをデッチ上げるわけです。しかし、この心理はよく理解出来ますね。

ケネディ暗殺についても同じことが言えるでしょう。

事実を無視してでも、若く魅力的な大統領が単独暗殺犯の犠牲になるわけがない、と「思いたい」のです。

つまり、どんな衝撃的事件も「オッカムのかみそり」の法則(いくつかの解釈や仮説が存在する時、一番単純な又は新たな仮定が少ないものがたいていは正しいとする)
が通用するケースが少なくないようですね。

2012/03/04 (日) 12:21:22 | URL | 片割月 #- [ 編集 ]

サスケ

光あるところに影がある
まこと栄光の影に数知れぬジャッジの姿があった
命をかけて歴史をつくった影のジャッジたち
だが人よ 名を問うなかれ
闇にうまれ 闇に消える 
それがジャッジのさだめなのだ
ISU お前を斬る


いつどこで誰が生み出したのか誰も知らない、スポーツでも芸術でもない異形の競技…それが「フィギュアスケート」である。時にはマスコミに迫害され、また時には観客を育みながら、いつか疑惑の晴れる日を夢見て彼らは世に仇なす悪と戦い続けるのだった

早くスポーツになりたい~~~。

2012/03/04 (日) 20:24:56 | URL | バルタントモゾウ #- [ 編集 ]

よせばいいのに


ジャッジに生まれて来たけれど

ジャッジの幸福まだ遠い

せっかくつかんだ地位なのに

私の外にいい人いたなんて

どうにもならない欲だと解っていても

お金は欲しいもっと出世したい

馬鹿ネ馬鹿ネよせばいいのに

ダメなダメな本当にダメな

いつまでたってもダメなジャッジね~♪


(ある陰謀論者の妄想です)

2012/03/04 (日) 21:08:39 | URL | 片割月 #- [ 編集 ]

よせばいいのに2

ジャッジに選ばれて来たけれど

ファンのレベルまだ低い

せっかくつかんだチケットなのに

他の演技に 見る目が無いなんて

どうにもならないファンだと解っていても

教えてあげたい ファンとジャッジは違うよと

馬鹿ネ馬鹿ネよせばいいのに

ダメなダメな本当にダメな

いつまでたってもダメなファンね~♪

2012/03/05 (月) 08:05:16 | URL | バルタントモゾウ #- [ 編集 ]

三百六十五歩のマーチ

某審判たちのマーチ



ヨナageは、一人じゃできない

だーからみんなでするんだね

加点は厚く、DG甘く

しーんさ、ズサンですぐ出来る

審判はワン・ツー・パンチ

ヨナage続け夢見よう

出世の道も加点から

始ることを信じよう~♪


(妄想の2)

2012/03/05 (月) 20:58:40 | URL | 片割月 #- [ 編集 ]

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Author:片割月
和歌を愛し、音楽を愛し、花を愛し、フィギュアスケートが大好きで、歴史・社会・文学が大好きで、ジョン・レノン、八代亜紀、ちあきなおみが大好きで、クリント・イーストウッドと映画も好きで、皮肉とユーモアも好きな変わり者アラフォー熟女ですが、よろしくお願いします。
最近は体力をつける為に、休みの日はえっちらおっちらとミニハイキングに勤しんでいます。

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