冨田勲の音楽




作曲家・編曲家・シンセサイザー奏者の冨田勲氏が慢性心不全のため、84歳で亡くなったそうです。
ご冥福をお祈りいたします。

私は冨田勲の音楽が好きです。

出会いは高校生の時。ドビュッシーやラヴェルの音楽を冨田氏がシンセサイザーで演奏した録音盤がラジオで流れていたのを聴き、とても新鮮な印象があったのを覚えています。動画にもアップされていますね。

その後、冨田氏が放送界ではテーマ音楽の名手としてレジェンド的存在と知りました。

アーカイブ放送だったかで再放送された「新日本紀行」のテーマ音楽を聴いて、たちまちその日本的情緒を湛えたノスタルジックな音楽に魅了されました。たまに聴くと思わず感傷的になりホロリとしてしまいます。また、NHK大河ドラマのオープニング・テーマ「新平家物語」「徳川家康」も重厚にして壮大。とても好きです。

で、私は冨田勲のCDも持っていて、時々聴きます(●^o^●)。


「新日本紀行」のテーマ音楽。


この曲を聴くと、日本の風土…わらぶき屋根の家々、のどかな田園地帯、夕闇のシルエットに沈む山脈、潮の香りの漂う漁港等の情景が蘇ってくるようです。演奏時間は短いのですが、難度聴いても飽きません。名曲と思います。


「新平家物語」のオープニング・テーマ。
動画はここです

前に書いたことがありますが、私は「新平家物語」の総集編ビデオを見たことがあります。この動画に流れているクレジット・タイトルを見て分かりますように、清盛役の仲代達矢をはじめとした錚々たる俳優陣!重厚な演出!私の好きな俳優の田村正和が崇徳上皇役で出ています。若い!

このビデオを見てしまうと、何年か前に放映された「平清盛」など、軽くて軽くて、とてもとても。。。

同じことが映画「日本のいちばん長い日」についても言えます。リメイク版も悪くなかったですが、旧作の三船敏郎の阿南惟幾陸軍大臣や、笠智衆の鈴木貫太郎首相を見た後では、ちょっとネ。。。


「新日本紀行」と「新平家物語」を聴けば分かるように、冨田勲の作曲は冒頭に非常なインパクトがあります。

手塚治虫のアニメ「ジャングル大帝」のオープニング・テーマも良いですね。



2016.05.09 | | コメント(8) | トラックバック(0) | 音楽



BABYMETALとは何?







屁糞臭立大学の穴丸運子講師は、ここ最近、日本のみならずアメリカやイギリスでも人気急上昇中のロックグループ、ベイビーメタルをつぎのように語った。

…このグループがロックの本場、アメリカやイギリスでウケまくっているようですが、それは商売戦略の勝利と言えましょう。まず、グループ名のベイビーメタルはヘビメタのシャレです。ヘビ(蛇)とベイビー(赤子)の対照がシュールです。

次に、「ギブミー・チョコレート」という歌ですが、これは終戦直後に日本の子供達が「ギブミー・チョコレート!」と言って、アメリカ進駐軍の兵隊に群がっていた史実を逆手に取ったのが上手い。ノスタルジアを感じさせる劇場演出の勝利です。

第三に、グロテスクなメイクとコスチュームの腕利きロックバンドを後ろに、AKB48的アイドル系コスチュームの女の子3人を前に配した非対称的対照がファンタスティックです。キッチュな手法の勝利です。未成年の女子3人が可愛げに踊る姿は日本が誇るアニメ文化の世界にも通じます。これもまた米英のロックファンにウケるのです。ズッキュンだ!。

第四に、このロック音楽は極めて単純なヘビメタのダダダのリズムの繰り返しと、口当たりの良いJ-POP的歌い回しの融合と言えます。まさしく、この簡素系単純わびさび型のロックはベイビーなのですね。ゴテゴテとバロックに凝り過ぎたロックに飽きていた米英のロックファンには日本文化の香りすら感じるベイビーメタルに惹きこまれました。歌詞が日本語なのも幸いし、米英人には不思議なアトモスフィアを醸しだしております。ドッキュンだ!…。


この話を聞いていた高校の同級生の鼻糞真黒助さんが穴丸運子講師に、「ベイビーメタルのロックは好きですか?」と尋ねたところ、穴丸講師は以下のように答えたそうです。

…ヤダ、ヤダ、ヤダ、ヤダ、ネバー、ネバー、ネバーー!!


ベイビーメタルのロックに対し、穴丸講師のように、

目まいがする、と答えたアナタ…目は老化しています。
耳鳴りがする、と答えたアナタ…耳は退化しています。
頭が痛くなる、と答えたアナタ…感性は劣化しています。

穴丸運子とはむろん、片割月のことであった。



2016.04.29 | | コメント(6) | トラックバック(0) | 音楽



チャイコフスキーの「三大バレエ」を比較する:愚見を少々





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名バレリーナ:マイヤ・プレセツカヤさんの「白鳥の湖」

133018318m.jpgキーロフ・バレエの「眠りの森の美女」

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英国ロイヤル・バレエの「くるみ割り人形」(1985年)

以前からチャイコフスキーの三大バレエをDVDで繰り返し見ています。バレエに不案内な私でも、繰り返し見ることで、バレエの面白さがある程度は分かりますね。

私の独断と偏見による評価。

①台本の比較評価
白鳥の湖>>>くるみ割り人形>眠りの森の美女

「白鳥」は主役の白鳥と黒鳥というキャラクター作りが鮮やかですし、物語の展開も上手い。全体を通して「劇」として観ても人を飽きさせない構成だと思います。良く出来た台本だ。

「眠りの森」はオーロラ姫のキャラにあまり個性を感じないし、劇としては時間が長すぎで、文字通り「眠り」の効果しか無いと思います。物語としてはやや退屈だ。

「くるみ割り」は前半は子供ばっかりが出てバレエ的要素に乏しく、音楽付きの無言劇でも観ているような感じがします。後半はもう、これでもか、これでもか、と踊りのかため打ちとなっていて物語の展開が無い。台本としては全体のバランスが崩れています。それに、主役はクララかと思いきや、実質は金平糖の精のようで、やや混乱させられます。しかし、第二幕は名曲が目白押しで踊りも多彩ですから、「終わり良ければ全て良し」と、観客の満足度は「白鳥」に劣らないでしょうね。


②音楽の比較評価
くるみ割り人形>>白鳥の湖>眠りの森の美女

「くるみ割り」はチャイコフスキー最晩年(1892年)の作曲であり、名曲の交響曲「悲愴」の前に天才的霊感が最高度に発揮された音楽と思います。旋律の美しさと豊麗でシンフォニックな響きで何度聴いても飽きません。「花のワルツ」「雪片のワルツ」はもちろんのこと、私は特に、「トレパック」の躍動感に魅せられます。
「トレパック」→動画はここです

「白鳥」は一度聴いたら忘れられない美しい旋律に彩られていて楽しい。ただし、やや音楽の肉付けに乏しく表面的だ。オーケストラで聴くだけでは飽きが来るかもしれません。私は「四羽の白鳥の踊り」が好きです。バレエとしても面白いですが、「白鳥」の中では音楽として実に個性的です。
「四羽の白鳥」→動画はここです

「眠りの森」も晩年(1889年)の作曲であり、有名な「ワルツ」はもとより、「ばらのアダージョ」「パノラマ」の豊麗で充実した楽想は「くるみ割り」と同じ響きだ。しかし、他は概して旋律的個性に乏しくてやや退屈する。人気や知名度という点で、「三大バレエ」の中では一番下らしいのは、この辺りにも原因があるのではないでしょうか?

ともあれ、「バラのアダージョ」は音楽の豊潤さ、バレエの楽しさと言う点で実に素晴らしいと思います。「眠りの森」のクライマックスの一つではないでしょうか?私は好きだなあ。
「バラのアダージョ」→動画はここです

バレリーナのターンは右回転ばっかりね。左回転も入れたらどうかと思うが。。私がフィギュアスケートの見過ぎか^_^;

小学生の5・6年の頃、三大バレエの有名な曲を抜粋したレコードを聴きましたが、「くるみ割り」がすぐに好きになりました。「小序曲」「行進曲」~「金平糖の踊り」「芦笛の踊り」「花のワルツ」等、繰り返し聴きまくったものです。上の評価には当然そうした私の嗜好が強く反映しています。



③バレエの醍醐味
これは私には比較評価が出来ません(^_^;)

フィギュアスケートのスピンのようなピルエットというターン。女性は左足を軸に右回りですね。左回りは「三大バレエ」には見かけません。フィギュアのビールマンスピンも左足が軸ですが回転は左回りです。

どうしてこのような違いが出るのでしょうね?何か技術的必然性があるのか、単に「そういうもの」なのか?

男性の場合は右回転も左回転もしていますね。「くるみ割り」の「グラン・パ・ド・ドゥ」の中で左回転の場合に右足を軸に回っている例がありました。

それにしても、踊り子さんたちはあれだけ難しそうな踊りをしても、転倒したり、足元が滑ってバランスを崩すことが無いのが凄いですね。床には何か滑り止めみたいなものが塗ってあるのでしょうか?

バレエとフィギュアは表面上は似ている点もあるようですが、やはり、全く別物という印象を持ちました。フィギュアスケーターがバレエを習うのは、上半身、特に腕や手の細やかで柔らかな使い方と言う点で役立つからでしょうか?

これは私の全くの素人考えですが…日本の女子スケーターはバレエ以外に空手を習ったらどうかと思う。力強さ、メリハリをつける等、日本女子にやや欠ける要素を補強してくれそうだけどなあ。柔らかさや細やかさばかりが能ではないでしょう。新極真の空手家をコーチに招き、空手の型を特訓するとか。なお、瓦の試し割りや足の蹴り技は不要です。

実際、シンクロナイズドスイミングでは空手をテーマに空手の振り付けで演じている例がありますよ。

まあ、私のトンチンカン発想です。



2015.11.18 | | コメント(72) | トラックバック(0) | 音楽



バッハの中で私が好きな曲:私のバッハ受容はこれから




●バッハ:カンタータ51番「全地よ、神にむかいて歓喜せよ」より、第四曲コラール終結部~第五曲「アレルヤ」
シュヴァルツコプフ独唱→ここです

自分が関心の無いジャンルの音楽はたいてい、どれも同じように聞こえるものだ。ジャズに関心が無い人にはどのジャズのナンバーも同じに聞こえるし、フラメンコのどの歌も同じように聞こえるものだ。かつて、私の祖父は私がドビュッシーやチャイコフスキーを聴いていると、「また『ベトベン』を聴いているのか!」と顔を顰めたものだ。

特に、クラシック音楽に関心の無い人には、どんな名曲も睡眠薬でしかない。

私はクラシック音楽が好きでありながら、バッハは苦手だった。どの曲も同じように聞こえる(笑)。睡眠薬なのだ。実際、バッハの名曲「ゴルトベルク変奏曲」は不眠症の貴族の為に作曲されたとの説もあるくらいなのだ。とにかく、同じようなリズムとテンポで、地味で同じ音型がひたすら繰り返されるのだ。そして、どの曲も色に例えればセピア色一色に塗り込められた感じだ。単調で音楽に山や谷が無いので、次第に睡魔に襲われてしまう。

そうかと思えば、オルガン曲のトッカータだのフーガだのパッサカリアとなると今度は重苦しい。重苦しい音楽はマーラーやブラームスでさんざん聴いているので、バッハを聴いてまで重苦しい思いをするのは勘弁だ。

…と、まあ、私はこんな調子でしたが、3年前くらいからバッハを頑張って?聴くうちに次第にその良さも分かり始めた。しかし、器楽曲はやや苦手だ。パルティータとかシャコンヌとか無伴奏チェロ組曲などは、聴いていてへこたれる。ブランデンブルク協奏曲やバイオリン協奏曲はそれなりに良いとは思いますが、モーツァルトやロマン派の協奏曲の方がやはり面白いし、楽しめる。私にとってはバッハは声楽曲の方が良い。

「ミサ曲ロ短調」「マタイ」「マニフィカト」には感動的で素晴らしいページがあります。なるほど、バッハが「音楽の父」と称されるのもむべなるかな。こんな音楽を聴いていたら、仏教徒からキリシタンに宗旨変えしたくなる。

「カンタータ」はどうか?カール・リヒター指揮による8曲の選り抜き盤を中古屋さんで見つけ、聴いてみた。「61番」「4番」「56番」「106番」「26番」「80番」。そして有名な「心と口と行いと生き方は」のコラールの入っている「147番」。この中では2本のブロックフレーテの響きが印象的な「106番」に魅せられますが、概して、どの曲も私には退屈だ。1曲を聴き通すのはちょっと苦痛。私がこんなことを言うのは僭越も甚だしいけど、曲による出来不出来の落差があるように聞こえます。

もしかすると、私がワーグナーの壮大で劇的なオペラを聴き過ぎた後遺症かもしれません。

しかし、「51番:全地よ、神にむかいて歓喜せよ」には大いに魅せられました。バッハにしては明るく華やかで、オペラチックだ。演奏時間がカンタータにしては18分程度と短めなのも手軽で良い。バッハ通に言わせると、この曲はバッハのカンタータの中でも特殊なものに属すらしい。が、そんなことはどうでも良い。

何よりも、最後の五曲目「アレルヤ」が素晴らしい。映画「オーケストラの少女」でも取り上げられ有名になったモーツァルトの「アレルヤ」とつい比較したくなります。モーツァルトが「子供の無垢な響き」でれあば、バッハは「大人の無垢」とでも言えようか。音楽を聴く喜び、大袈裟に言えば、生きることの喜びすらも感じます。

上の動画で紹介したように、第四曲目のコラールの終わりから第五曲目「アレルヤ」に移行する所からして感銘をうけます。特に転調もしていないのに、ガラリと楽想が変わる。これも不思議な魅力だ。また、ソプラノとトランペットの掛け合いも協奏曲風で実に耳に快い。この2つの組み合わせは滅多に無いので新鮮に響きます。

私はまだバッハを好きとは言えないけど、この「51番」は大好きで、たびたび聴きたくなる一曲です。

シュヴァルツコプフ独唱は豪華過ぎてバッハのカンタータにはどうか?とも思えますが、私の愛聴するエディト・マティス独唱の動画が見当たらないので、これを選びました。



2015.11.17 | | コメント(12) | トラックバック(0) | 音楽



思わず涙ぐんでしまう音楽





シューベルト(1797~1828年)作曲「即興曲:Op.142-2」


その音楽が鳴り出すやいなや、たちまち目がウルッとしてしまう曲があります。誰にでもあると思います。

私は脳の仕組みのことは不案内ですが、音楽を聴く脳と記憶する脳とは近い関係にあるのではないかと思います。

ある曲を聴くと、子供の頃に遊んでいた原っぱの風景、友人との楽しかった旅の一コマ、恋人と肩を寄せ合って歩いた街並みの一コマ、辛かった新入社員の頃のある出来事、身近な人を亡くした時のこと等がフワーッと浮かび上がって来る場合があります。

音楽で思わず涙ぐんでしまうのは、こういうケースです。美しい音楽を聴くと特に抵抗出来なくなります。シューベルトは人の心の琴線に触れる、暖かくて美しい旋律を書く人だったから、癒されたり、慰められたり、しんみりとした気持ちにさせられます。

この曲はご存じの方がいるでしょう。最初の主題が鳴った瞬間に涙腺が緩みます。まるで、物思いにふけながらあてどもなく彷徨する詩人の歩みのようです。

メヌエットなんだそうですが、何も知らずに聴くとこの曲がメヌエットとは気がつかないのではないでしょうか。それくらい曲の旋律の存在感は圧倒的です。

シューベルトの特徴は、聴く人の心を揺さぶる長調→短調→長調の交差と、何気ない分散和音のパッセージの煌めくような美しさにあるのではないでしょうか。この曲の中間部の分散和音もそうです。

「4つの即興曲Op90」と、「4つの即興曲Op142」の計8曲は、どれも同じくらい素敵ですが、私はOp142-2が特に好きです。

気持ちが落ち込んでいる時、昂る気持ちを鎮めたい時、疲れている時、こんな音楽が聴きたくなります。

CDは、ラドゥ・ルプーによる美しい演奏をひたすら聴いて来ました。1982年録音なので、音質という点ではさすがに古びて来たようですね。速度指定はアレグレットですが、演奏家によって速度はまちまち。あまり速くてはぶち壊しで付いてゆけません、遅いのも眠くなります。

上記の動画くらいの速度が私にはピッタリ来ます。





2015.07.06 | | コメント(8) | トラックバック(0) | 音楽



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プロフィール

片割月

Author:片割月
和歌を愛し、音楽を愛し、花を愛し、フィギュアスケートが大好きで、歴史・社会・文学が大好きで、ジョン・レノン、八代亜紀、ちあきなおみが大好きで、クリント・イーストウッドと映画も好きで、皮肉とユーモアも好きな変わり者アラフォー熟女ですが、よろしくお願いします。
最近は体力をつける為に、休みの日はえっちらおっちらとミニハイキングに勤しんでいます。

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